池袋と渋谷を結ぶ副都心線は、そのほとんどが明治通りの下を通っている。我々ウォーカーが歩いた新宿三丁目 - 東新宿間には緩やかなカーブを描くポイントがあり、ちょうどこの区間が新宿・花園神社近辺の明治通りのカーブと重なっているのだ。「頭上に花園神社があるのか……」と地上の街並みをイメージしてみる。「そこを歩く人々は、まさか自分の足元を地下鉄が走っていることなんて想像をしてないのだろうな……」と考えるのもまたおもしろい。

副都心線の池袋、渋谷は、西武・東武・東急との相互乗り入れが予定されている

副都心線の断面

東新宿駅に到着。何気なくあたりを見渡すと、「あれれ!? 」という疑問がわいた。新宿三丁目付近で隣りを走っていた反対方向のB線(渋谷→池袋)がないのだ! B線はどこへ!? するとスタッフが「東新宿駅はA線が上、B線が下と2層構造になっています」と教えてくれた。複雑……。我々ウォーカーが歩いてきたA線の階下である地下6階をB線が走っているのだ。

東新宿駅はA・B線共に、通過線と停車線の2線をつくる必要があったとのことで、横に広く土地を使うのを避けるため、B線をA線の下に通すようにしたのではないだろうか。ちなみに副都心線の新宿三丁目駅は、丸ノ内線と都営新宿線に挟まれたわずかな場所に駅がつくられている。これにはスタッフも「相当苦労しました…」とコメント。

これが副都心線の縦断面図。東新宿だけ上下2重構造になっているのがわかる

駅建設の苦労話を聞いているうちに、トンネル・ウォークもあっという間に折り返し地点へ。東新宿駅B線(渋谷→池袋)を逆行して新宿三丁目を目指す。「どうせ往路と同じ道のりだろう」と思っていたのだが、歩いていると微妙に息が切れてきていることに気が付いた。なぜだ? 「今、ここは40パーミルの勾配を歩いています」というスタッフの言葉に、思わず「え~っ!?」。さらにスタッフはどこか誇らしげに、「ここは東京メトロでの最勾配区間です。国交省から特認を受けてつくりました」と話すのだ。

はい、わかりやすく解説しましょう。ここは東京メトロで最もきつい坂道。通常、鉄道の坂道は1,000mの間で最大35mまでのアップダウンならOKと決められているのだが、ここはさらに急な40m級の坂道。国土交通省から特別に認可されてつくったというのだ。

続けてスタッフがやや興奮気味に最勾配区間にあった勾配票を指差し、「これ、珍しいですから。撮っておいてください! 」と私たちに話してくれた。

東新宿の断面図を示す掲示。通過線AB線に対し、停車線をそれぞれC線、D線と名づけている。そして、写真上が特認区間であり、東京メトロ最勾配区間にあった勾配票