文書管理システムもクラウド化が進んでいます。中小企業でも導入しやすい点がクラウド型文書管理システムの魅力です。この記事では、おすすめのクラウド型文書管理システムを5製品紹介します。さらに、文書管理システムをクラウド化するメリットと製品選定のポイントについても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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文書管理システムをクラウド化する4つのメリット
文書管理システムのクラウド化により得られるメリットについて、4点にまとめて解説します。
1、社外からも利用できる
オンプレミスの文書管理システムは、基本的に社内での利用を前提としています。テレワークなど社外からのアクセスも必要となる場合、クラウド型文書管理システムを導入することで、社外から簡単にアクセスできる環境を構築可能です。
2、低コストで常に最新の機能を利用できる
クラウド型文書管理システムは、オンプレミスの文書管理システムに比べて低コストで導入できます。システムの運用管理はサービス提供者が行うため、常に最新の機能を利用可能です。セキュリティ対応もサービス提供者がすべて最新の状態に更新します。
3、プランを変更するだけで容量不足に対応
文書管理システムは基本的に文書を蓄積し続け、文書のバージョン管理も行うため、利用し続けていると容量不足になります。オンプレミスのシステムなら自社で容量不足への対応が必要です。しかしクラウドサービスなら、プランを変更するだけで、手軽に容量不足対応ができます。
4、運用管理のコストがかからない
オンプレミス型のシステムは、システム環境全般の運用管理が必要です。一方、クラウド型のサービスは、運用管理はサービス提供者の作業範囲であり、運用管理のコストは月額料金に含まれています。
1人情シスなど情報システム部門にあまり多くの自社リソースを割けない企業は少なくありません。そのような企業にとって、クラウド型の文書管理システムは運用コスト面でも導入しやすい提供形態です。
クラウド型文書管理システムを選ぶ4つのポイント
クラウド型の文書管理システム導入を検討する場合、どういう視点で製品比較を行えばよいでしょうか。そこで、クラウド型文書管理システムを選ぶ際の比較ポイントを4点紹介します。
1、法令や各種制度への対応
文書管理システムを導入する大きな理由のひとつとして、法令や各種制度への対応があります。文書管理が関係する法令としては、ISO9001やe文書法などが挙げられます。
ISO9001を取得している企業の場合、ISOで定められた文書管理方法(文書の適切な識別と記述・適切な形式・保管期間など)を踏襲しなければなりません。
e文書法は、電子文書に法的効果を持たせるために定められた法律です。e文書法では、文書管理について、タイムスタンプを付与して、「文書の存在」および「改ざんされていないこと」の証明が求められます。
製品によって、対応法令には違いがあります。製品検討時は、自社で対応するべき法令の確認と、その法令に対応している製品を選びましょう。
2、検索のしやすさ
文書管理システムの使いやすさは、検索のしやすさがかなりの比重を占めます。クラウド型文書管理システムでも、検索のしやすさを重視して製品を比較検討しましょう。
検索の種類は、文書の全文検索、タイトルや作成者・更新者・作成日などの属性検索、索引やハッシュタグ等を利用した検索など多種多様です。実際に文書管理システムを利用する従業員に、無料トライアルプランなどを活用して操作性を確認・評価した上で、検索のしやすさも検証しましょう。
3、セキュリティ設定やアクセス制御のきめ細やかさ
クラウド型文書管理システムは社外からもアクセスできるため、より一層きめ細やかなセキュリティ設定やアクセス制御が求められます。外部からの不正アクセスはもちろん、内部から機密データが漏れる可能性も考え、適切なセキュリティ設定やアクセス制御ができる製品を選びましょう。
製品によっては、契約プランをアップグレードしたり、オプションプランを契約したりすることでセキュリティを強化できるものもあります。自社が求めるセキュリティ対応機能を提供している製品かどうかも忘れず確認したいポイントです。
4、ワークフロー機能の有無
業務上作成した文書は、通常上司や他部署の承認を得る必要があります。文書の承認ワークフロー機能もあるクラウド型文書管理システムを導入すれば、別途ワークフロー製品を利用せずに済みます。
自社ですでにワークフロー製品を導入している場合は、システム連携が可能なクラウド型文書管理システムかどうかも確認しましょう。ワークフロー製品を導入していない場合は、ワークフロー機能も備えた製品の導入を検討しましょう。
クラウド型文書管理システムのおすすめ製品5選
クラウド型文書管理システムを導入するメリットと製品選定のポイントについて解説した内容を踏まえて、おすすめのクラウド型文書管理システムを5製品紹介します。
OCR自動取込・文書管理・外部連携で統合文書管理を実現「SPA」
ウイングアーク1st株式会社
- 参考価格:初期費用300,000円
クラウド版年額600,000円(10ユーザー・50GBストレージ)
