物流サービスを提供する上で、重要な業務のひとつに「配車管理」があります。この配車管理の効率化を目的に、配車管理システムの導入を検討しているものの、以下のように考えている方もいるのではないでしょうか。
「配車管理システムを導入すると何がよくなる?」
「配車管理システムってどのようなものがある?」
「配車管理システムを選ぶときのポイントは?」
本記事ではおすすめの配車管理システムを9選紹介、さらに配車管理システムを選ぶときのポイントなどを解説します。
配車管理システムとは
配車管理システムとは、企業が保有している車両を効率的に管理するためのシステムです。運行管理や配送計画、配送ルートの算出などの機能があります。管理対象の車両は配送・運搬に使用するトラック以外にも、営業担当が取引先を回るときに使用する営業用の車、送迎バスなどさまざまです。
配車管理システムを活用すれば、車両の稼働状況を可視化し、配送計画や配送ルートの策定により配車を効率的に利用できます。
配車管理システム導入のメリット
それでは、配送管理システム導入のメリットを見ていきましょう。
1、配車をリアルタイムで管理し、トラブルに柔軟に対応できる
配車管理システムでは、配車の割付をリアルタイムに行うことができます。たとえば、配送中に事故やトラブルが発生した場合でも、運行中の車両や物流センター内の車両の情報を確認し、柔軟に対応できます。
2、煩雑な作業を効率化できる
配車管理システムを利用すれば、それまで手作業で行っていた作業を自動化し、効率よく行うことができます。たとえば、配車計画です。配送先にあわせて配送コストや配送時間の計算を行い、適切な配送ルートを決めることも、配車システムなら自動で行います。
3、コスト削減につながる
配車管理システムはGPSや地図機能を利用して最も効率のいいルートを計算するため、燃料の消費や渋滞による時間のロスといった、物流コストの削減につながります。
配車管理システム導入のデメリット
続いて、配送管理システムの導入のデメリットを見ていきましょう。
1、システムを使いこなせるようになるまで時間がかかる
システムを導入しても、正しく使いこなせなければ、想定した導入効果は得られません。システムによっては、使いこなせるまでには時間がかかることもあります。
運用を開始してすぐに使いこなせるよう、メーカーサポートを受けるなど、事前に準備しておくといいでしょう。
2、監視されている印象をもたれる
リアルタイムに配車の状況を把握できる点から、社員によっては監視されている、という印象をもつこともあるでしょう。たしかに運転状況もすべて記録されますが、一方でその記録を用いることでドライバーの安全意識を高めることにもつながります。
システム導入の目的と価値を社員に理解してもらうことも大切です。
配車管理システムの比較9選
「配車管理システム」
日立物流ソフトウェア株式会社
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
- 価格:別途お問い合わせ
「配車管理システム」は、地図やガントチャートを使って配車計画から運航計画まで、効率的な配車業務を支援する配車管理システムです。
配車計画は地図と配車一覧をそのままPCの画面上に表示し、配車業務を行います。伝票明細や配車の積載率を確認しながら配車を決めるため、 無駄のない配車割り当てが可能です。
運行時間はガントチャートで表示、ドラッグ&ドロップによる配車割付けなど、見やすさと操作性を両立。帰り便への配車割付もできるため、実車率を向上させ、輸送コストの削減を実現します。
「Loogia」
株式会社オプティマインド
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:クラウド
- 価格:車両台数に応じた月額費用
「Loogia」は、トヨタ自動車や三菱商事などが投資を行っている会社「オプティマインド」が提供するクラウド型自動配車システムです。組合せ最適化アルゴリズムとビックデータの解析により、 日々の配車業務を完全自動化します。
Loogiaはラストワンマイルに特化した配車システムであり、30以上の現場制約を考慮し、最適なルートを導きます。また、GPSからリアルタイムで配送情報を収集、学習することで最新の配送情報をルートに反映できます。
「LYNA 自動配車クラウド」
株式会社ライナロジクス
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:クラウド
- 価格:月額料金50,000円~
「LYNA 自動配車クラウド」 は、配車業務をAIがアシストし、誰でも簡単に正確な配車計画を行える自動配車システムです。
独自のAI「ライナメタヒューリスティクス」は20年以上改良され続けており、配送情報を入力するだけで最適な配送ルートと車両台数を算出してくれます。また、システム設定のチューニングも可能なため、 企業ごとに最適化された配送計画も実行できます。
システムの導入から運用まで、充実のサポート体制が整っています。30日間無料お試しも利用可能。操作性などは実際に使って確認してみてはいかがでしょうか。
「Cariot」
株式会社フレクト
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:クラウド
- 価格:導入費用無料、車両台数に応じた月額費用
「Cariot」は、リアルタイムで車両に関する情報を取得し、現状を把握するだけでなく、蓄積したデータを分析し、課題の特定にもつなげるクラウド型自動配車管理システムです。 現状把握とデータ分析で業務最適化を実現します。
エリアマップでリアルタイムに車の位置情報を把握するだけでなく、運行ルートをもとに車両の到着予定時刻も予測し、配車管理をスムーズに行います。運転日報・月報も自動で作成でき、 集計作業の工数も削減可能に。
また走行データを蓄積し、分析することで、業務改善に活用できます。走行データから危険運転が発生しがちな場所の把握や、従業員の労働実態を確認し、適切な対策が取れるでしょう。
「SmartDrive Fleet」
株式会社スマートドライブ
