チャットシステムには、フリー(無料)で利用できるものもあります。フリーのチャットシステムにはどのような特徴があり、有料版とはどういう面で異なるのでしょうか。
本稿では、フリーで利用できるチャットシステムの特徴と有料版の違いについて解説した後、フリーで使えるチャットシステムを紹介します。フリーのチャットシステムを利用する際の注意点についても触れているため、ぜひ最後までご一読ください。
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チャットシステムとは
チャットシステムとは、主に自社のWebサイトや連携しているTwitter・FacebookといったSNSを通じ、ユーザーとコミュニケーションを取るためのシステムです。チャットシステムの中には、簡単な質問なら自動で回答できるものもあるため、企業側にとっては問い合わせ対応の工数削減などのメリットがあります。
一方ユーザーにとっては、その場で感じた疑問をすぐに質問できる、会話の内容を文字で残せる、電話よりも問い合わせの敷居が低いなどのメリットがあります。
1、フリーのチャットシステムとは
フリーのチャットシステムは、無料で利用できるチャットシステムです。利用人数などの制限があり、期間無制限で利用できる無料プランや、期間限定で利用できる無料トライアルなどがあります。
フリーのチャットシステムを利用するメリットは、導入コスト・運用コストをかけずに利用できる点です。その一方、何らかの機能制限があったり、サポートが手薄だったりといったデメリットもあります。
2、フリーのチャットシステムの機能
フリーのチャットシステムでできることは、有料版とほぼ同じです。自動回答などの機能で、カスタマーサポートや社内ヘルプデスクの効率化、リード獲得、顧客関係構築など、会社の売上向上に貢献する機能を提供しています。
フリーで使えるチャットシステム5選
ここからは、フリーで利用できるチャットシステムをご紹介します。
簡単に導入できて機能も豊富「Zendesk」
株式会社Zendesk
- フリーの条件:無料トライアル(期間は別途問い合わせ)
- 主な機能:サポートチケット管理、複数チャネル(メール・音声など)、自動回答(プランにより最大数に違いあり)、レポーティングと分析など
無料トライアル版タイプのチャットシステム群。機能豊富で幅広い用途に利用できます。選択する製品やプランによって自動回答数やデータ・ファイル容量、機能などに差があります。いずれのプランも無料トライアルが可能です。
フォーム入力サポート機能に強み「chamo」
株式会社ジーニー
- フリーの条件:成功報酬型(チャットEFOプラン選択)
- 主な機能:有人チャット、チャットボット作成、カスタマー属性設定、添付ファイル機能、チャットEFO(フォーム入力サポート・チャットEFOプランのみ利用可)
完全成功報酬型の「チャットEFO」プランを用意しているチャットシステムです。チャットEFOプランは、最上位の料金プランと同等機能に加え、チャットEFO機能を利用できます。
チャットEFO機能とは、チャット形式でフォーム入力をサポートする機能のことです。チャットEFO機能により、コンバージョン率アップを狙えます。
マーケティングに有用な機能が豊富「Zoho SalesIQ」
ゾーホージャパン株式会社
- フリーの条件:無料プラン(オペレーターのライセンス数3)、無料トライアル(15日間)
- 主な機能:訪問者追跡、返信定型文、見込み客のスコアリング、チャットボットのカスタマイズ、嫌がらせ対応
無料プランと無料トライアル2パターンを用意しているチャットシステムです。無料プランの場合は、ライセンス数制限のほか、訪問者の追跡と受注は1ヶ月あたり1万人、チャットセッションは1ヶ月あたり100件という制限があります。
訪問者追跡機能や見込み客のスコアリングなど、Webでの接客やマーケティングに必要な機能を網羅し、使いやすい製品です。
LINEでのマーケティング活動を自動化「hachidori Marketing」
hachidori株式会社
- フリーの条件:成功報酬型(初期費用100,000円)
- 主な機能:Web広告運用、会員情報、購買履歴、WEB行動履歴、LINE内ヒアリング情報
LINEでのマーケティング活動専用のチャットシステム。初期費用がかかるため完全無料ではありませんが、月額費用か成功報酬型かを選べます。
