物流管理システムの比較9選!メリットや機能、選び方も解説

物流管理システム

「いつも在庫の数があわない……」
「配送に遅れが出て、クレームにつながってしまう……」
このような悩みをお持ちではないでしょうか?

自社で物流センターや工場を持っていると、在庫や配送の問題がつきまといます。在庫の過不足が発生したり、予定通りに商品が届けられなかったりとした物流に関する課題を抱えているなら、物流管理システムの導入がおすすめです。

この記事は、おすすめの物流管理システム9選を比較してご紹介。物流管理システムの機能やメリット、選び方もあわせて解説します。自社の物流体制を改善したいとお考えなら、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

物流管理システムとは

物流管理システムとは文字通り、物流に関する工程や情報を管理するシステムのことです。自社で持つ倉庫に商品が入荷されてから、出荷し、その商品が目的地にたどり着くまでの物流における一連の流れを管理します。

入荷・在庫管理・配送手配・出荷など、物流にはさまざまな工程があります。その過程で、在庫の数が合わなかったり、配送に遅れが生じたりとトラブルも起こりがちです。

そうしたトラブルを未然に防ぎ、効率的かつ適正に物流を管理できるのが物流管理システムです。また、このシステムは「倉庫管理システム(WMS)」、「配送管理システム(TMS)」の2つの主要システムに分けられます。

1、倉庫管理システム(WMS)

倉庫管理システム(WMS)は「Warehouse Management System」の略で、倉庫の管理を主とするシステムです。商品が倉庫や物流センターに入荷され、在庫として保管、その後、倉庫から出荷されるまでを管理します。

倉庫にどれくらいの在庫があるか、とある商品がいつ入荷され、いつ出荷されるのかといった倉庫の在庫管理全般を担うシステムです。なお、商品が出荷された後の配送状況の管理などは、このシステムには含まれません。

2、配送管理システム(TMS)

商品が倉庫や物流センターから出荷され、目的地に届くまでを管理するのは、こちらの配送管理システム(TMS)です。TMSは「Transport Management System」の略で、商品の配送に関する管理を担います。

このシステムでは、配送車両の手配や配送計画の策定、出荷後の配送状況の確認ができます。その他、配送完了後の履歴を確認したり、配送にかかる費用を計算したりといったことも管理可能です。ただし、商品入荷や在庫管理は機能に含まれません。

物流管理システムの主な機能

物流管理システムの概要がわかったところで、ここでは主な機能をご紹介します。以下の表にまとめましたので、ご覧ください。

機能名 機能概要 搭載システム
入荷管理 商品の入荷日の管理、入荷した商品の数量カウント WMS
棚卸・在庫管理 倉庫や物流センター内の商品在庫の数量や状態、保管場所の管理 WMS
出荷管理 出荷商品の伝票作成・数量管理、ピッキングや梱包作業 WMS
配車・運賃管理 トラックなど運搬車両の手配、配送にかかる費用の管理 TMS
進捗管理 出荷した商品の現在地や配送状況のリアルタイム確認 TMS
履歴管理 配送実績の記録、記録した履歴データの出力 TMS

物流管理システムは、WMSとTMSでカバーしている範囲は違うものの、いずれも商品在庫を適正に管理する点は同じです。予定している数量の商品が入荷され、顧客に正しく届くまでを管理します。

物流管理システムのメリット3つ

ここまでの説明で、物流管理システムの概要や機能を把握できました。ここからは物流管理システムのメリットを解説します。具体的にどのような利点があるのか、以下の3つに分けて説明していきます。

  1. 業務効率・サービス品質の向上
  2. 各種管理の最適化
  3. 業務の可視化の促進

1つずつ見ていきましょう。

1、業務効率・サービス品質の向上

1つ目のメリットは、業務効率およびサービス品質の向上を図れることです。物流管理システムを導入することで、入荷作業や配送手配など各種作業を自動化できます。少ない人員で対応できるようになるため、業務効率がアップします。

