米Microsoftは3月3日 (現地時間)、開発中のInternet Explorer(IE) 8で、同バージョンのスタンダードモードをデフォルトレンダリングにすることを明らかにした。これは同社が米国時間の2月21日に発表した、主要製品の相互運用性を向上させる新戦略に沿った変更だ。

IE8は3つのレンダリングモードを搭載している。1つはIE8のスタンダードモードで、残る2つはIE7とIE6以前のスタンダードをサポートする互換モードだ。Microsoftは昨年12月にバージョン8がIEで初めてAcid2テストをパスしたと発表したが、その際にIE8では標準規約への準拠と共に、IE7以前への互換性を確保する方針を示していた。IE7ではCSSサポートの改善など標準準拠を強化したものの、デフォルトレンダリングを変更したことで、IE6で表示調整されたWebサイトの表示が崩れるという問題が起こった。そこで同様の問題を避けるために、IE8の従来プランではIE7のレンダリングをデフォルトにし、IE8のレンダリングを使うにはHTTPヘッダやmeta tagでリクエストしてもらうことでスムースな移行を実現しようとした。しかし開発者コミュニティから標準準拠の姿勢を疑問視する声が上がり、またMcirosoftがWindows Vistaを含む主要製品で相互運用性を向上させる方針を打ち出したため、最終的にデフォルトレンダリングをIE8のスタンダードモードに変更した。IE8でIE7のスタンダードモードを使って表示させたい場合は指定してリクエストする。

「どちらの側にも考慮すべき重要なポイントがある複雑な問題だ」とCTOのRay Ozzie氏。「数十億のWebページが過去のバージョンでレンダリングされるようにデザインされているのに対して、すべてのベンダーが標準準拠によってもたらされる相互運用を重視すれば、Webデザイナーが大きなベネフィットを得られる。これらを秤にかけた結果、われわれは新しいWeb標準のサポートを最優先させる決定を下した」と説明する。またInternet Explorer担当のゼネラルマネージャーであるDean Hachamovitch氏は、「IE8のリリースが同時に幅広いIE8への対応を促すことになる。この選択はサイト開発者に、それぞれのWebコンテンツがIEでちゃんと動作するのを確認してもらう呼びかけになり、長期的な視点でWebのための適切な選択になるだろう」と述べる。Microsoftは3月5日から米ネバダ州ラスベガスで始まるMIX08でIE8の詳細を説明する予定だ。