LINE公式アカウントを活用し、友だちの新規獲得・育成・コンバージョン獲得までをワンストップでサポートします。LINE公式アカウントをうまく使いこなしたい場合におすすめです。
フリープランからABテスト機能のあるプランまで用意「IZANAI」
クラウドサーカス株式会社
- フリーの条件:無料プラン(チャットボット1つ、ログ1ヶ月、広告表示あり、100CVまで/月の制限あり)
- 主な機能:シナリオ作成、ABテスト(プレミアムプランのみ)、項目別レポート、回答データ分析、ユーザーリスト
無料プランも用意しているチャットシステム。無料プランではチャットボットは1つのみ、1ヶ月100CVまでの制限があるため、お試しで利用した後、本格的に企業として運用をするには、いずれかの有料プランを選ぶ必要があるでしょう。
データの分析機能やABテスト機能があり、継続的にWebサイトの改善を行うのに便利な機能が揃っています。
フリーのチャットシステムと有料版との違い
フリーのチャットシステムと有料版の違いとはどこにあるのでしょうか。主に注意したいポイントについて解説します。
1、機能や期間の制限がある場合が多い
チャットシステムを無料で利用できるパターンは、無料トライアル、成功報酬型、無料プランの3種類があります。
無料トライアルや成功報酬型の場合は、基本的に機能制限はありません。ただし、無料トライアルの場合は利用できる期間が限定されるため、実質本番では使えず機能を試すのみとなります。
成功報酬型は、コンバージョンなど何らかの成果が出た場合に課金されるため、正確には無料というわけではありません。ただ、成果が出るまでの間は料金を支払わずに利用できます。
無料プランの場合は、無料トライアルのように利用期間に制限はありません。ただ、機能的な制限はあるため、自社で使う場合ずっとその制限内で使い続けられるかどうかは要確認です。
2、日本語対応のない製品もある
フリーのチャットシステムの中には、日本語に対応していない製品もあります。社内ヘルプデスク用に利用する場合はまだいいかもしれません。しかし、リアルタイムでユーザーとの対話を行う目的で導入する場合は要注意です。
カスタマーサポートのスタッフにとって使いにくく、スムーズにコミュニケーションが取れない可能性や、教育コストがかかってしまうというマイナス面があります。
3、有料版に比べてサポートが手薄
料金がかからないということは、それだけサポートも手薄になりがちです。トラブルが発生した場合の対応が遅れると、企業イメージ低下の可能性もあります。
特にシステム導入前後は従業員からの問い合わせが多くなるため、情報システム部門にかかる負担が大きくなる懸念もあります。
フリーのチャットシステムよりも有料版が向いているケース
有料版のチャットシステムが適している1つめのケースとして、チャットを設置するWebサイトの訪問者数が多いケースが挙げられます。
フリーのチャットシステムは、同時にチャットを利用できる人数に制限のあるケースがあり、全ての質問をさばききれません。一方有料版の場合は、同時利用人数に制限がないため、多くのユーザーが質問をしても十分に対応できます。
2つめのケースとしては、ユーザーのメッセージ履歴やサイト内の行動履歴を利用して分析を行いたいケースです。無料のチャットシステムでは、分析機能は有料プランにしかないケースもあります。
有料版の場合は、これらの履歴を蓄積してユーザーの行動パターンを分析し、より適切な回答を返す機能があり、ユーザーの満足度を高められます。
フリーのチャットシステム導入時の注意点2つ
フリーのチャットシステム導入を遣欧する際、注意したいポイントは以下の2点です。
1、必要な機能は揃っているか
チャットシステムの導入目的を達成するための機能が揃っているかどうかは、重要な確認項目です。機能的には揃っていても、利用人数の制限やCV数の制限があり、実際の運用では使えない場合もあります。
2、無料期間に制限はあるか
無料トライアルの場合は、必ず無料期間に制限があります。その期間で製品の利用検証はできるかどうかも確認しておきたい点です。
まとめ
フリーで利用できるチャットシステムは、機能の制限や利用できる期間の制限などがあります。そのため継続して利用したいと考えている場合は、導入を慎重に検討しましょう。
有料版のチャットシステムについて興味を持たれた場合は、こちらの記事も参考にしてみてください。
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