また、手動作業に比べて、自動化は人的ミスが発生しにくいのもポイントです。在庫を数えるときや配車の手配など、人の手による作業はどうしてもミスが起こってしまうもの。物流管理システムでミスを減らせれば、サービス品質の向上につながります。

2、各種管理の最適化

2つ目のメリットは、物流における各種管理を最適化できることです。商品在庫はもちろん、倉庫管理の人員など各種管理の最適化により、無駄なコストを抑えられます。物流管理では在庫状況をリアルタイムで追えるため、常に最新の在庫数を把握できます。倉庫回転率が向上することで、在庫の過不足を改善。無駄な在庫をなくすと同時に管理の手間も削減できます。

また、システムで自動管理すれば、管理に必要な人員も減らせます。そのため、人的管理や人員のリソースも最適化できるでしょう。

3、業務の可視化の促進

3つ目のメリットは、業務の可視化を促進できることです。物流管理システムを導入することで各工程の流れや作業時間が確認できるため、業務の可視化を促します。たとえば、各作業にどれくらいの時間がかかっているのか、物流工程のどこに改善点があるのかなど、データをもとに物流全体の流れを確認できるわけです。

課題となっている箇所がわかれば、ピンポイントで対策を施せるため、より効果的な改善策を打ち出せます。

以上の3つが物流管理システムのメリットでした。システムを活用することで、自社の物流体制の現状把握を可能にし、リソースの最適化や業務効率のアップへとつなげられます。解説したメリットを踏まえて、次はおすすめの物流管理システムについて比較紹介します。

物流管理システムの比較9選

ここからは、実際に販売・提供されている物流管理システムを9選ご紹介します。各システムの特徴も解説しますので、自社に最適な製品はないか探してみてください。

「Cariot」
株式会社フレクト

POINT
  • 対象従業員規模:別途お問い合わせ
  • 提供形態:パッケージ
  • 参考価格:別途お問い合わせ(契約台数とアカウントに応じた月額費用)
  • 搭載システム:TMS

「Cariot」は、TMS機能を持つ配送作業に特化した物流管理システムです。利用者ごとにダッシュボードをカスタマイズ できるため、使いやすいように画面を設定できます。

また、リアルタイムで車両情報を取得し、走行データを蓄積・分析 するといった機能も搭載。いつ・どこで・どのくらいの速度で走行したかがわかるため、無駄な走行や活動エリアの重複を発見し、より効率的な配送ルートを策定できます。

導入や運用に関しては、専任のサポート体制があるので、初めてシステムを導入する企業でも安心して使えるでしょう。


「ONEsLOGI / WMS Cloud サービス」
日立物流ソフトウェア株式会社

POINT

  • 対象従業員規模:別途お問い合わせ
  • 提供形態:クラウド
  • 参考価格:【パブリック版クラウドサービス】月額5万円〜、その他プランは別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS

「ONEsLOGI / WMS Cloud サービス」は、柔軟な在庫管理が魅力の物流管理システムです。WMS機能を備えたシステムで、例外的なオーダーや仮置き在庫といったイレギュラーな在庫管理にも対応します。

システム導入も柔軟かつ徹底的なサポートが持ち味です。導入する際は現状調査から実施 し、現時点の倉庫や物流体制を把握した上で、利用者が求める要件を確認します。

要件確認まで終わったら、システムを最適な形にカスタマイズして提供。安定稼働後もヘルプデスクによる支援 をおこなうなど、利用者がしっかり活用できるように徹底してサポートします。


「ロジザードZERO」
ロジザード株式会社

POINT

  • 対象従業員規模:別途お問い合わせ
  • 提供形態:クラウド
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS

WMSの物流管理システム「ロジザードZERO」は、連携機能に強みがあります。カートシステムやOMS(受注管理システム)、さらにERP(基幹システム)まで、さまざまな 周辺システムと連携可能です。

