アップルの予告通り、10月26日午後6時から全国一斉にMac OS X最新版の「Mac OS X 10.5 "Leopard"」の販売が開始された。同社では販売開始のタイミングでアップルストアで特別イベントを開催している。本記事では、当日のイベントの様子をレポートしていこう。

大雨の中のカウントダウン

世界最初の"Leopard"ワールドプレミアムの開催されたアップルストア銀座店。日本エリアのフラッグシップだ

このワールドプレミア・イベントだが、アップルストアが設置された国では日本が最も東寄りにあるため、時差の関係で日本でのイベントが世界最初の開催となる。

オンラインストアでLeopardを注文したユーザーを中心に、日本や米国などですでに同OSパッケージの到着報告やインストール後のファーストインプレッションレポートなどが行われているが、フライング的に25日早朝に届けられたケースがあるようだ。

だが多くのユーザーには、この26日午後6時をもって正式に購入可能となる。発売まであとわずかとなったアップルストア各店舗では、26日より店内で動作しているすべてのMacにLeopardがインストールされ、来場者にその新機能をアピールしていた。

行列の先頭集団。大雨という悪天候ながらも3時間以上前からも待ち続けている

だがあいにくにも、26日当日の東京は雨。しかも昼過ぎからしだいに勢いは強まり、夕方には完全に大雨の状態に。そんな状況にもめげず、Leopardゲットを狙う来店者は午後4時の一時閉店の時点で100名近く集まっており、その熱意を感じることができた。アップルストアのスタッフは「前回のTigerの販売のときよりは(行列している人の)数が少ないですね」と残念そうにコメントしていたものの、この最悪の天候ではやむを得ないだろう。

ただし後で調べたところによれば、カウントダウン30分前の5時半の時点では150名程度だった行列が、カウントダウン10分前には急に300名以上にまで膨れあがったという。オープン直後には400名をオーバーしており、Tigerのときの行列に近い状態になった。おそらく雨を避けるために、直前まで雨宿りしている人が多かったようだ。

行列全体の様子。陽の落ちた銀座の目抜き通りのなか、午後6時のオープン直前には300名以上の行列にまで膨れあがった

午後4時の一時閉店後の正面入り口には看板が立てかけられ、6時からのワールドプレミア開催が予告される

閉店準備中はスタッフが集合してミーティングを開催中。iPhone販売のときなどとは異なり、すでに新製品のディスプレイ作業が終了しているため、特に黒幕等で店を覆う措置はなし

一方そのころ、アップルストア銀座店の近くにあるJR有楽町駅前のビックカメラ有楽町店では、正面入り口で午後6時のLeopard販売解禁に合わせた独自イベントを開催。カウントダウンを待っている

ビックカメラ有楽町店ではカウントダウンのイベント会場とは別に、Leopard発売を告知する垂れ幕やポスターがあちこちに飾られている

午後6時のカウントダウンが押し迫ったアップルストア銀座店内では、大量のLeopardパッケージを入り口付近にセットしてオープンに備える

オープン10分前。スタッフ全員が集まって記念撮影会

解散後は誘導用のバリケードを設置してスタンバイ状態に

店内で待機する報道陣もスタンバイ状態に

午後6時。カウントダウンのかけ声終了とともに行列の先頭が店内になだれ込んでくる

カウントダウン終了後は、行列の先頭から十数人ずつが順番に呼ばれ、店内奥に設置された特設カウンターで会計を済ませていく。入り口ではLeopardのパッケージ2種類(シングル、ファミリー)とTシャツが手渡され、店内で再び行列を作ってカウンターに向かう。ここで配られるTシャツはワールドプレミア用に作られた特別品で、各店舗先着1000名にプレゼントされる。雨の中行列を作っていた来店者へのごほうびといえるかもしれない。

