パナソニック モバイルコミュニケーションズは5日、同社が各携帯電話会社に提供する2007年秋冬モデルの携帯電話について、報道関係者に向けた商品説明会を開催した。

パナソニック モバイルコミュニケーションズ 代表取締役社長 脇治氏

同社が提供する2007年秋冬モデルは計7機種。NTTドコモ向けには2機種の「VIERAケータイ」を発表した。3.5インチフルワイドVGA液晶を採用した「P905iTV」と、縦と横の2方向に開くことができる「Wオープンスタイル」が特徴の「P905i」で、共に充実したワンセグ受信機能が特徴。加えて、ワンセグ受信機能を搭載しながら厚さ12.8mmのボディを実現した「P705i」、第三世代携帯電話としては世界再薄という厚さ9.8mmを実現した「P705iμ」、P705iμのカメラ機能を省いたビジネス向けモデル「PROSOLID μ(P705iCL)」の3機種を発表している。ソフトバンクモバイル向けには、女性や若者をターゲットに、筐体表面にメタリックな質感の偏光パネルを採用した「MIRROR 821P」、熟年層をターゲットに、見やすさ・使いやすさにこだわった「820P」の2機種を発表した。なお、今シーズンKDDI向けの新製品は用意されていない。

説明会では、代表取締役社長の脇治氏がVIERAケータイ2機種を中心に、各端末のコンセプトや概要などについてプレゼンテーションを行った。VIERAケータイは、松下電器産業の薄型テレビ「VIERA」の技術を採用した端末。今回提供する携帯電話の中ではフラッグシップモデルという位置づけで、パナソニック モバイルコミュニケーションズの戦略商品だとした。

VIERAケータイのコンセプトは、VIERAの設計思想「人に見やすく、人に使いやすく」を継承するというもので、VIERAの高画質技術を移植した点、VIERAの連携が可能な点、ワンセグ視聴に最適な筐体を追求した点などにそれが現れているとした。

同社がVIERAケータイに搭載した高画質技術は、VIERAで培った高画質技術を活かした「モバイルPEAKSプロセッサー」により可能になったと説明。モバイルPEAKSプロセッサーには、人間が記憶している色に調整し、鮮やかに表示する「記憶色補正」機能や、周囲の明るさやシーンに応じて画質補正する「液晶AI」機能などを搭載するという。

また、VIERAケータイが提案する独自のワンセグ視聴スタイルの説明なども行った。P905iでは、縦と横の2方向に開くことができる「Wオープンスタイル」を採用している。携帯電話として利用するときは一般的な縦開きの「ノーマルスタイル」だが、新たに、ワンセグ視聴時や横画面対応ゲームを楽しむときは、長辺方向を軸にした横開きで使用する「ヨコオープンスタイル」を提案している。ヨコオープンスタイルは、縦方向に開く時は機能せず横方向に開く時だけ機能する、「魔法の"フック"」と名付けられたL字形のヒンジにより可能となったという。

P905iTVでは、ステレオスピーカーを内蔵した同梱の卓上ホルダーに乗せて視聴するスタイルを提案。3.5インチワイドVGAの大画面で見る映像を、より高音質で視聴することができるという。

脇氏は、「VIERAケータイは当社の社運を賭けて開発し、満を持して発表した端末。最強中の最強の携帯電話に仕上げた」と自信を見せ、「屋内ではVIERA、屋外ではVIERAケータイで美しい画面で映像を楽しめる生活を提供していく」と語った。

説明会ではそのほか、新端末の展示コーナーおよび、実機に実際に触れることができるコーナーが用意された。携帯電話からBluetooth経由で送信した音楽を、Bluetooth対応のカーナビ「Strada」で再生したり、P905iの画面をVIERAに出力し、横画面対応のゲームを大画面でプレイしたりといったデモンストレーションが行われた。

長辺方向を軸にした横開きで使用する「ヨコオープンスタイル」

薄型テレビ「VIERA」に出力することで、家庭用ゲーム機と同じスタイルでゲームが楽しめる

残念ながらP905iTVの実機は展示されず、モックアップの展示となったが、P905iTVに搭載される新技術「なめらかフレーム機能」の試作液晶画面が展示された。この技術では、1秒間に15コマのワンセグ映像を30コマに変換することで、なめらかな動きを表現している。

「なめらかフレーム機能」の試作液晶画面、1秒間に15コマのワンセグ映像を、2倍の毎秒30コマに変換し、なめらかな動きを再現する