サポート体制も充実しており、専任のサポートチームが365日問い合わせに対応 してくれます。機器の不具合やデータの取り込みエラーなど、些細なトラブルであっても気軽に相談できるので、安心して利用できるでしょう。その他、商品管理の機能が各種備わっており、多種多様な商材の管理に対応できます。


「BIZBO」
株式会社セイノー情報サービス

POINT

  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド / SaaS
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS、TMS(いずれも一部機能あり)

「BIZBO」は、物流業務を効率化するタスク管理ツール です。先ほどまでご紹介したシステムとは毛色が違い、WMSやTMSのような直接的な物流管理機能は備えていません。

その代わり「BIZBO」には、物流業務を効率的に進めるために、 作業状況を簡単に把握できるボード機能 、現場と円滑にコミュニケーションが取れるトーク機能などのさまざまな機能が搭載されています。その他、ステータス管理機能も備わっており、作業漏れや遅延といったトラブルを防止できます。

物流業務の各工程をタスク化し、円滑に進行できるよう支援してくれるシステムです。


「Oracle Field Service」
日本オラクル株式会社

POINT

  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS(一部機能あり)

「Oracle Field Service」は、人的管理に焦点を当てたシステムです。ルーティング機能により、作業員ひとりひとりのスキルや特性に応じて、 作業ごとに適切な人員を自動で割り振りできます。

割り振り後も、作業員の動きはリアルタイムでキャッチ。稼働時間が長くなっていないか、誰かに稼働が偏っていないなどをチェックできるので、人的管理の質を向上できるでしょう。

また、人員の割り振りや管理以外に、スケジューリングも自動で実施 。カレンダーを前に、人員リソースの配分に頭を悩ませる必要がないため、管理者の手間を大きく削減できます。


「LMS-GLOBAL」
株式会社セイノー情報サービス

POINT

  • 対象従業員規模:別途お問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / SaaS
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS、TMS(いずれも一部機能あり)

ここ最近は、海外に物流拠点を持っている企業もあるのではないでしょうか。輸出入にかかる手続きが多いため複雑な海外物流を支援するのが「​​LMS-GLOBAL」です。

グローバル在庫の可視化機能 によって、輸出入国からの在庫をPO・インボイス単位で把握できます。海外物流であっても、輸出入における在庫情報を正確に管理できるわけです。また、物流管理コスト機能を活用すれば、輸出における 着地コスト予測計算の実施が可能に。海外物流にかかる輸出コストの適正化を促します。


「Connected Linc」
株式会社コネクテッド

POINT

  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド / パッケージソフト / ASP
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS

「Connected Linc」は、業務効率化を図る機能が多数備わったWMSタイプの物流管理システムです。たとえば、伝票別ピッキングやトータルピッキングなど 各種ピッキングへの対応で、探す手間を削減します。

さらにロケーション指示機能を用いれば、日付やロット間違いを防止。無駄なチェック作業をなくし、業務効率化とともにサービス品質も向上させます。

データ連携にも強みがあり、各工程の実績データを出力 できます。出力されたデータは検収や売上といったその他のデータに利用できるため、経理処理や分析作業も効率化できるでしょう。


「LMS」
株式会社セイノー情報サービス

POINT

  • 対象従業員規模:別途お問い合わせ
  • 提供形態:オンプレミス / クラウド
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS、TMS

「LMS」は、WMSとTMSの2つの機能を兼ね備えた物流管理システムです。特筆すべきは、複数の倉庫や物流拠点を持っていても、在庫情報をまとめて一元管理できる点です。配送コストや出荷リードタイムを考慮して、最適な出荷拠点から配送を手配できます。

また、各配送状況や進捗状況もまとめて管理できるため、顧客からの問い合わせに素早く回答が可能になります。万一遅延している場合でも、早急に対応できるでしょう。また、輸送費や保管費など各種コストを自動で計算するので、どれくらいの費用がかかっているかを簡単に把握できます。