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:クラウド
- 価格:別途お問い合わせ
「SmartDrive Fleet」は、車両管理業務で発生するさまざまな課題を解決できる自動配車管理システムです。リアルタイムな車両位置の把握、運転日報作成の自動化、システム連携などの機能を利用できます。
SmartDrive Fleetを使って車両管理ができるだけでなく、専用の無料アプリを使ってドライバー、車両管理者どちらにも情報の共有が可能に。スマートフォンでリアルタイムに車両の位置や走行履歴を確認できるので、日々の業務に役立てられます。
無料デモ体験で、操作性を確認できるので導入を検討している場合は、無料デモ体験からはじめてみるといいでしょう。
「Vehicle Manager」
エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:ASP
- 価格:初期費用38,500円/台、月額1,650円/台
「Vehicle Manager」は、NTTコミュニケーションズが展開するIoT車両運行管理サービスです。通信機能およびGPS機能が内蔵された小型車載器を車両に設置して車両運行状況を管理し、事故を未然に防ぎます。
車載機から得られる車両運行状況の情報から運転傾向を分析することにより、安全運転の確保が容易となり、交通事故削減、自動車保険料などの関連コスト削減につながります。また、運行日報が自動作成が可能。運行日報はデータ化され管理者に送られるため、 すべてのドライバーの日報作成が不要になります。
「ONEsLOGI/運送業支援システム」
日立物流ソフトウェア株式会社
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:オンプレミス / クラウド
- 価格:(クラウドの場合)初期費用48万円、月額5万円
「ONEsLOGI/運送業支援システム」は、運行収益を把握し、適切な経営判断を支援するシステムです。また売上集計や利益管理を効率化し、迅速な事務処理の透明化を図れます。
ONEsLOGI製品群と連携すれば、さらなる効率化が図れます。たとえば運創業支援システムや車両管理システムと連携し、それぞれの業務の売上、利益管理の効率化も実現できます。
システムはオンプレミス、クラウドの2パターンあり、企業にあわせて導入を選択できます。たとえばクラウドであれば、短期間、低コストで導入できます。
さらに、2週間無料トライアルを利用して、本導入前にシステムの使い勝手を確認することもできます。
「Oracle Field Service」
日本オラクル株式会社
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:クラウド
- 価格:別途お問い合わせ
「Oracle Field Service」は、AIを活用してフィールドサービスエンジニアのスケジュール管理やルーティングの最適化、物流の在庫管理などを直感的に行えるツールです。
単一のインターフェースからすべてのフィールドサービス業務を管理できます。また、フィールドリソース状況をリアルタイムで可視化するため、仕事の再割り当てやフィールド・スケジューリングの変更を柔軟に行えます。
さらに、在庫管理や物流管理といったサプライチェーンやCRM、バックオフィス・アプリケーションとの連携が可能。幅広く包括的な管理を行えます。
「簡易配車インタフェース」
アドバンスド・コア・テクノロジー株式会社
- 対象従業員規模:全規模対応
- 提供形態:オンプレミス / パッケージソフト
- 価格:1CPUあたり3,000,000円~
「簡易配車インタフェース」は、配車業務をPC上で簡単に行うことができるシステムです。届先の車両への割付、車両の稼働時間や走行距離計算だけでなく、自動車両配置や固定ルート配車機能など、多数の機能が利用できます。
PC画面上から届け先と車両を割り付ければ、自動的に最適なルートを計算し、必要な稼働時間と走行距離を算出します。また、手動での設定も可能なため、 企業のノウハウを活かした配車設定も可能です。
さらに、既存システムとの連携機能も備えています。TAB区切りテキストファイルによるファイル連携や、Excelブックの入出力による配車業務のシミュレーションも行えます。
配車管理システムを選ぶ時のポイント2つ
配車管理システムを選ぶ時のポイントをご紹介します。
1、配車管理システムの分類を見定め、自社のニーズに合う製品を選択する
配車システムは、管理対象や目的ごとに主に3つに分類されます。
- 配車管理システム
輸送・運輸業務を目的として、配車計画、運行計画を作成するシステム。 - 自動配車システム
配送業務を対象に、AIなどを活用し、効率的な配送ルートを自動作成するシステム。 - 車両管理システム
複数台の車両を持つ企業で、車両の運行状況や位置情報を管理し、事故防止やコスト削減を目的としたシステム
自社の管理対象や目的はなにか見定め、適した管理システムを選択しましょう。
2、管理画面の操作性を確認する
管理画面のわかりやすさ、使いやすさを確認しましょう。地図情報や交通状況をリアルタイムに把握できると、迅速かつ適切な対応が行えます。また、操作性がいいと効率よく作業できるため、配車業務の負荷軽減にもつながります。
配車管理システムを導入し、配車管理業務を効率化しよう
今回は配車管理システムをご紹介しました。配車管理システムを導入することで、主に3つのメリットが得られます。
- 配車をリアルタイムで管理し、トラブルに柔軟に対応できる
- 煩雑な作業を効率化できる
- コスト削減につながる
配車管理システムは、大きく「配車管理システム」「自動配車システム」「車両管理システム」の3つの種類があります。システムを選ぶ際には、自社にとって解決したい課題がなにかを明確に決め、ニーズにあったシステムを選ぶことが大切です。
配車管理システムの導入を検討したい、詳細を確認したいという方は、資料請求のうえ、無料トライアルや無料デモを活用してみてはいかがでしょうか。