パッケージ版(Standard)3,795,000円・年間保守費495,000円 - 提供形態:パッケージソフト / オンプレミス / クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対象売上規模:全ての規模に対応
「SPA」は、通常の文書管理機能に加えて、紙文書を電子データ化するOCR機能と、取り込んだ文書の自動仕分け機能が特徴的な文書管理システムです。OCR機能は、活字・手書き・チェックボックスの文字に対応。手書き文字の認識に対しては、有償オプションで認識率の向上も可能です。
電子データ化した文書は、自動的に仕分けされ、全文検索できるよう登録されます。文書管理機能として求められる全文検索・バージョン管理や記録管理などもそろっています。また、「Box」や「Salesforce」などの外部サービス連携や企業間文書連携も可能です。
本製品は、紙文書を大量に抱えていて自動的に電子化したいというニーズや、外部サービス連携も行いたい場合に適した製品です。
社内wiki作成で文書管理「NotePM」
株式会社プロジェクト・モード
- 参考価格:スタータープラン(3ユーザー・5GB)1,000円(税込) ~
- 提供形態:クラウド / ASP / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対象売上規模:全ての規模に対応
「NotePM」は、社内wikiで情報共有を行う文書管理システムです。社内wikiの変更履歴管理、wikiに添付したWordなどの電子文書も全文検索できます。検索機能は、キーワードのハイライト表示・クリックによる絞り込み検索など操作性も優れています。
また、同時編集・自動マージ機能もあり、複数人での編集も安心して行える仕組みです。アクセス制御機能はきめ細かく、セキュリティ機能も2段階認証やIPアドレス制限、閲覧履歴管理など充実。ここまで高機能ながら3ユーザーから低コストで導入できるため、どのような規模の企業にもおすすめの製品です。
ワークフローも備え電子化による統制をサポート「文書デザイナー」
株式会社ユニオンシンク
- 参考価格:別途お問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト / SaaS / ASP
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対象売上規模:全ての規模に対応
「文書デザイナー」は、文書のバージョン管理や承認ルート設定機能、ワークフロー機能等を備えたクラウド型文書管理システムです。原本管理や改訂履歴の確認機能、関連文書を自動的にリンクする機能など、各種法令や制度への対応に必要となる機能が充実しています。
管理者機能として、文書を格納するフォルダ管理やアクセス管理機能も提供。すでに社内では電子文書を使った業務がメインとなっている企業の場合、短期間で導入できる点も特筆すべきポイントです。
文書のライフサイクルを自動管理「Documal SaaS」
株式会社富士通四国インフォテック
- 参考価格:導入基本サービス300,000円、パブリックSaaS月額20,000円 ~(10ユーザー)など
- 提供形態:クラウド / パブリックSaaS / プライベートSaaS
- 対象従業員規模:100名以上
- 対象売上規模:50億円以上
「Documal SaaS」は、従業員100名以上の企業を対象としたクラウド型の文書管理システムです。承認ワークフロー機能も提供し、文書のライフサイクルを自動管理する点に大きな特徴があります。
文書のライフサイクルとは、文書の作成から廃棄までに至る一連の流れです。文書の有効期限を設定し、有効期限が切れた文書は自動的に削除されます。バージョン管理やアクセス制御機能もあり、機能は充実しています。
中規模以上の企業で、文書のライフサイクルをできる限り自動で制御したいというニーズがある場合に向いている製品です。
とにかく導入コストを抑えられる「welog」
株式会社トライバルメディアハウス
- 参考価格:フリープラン10名まで無料、ベーシックプラン月額300円(1ユーザー)
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- 対象売上規模:全ての規模に対応
「welog」は、有料プランでも1ユーザーあたり月額300円(税抜)で導入できるクラウド型の文書管理システムです。テンプレートを活用して簡単に文書が作成でき、作成した文書はメール・Slack・Chatworkなどを使って簡単に共有できます。
文書の編集履歴や同時編集機能も充実しているので、まずは低コストで文書管理システムを導入したい場合に向いている製品です。
クラウド型文書管理システムで業務効率化!
クラウド型文書管理システムは、これまでコストなどの問題があり導入をためらっていた企業にもおすすめです。文書の共有・バージョン管理・ワークフロー機能などの機能を活用することで、文書関連の業務を効率化できます。
製品選定のポイントは、法令や制度にどこまで対応しているか、検索のしやすさ、操作性のよさ、セキュリティ関連機能の充実度の4点です。クラウド型以外の製品も含めてもっと文書管理システム製品を比較したい方は下記記事も参考にしてみてください。
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