ソニーの「ブラビア」は、37V型以上ではLEDバックライトを搭載した「X7000」をフラッグシップとし(高額製品のためここでは取り上げません)、ハイグレードモデルの「X5000」「X5050」「W5000」、そして、スリムフレームの「F1」シリーズ、スタンダードモデルの「V1」といったラインナップとなっています。また、32V型以下では、先日発表された低消費電力モデル「JE1」(現時点では32V型のみ)、スタンダードハイビジョン「J1」シリーズ、ポップなデザインの「M1」シリーズがラインナップされます。ただし、X5000/W5000は、モデル末期の製品で、一部の製品はすでに生産完了となっています。

X5000シリーズとX5050シリーズは、フレーム部分の仕上げが異なるのみです。どちらも、アクリルを効果的に使用した「フローティングデザイン」を採用していますが、X5050ではピアノブラック仕上げで、X5000ではブラック/シルバー(発売当初はカラーオーダーが可能でしたが、現在は終了している)の2色。またW5000シリーズも、デザインと、搭載されているスピーカーの台数に違いがあるのみで、機能的には同一です。

X5050とX5000、W5000は、映像エンジンに「ブラビアエンジンプロ」を採用したモデル。F1とV1は、「ブラビアエンジン2」を採用しています。ブラビアエンジンプロには、同社が「DRC」(デジタル・リアリティ・クリエーション)と呼ぶ、一種のスケーリング技術が採用されています。これは、SD信号だけでなく、ハイビジョン信号をも高密度化するというもので、従来は、インターレースで高密度化を行ったあと、単純にI/P変換を行うという手法が採用されていましたが、ブラビアエンジンプロに搭載されるDRC-MF2.5では、ダイレクトに高密度なプログレッシブ信号を作り出します。また、対応する信号も、525i/525p/750p/1125iにまで拡大(従来は525i/1125iからの変換のみをサポート)しました。スタンダードクラスのモデルに搭載されているブラビアエンジン2には、このDRCは採用されていません。

同じブラビアエンジン2を搭載するF1シリーズとV1シリーズですが、F1シリーズは、スリムフレームを採用したモデル。また、DRCこそ搭載されていませんが、ライブカラークリエーション(バックライトの光から、より純度の高いRGBを取り出せるように蛍光体を新開発したもの)が搭載されており、色再現領域はNTSC比で102%、x.v.Colorへも対応します。V1シリーズは、フルハイビジョンモデルとしては、エントリークラスという位置付けのモデルで、ライブカラークリエーションは搭載されておらず、バックライトは一般的な冷陰極蛍光ランプが採用されています。

なお、V1シリーズ以上のブラビアシリーズには、全機種に動画ぼけの減少、24pで撮影された映像のスムーズな再生だけでなく、撮影時のぼけも低減することも可能な「モーションフロー」が採用されています。

さらに、アクトビラビデオとアプリキャスト、DLNAクライアントのソニールームリンクといったネットワーク関連の機能と、2.4GHz帯の電波を使用することでテレビに向ける必要がなくテーブルの上などに置いたまま操作することが可能なお気楽リモコンが、すべての現行モデルに採用されています。

フローティングデザインを採用した「X5000」シリーズ

X5000に比べるとスタンダードなデザインのW5000シリーズ

スリムフレームを採用した「F1」シリーズ。ライブクリエーションを搭載

フルハイビジョンモデルとしてはスタンダードクラスの「V1」シリーズ。モーションフローは搭載される

シリーズ 画面サイズ 型番 フルHD 倍速 映像 エンジン 暗所 コントラスト比 デジタル ダブルチューナー リンク機能 シーンによる バックライトコントロール 部屋の明るさによる バックライトコントロール
X5050 52 KDL-52X5050 10bit 2200:1*
46 KDL-46X5050 10bit 2200:1*
40 KDL-40X5050 10bit 2200:1*
46 KDL^46X5000 10bit 2200:1*
40 KDL-40X5000 10bit 2200:1*
46 KDL-46W5000 10bit 2200:1*
F1 46 KDL-46F1 10bit 3000:1*
40 KDL-46F1 10bit 3000:1*
V1 52 KDL-52V1 10bit 3000:1*
46 KDL-46V1 10bit 3000:1*
40 KDL-40V1 10bit 3000:1*
*ブラビアシリーズのコントラスト比は、パネル単体のものではなく、テレビ全体の値