まだ学生だった20歳でシドニーオリンピックに出場して以来、日本を代表するアスリートとして活躍する末續慎吾選手。2003年世界陸上パリ大会の200メートルで3位となり、ネグロイドが席巻する陸上短距離界に対し一石を投じ、世界をアッと言わせた。そんな末續慎吾選手に2008年北京オリンピックを控えた今の心境をインタビューしてみた。

今年で28歳になる短距離走者・末續慎吾選手。 オリンピックへの挑戦は2008年の北京で3回目となる

--2007年、世界陸上という大きな大会があったと思います。大会が終わったあと、末續 選手はどのように過ごされていたんですか?

長い間、休んだことがなかったので、身体を休めるつもりで2カ月くらい人並みの生活をしていました。実家が田舎の方なのですが実家に帰ったり、身体の悪いところを治したり、疲れを取るため休んだり、行ったことのないところに行ってみたり……。

--休んでみてご自身の中に変化はありました?

変化というか、「オレってやっぱり"人間"だったんだなあ」と(笑)。僕も「競技者」であり「人間」なので、普段はどうしても「人間」の部分で無理をしないといけない。だから、普通の人の生活というか、ちゃんと3食ごはんを食べて、ちゃんと寝る生活をしました。練習をしながら休んでも、「身体を休めよう」と意識して休んでいるんで、結局、神経を使っているんですね。

--普段、食事で気をつけていることはありますか?

お腹が空かないようにしてるんです。お腹が減っちゃうと筋肉のエネルギーを使い始めるらしいんですよ。なので、常に筋肉にエネルギーが貯められている状態を保つようにしています。本当は小分けにして毎日5食くらいにするのが良いらしいですけど、練習を再開してからは、そんな時間がないので、お腹空かないように気を付けていますね。

--風邪をひかない、といった工夫みたいなこともされているんですか?

1度、めちゃくちゃ脂肪を落としすぎて5%くらいになっちゃったんです。そうすると、耐性がなくなるんですよ。なので、脂肪が多少はあった方がいいので、ちょっと太ろうかなと思ってます。でも油断するとほんとうにすぐに(脂肪が)無くなっちゃいますね。あとは、酒を飲み過ぎないことですかね(笑)。