最初の購入者が店内奥のカウンターで会計を済ませる

行列に並んでいた購入者らは、入り口でLeopardのパッケージと先着1000名のTシャツを手渡され、店奥のカウンターへと順番に向かう

午後6時のオープン直後の店内の様子。店内でも会計待ちの行列ができている。カメラや携帯片手に記念撮影をしている人も見かける

入り口ではスタッフ総出でTシャツとLeopardパッケージの配布を行っている。なくなったTシャツは次々と補充されていく

やっぱり気になる新機能

Leopardといえば新OS、やはり目がいくのはその新機能群だ。前述のように店内のMacはすべてLeopardに換装されており、スクリーンセーバーで機能紹介が行われている。午後6時のオープン直後はLeopard購入の行列もあり展示品のMacに触れる人は少なかったものの、30分ほどして行列の混乱が収まってくると徐々に人がマシンの周りに集まり始め、思い思いに新機能を試し始めた。

店内の展示用MacにはLeopard本体と、その機能を紹介するスクリーンセーバーがすでにインストールされている。26日朝の時点で全マシンがLeopard対応になっていたようだ。なお午後6時前までは、スクリーンセーバーに表示される内容はワールドプレミア開催の告知だった

いろいろ観察していたところ、Spaces、Dock、Cover Flow、Time Machineなどビジュアル的に目新しい新機能を試すユーザーが多かったようだ。店内のスタッフも混乱の落ち着きとともに一般来店者の対応を始め、Leopardの新機能についてユーザーからの質問に答えたりしていた。

店内では、来店者に対してスタッフがLeopardの機能を実際のデモストレーションで紹介する。新しくなったデスクトップ、Spaces、Cover Flow、Time Machineなどの新機能を試す人が多かったようだ

午後6時の再オープンから1時間ほど経過すると行列も落ち着いてきて、店内は通常の営業日と同じ様子になった。LeopardがインストールされたMacの前にはたくさんの人が集まり、思い思いに操作を楽しんでいる

またアップル広報によれば、現時点で販売されるMac製品にプリインストールされているOSはTigerで、購入者には別途無償でLeopardのパッケージを渡す形態になるという。Leopardプリインストールマシンが市場に出回るのは「現在のTigerベースの店頭在庫がさばけた段階」とのことで、早ければ数日から1週間、全製品の切り替えには数週間はかかることになりそうだ。米国の感覚でいえば、ホリデーシーズンの始まる11月後半には売れ筋商品を中心に、大部分がLeopardプリインストールに切り替わっていることだろう。

アピール効果は抜群!? 高級ブランド街でのカウントダウン

カウントダウンの取材にあたっては、何度か有楽町駅前のビックカメラや近所の喫茶店などを往復しながら何時間にもわたって様子を観察していたが、面白かったのは行列を作っている人たちよりも、むしろ道行く人たちの反応のほうだった。

例えば行列を作っているのを見ると「これはなんの行列?」と度々質問され、閉店後に入り口のまわりにスタッフや取材陣が集まっているのを見ると「これから何が始まるんです?」と疑問を投げかけられる。閉店中に店に入れないと「なんで店に入れないんだ?」と外国人に問いただされ、年配のご婦人方に事情を説明すると「私たちにはちょっと難しい話ねぇ」と返される。道行く人も若い男女からビジネスマン、年配の方々、旅行中の外国人までさまざまで、銀座の一等地ならではの光景が見られる。

そのときに思ったのが、一般へのアピール効果だ。昨今のPC業界で、コンシューマビジネス成功の鍵を握るのがリテールストアへの露出だという。実際、直営店や契約店を増やしてリテールでの露出を強化したHewlett-Packard(HP)やアップルは大幅に売上を伸ばし、一方で効率化にこだわったデルはHPに負けるなど差が開く結果となった。何気ないカウントダウン祭りだが、その楽しい雰囲気を見た人々が製品に興味を持ち、将来的な市場拡大や業界の盛り上げへとつながるのなら、これほどうれしいことはない。