「COOOLa(クーラ)」
株式会社ブライセン

POINT

  • 対象従業員規模:全ての規模に対応
  • 提供形態:クラウド
  • 参考価格:別途お問い合わせ
  • 搭載システム:WMS

「COOOLa(クーラ)」は設計から開発まで、全てブライセン社が手掛けるWMSの物流管理システムです。総勢800名以上の開発体制によって、 顧客に合わせて柔軟にカスタマイズ が可能。国内外の大規模WMSの開発に携わってきた豊富な実績から、使い勝手の良いシステムを構築します。

カメラで一括検品できる「物流画像検品システム」、在庫切れによる機会損失を防ぐ「出荷予測機能」 など、利便性の高い機能を各種備えています。自社に最適な形で導入したい企業に、おすすめのシステムと言えるでしょう。

物流管理システムの選び方3つ

先ほどは、物流管理システムのおすすめ製品とその特徴をご紹介しました。しかし、そもそも「どのように自社に合ったシステムを選べば良いかわからない」と悩んでいる方もいるでしょう。そこで最後に、物流管理システムの選び方を3つに分けて解説します。

  1. 搭載システム
  2. 提供形態
  3. 価格

それぞれ詳しく説明します。

1、搭載システム

まずは、自社にとって必要な搭載システムをもとに製品を検討しましょう。物流管理システムには、「WMS」と「TMS」の主となる2つのシステムがあります。しかし、全ての製品に2つのシステムが搭載されているわけではありません。ものによっては「WMS」機能しか備わっていないものもあるでしょう。逆もまた然りです。

そのため、まず最初に自社の課題や必要な機能を整理してください。自社倉庫の管理を改善したいなら「WMS」が必要です。自社倉庫は持たず配送のみをおこなっているなら、「TMS」の機能だけで事足ります。もちろん自社で倉庫を持ち、配送も実施しているなら、双方のシステムが必要になるでしょう。

会社によって求めるシステムや機能は異なります。自社に必要な搭載システムは何かを考え、製品を絞り込みましょう。

2、提供形態

物流管理システムには、さまざまな提供形態があります。主な形態では、クラウド型・パッケージ型・オンプレミス型などです。導入形態によって異なる特徴があるので、自社の環境に適した提供形態を選びましょう。

たとえば、クラウド型はインターネット環境があればすぐに導入できるため、規模がそれほど大きくない会社に向いています。一方で、オンプレミス型は会社に合わせた柔軟なカスタマイズ性が強みなので、大規模な物流センターを抱えているような企業におすすめです。

パッケージ型はすでに仕様が決まっているシステムを導入するので、カスタマイズ性はありませんが、オンプレミス型よりも導入にかかるコストや時間を削減できます。

このように、導入形態ごとに特徴や強みに差があるわけです。すぐにでもシステムを導入したいのか、時間やお金をかけても自社にカスタマイズしたシステムを導入したいのか。自社の環境や物流管理システムに求めるレベル感を踏まえて、適切な導入形態を選択してください。

3、価格

搭載システムと提供形態をもとに選択肢が絞り込めたら、最後は価格を比較していきましょう。もちろん価格を優先するあまり、必要機能がないシステムを導入しても意味はありません。とはいえ、各社予算はありますし、求める機能が搭載されているなら安いに越したことはないでしょう。

ここまでの選び方で、自社に適した機能・導入形態のシステムであることは確認できているはずです。後は絞り込んだ製品の価格を比較し、予算に応じて導入するシステムを決めましょう。

まとめ

ここまで、物流管理システムのおすすめ製品を比較紹介しました。物流管理システムを導入することで、以下3つのメリットが得られます。

  1. 業務効率・サービス品質の向上
  2. 各種管理の最適化
  3. 業務の可視化の促進

物流管理システムを取り入れることによって、物流に関する管理の手間を削減し、ミスを防止します。迅速かつ正確な倉庫管理・配送作業を実現できるため、業務の効率化やサービス品質の向上に貢献してくれるでしょう。自社の物流体制に課題を感じている会社は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。より詳しく物流管理システムについて知りたい方は、資料請求してみてください。

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