人事システムの導入メリット9つを徹底解説!5つのデメリットも紹介

人事システム

人事システムは、導入することで多くのメリットを得られますが、その一方でデメリットもあります。本稿では、人事システムの概要と基本的な機能を整理した後、導入のメリットとデメリット両方について詳しく解説します。

人事システムのメリットを把握して、製品の比較検討時にお役立てください。

人事システムとは

人事システムとは、従業員の情報を管理し、人事評価や給与計算・労務管理・勤怠管理など人事関連業務を効率化するためのシステムです。従業員の入社・退社時に必要となる手続きをオンライン化するなど、各業務で時間のかかっていた作業を大幅に効率化します。

人事システムの主な機能

人事システムの主な機能は以下のとおりです。

  • 従業員の人事情報一元管理:個人情報やスキル・資格・業務経験・勤怠情報を一元管理
  • 人事評価・目標管理:人事評価と目標管理制度に関する情報を管理
  • 給与計算・労務管理・勤怠管理:各業務に関する情報を管理
  • 要員配置:適切な要員配置をサポートする
  • 収集したデータの分析:人事システムで扱う情報を分析して提示

従業員の人事情報を一元管理し、管理している情報を利用して分析を行う機能は、人事システムの基本となる機能です。また、人事の各業務(人事評価・労務管理・給与計算など)に対応した機能も提供していますが、製品によってサポートする機能の範囲は異なります。

人事システムの導入メリット9つ

人事システムを導入することにより、さまざまな面でメリットがあります。ここでは9つのメリットを取り上げて解説します。

1 人事部門の業務効率化

人事システムを導入することにより、これまで手作業で行っていた業務が自動化され、人事部門の業務を大幅に効率化できます。以下は、基本的な機能が具体的にどのような効率化をもたらすかの例です。

  • 従業員の人事情報一元管理→人事の各業務個別にデータ入力せずに済む
  • 人事評価・目標管理→予定・実績の管理や従業員全体の進捗管理の効率化
  • 給与計算・勤怠管理→従業員が勤怠データを入力するだけで自動的に給与計算可能
  • 労務管理→手続きを全てオンライン化して手続きにかかる手間を軽減
  • 要員配置→全従業員のスキル(最新情報)から適材適所を実現、不足スキルの可視化による効果的な採用活動
  • 収集したデータの分析→リアルタイムでの労務管理が可能になるなど

このように、人事システムは対応する人事業務をオンライン化して自動的な集計・データ連携を行うことで従来手間がかかっていた作業を効率化します。

2 適材適所の人材配置が可能

人事システムで蓄積される従業員のスキルや業務経験、これまでの業績は全てデータベース化されます。

例えば新規事業を立ち上げて従業員の中から必要なスキルを持った人材を集めたい、と仮定しましょう。従来なら、心当たりのある人材はいないかを各部門の管理職に聞く方法しかありませんでした。しかし人事システムを導入すれば、必要なスキルを持つ従業員を検索機能で漏れなく探せます。

適材適所の人材配置は、従業員が力を発揮できる環境を整えることでもあります。実力を発揮して評価されれば、従業員のモチベーションもアップ。結果として生産性の向上にもつながります。

3 人事データの可視化によるタレントマネジメントが可能

タレントマネジメントとは、従業員のスキルや能力・資格習得状況を把握し、経営戦略に沿った人材を抜てきしたり育成したりすることです。人事データを可視化することによって、従業員のタレントマネジメントが容易になります。

4 多様な雇用形態でも効率的に管理

働き方の多様化に伴い、正社員のみではなく、アルバイトやパートなど雇用形態のタイプも増えてきました。雇用形態が違うと、労働時間や社会保険の有無、有給休暇の付与ルールなど、さまざまな点で違いがあります。

人事システムは、従業員の雇用形態も従業員情報として記録しており、勤務管理や給与計算機能と連携して、自動で給与計算や有給休暇管理まで行える仕組みです。

5 継続的な人材育成の計画・実施が可能

人事システムの運用を続けることで、従業員の業務実績やスキル、評価などの情報が蓄積されます。これらの情報と従業員の希望なども組み入れ、継続的に人材育成ができる点も、人事システム導入のメリットです。

企業側は経営方針に合わせて必要となる人材を育成でき、従業員側も計画的に自身のキャリア形成ができます。

6 人事評価プロセスのスピードアップと従業員のモチベーション向上

従来、人事評価はExcelファイルベースでやり取りを行っており、ファイルの配布・回収には時間やコストがかかっていました。人事評価業務をシステム化することで、人事評価の入力や進捗のフォローは全てオンライン上で完了。ファイルの配布や回収・集計の手間はなくなります。

また、人事評価プロセスにより仕事に対する評価までの時間が短縮され、評価がすぐに本人へ届くため、従業員のモチベーション向上にも効果があります。

7 給与計算などの単純ミス削減

日々の勤怠情報から給与計算を行うには、就業規則に沿って、さまざまな条件を考慮する必要があります。雇用形態や勤務形態によってもルールが異なり、計算方法は何パターンも存在します。人の手で集計や計算を行っていると、計算ミスやデータの転記ミスなどもゼロにはできません。

勤怠管理や給与計算機能のある人事システムなら、従業員が勤怠データ入力した時点で、自動的に勤怠データが集計され、リアルタイムでの給与計算が可能です。人事部門が給与計算をする必要がなくなるため人的ミスも発生しません。

業務効率化のみならずミスによる手戻り作業もなくなり、勤怠管理や給与計算業務を大幅に効率化できます。

8 各種手続きの承認や役所への届出なども電子申請でコスト削減

従業員の入社・退社時や年末調整、結婚・出産など家族構成の変更がある場合には、それぞれ手続が必要です。これらの各種手続きには承認処理や役所への届け出を伴い、時間のかかる作業です。また手続き用の申請書は紙でのやり取りになり、配布・回収にも手間がかかります。

人事システムはこれらの手続きを全てシステム上で完結できます。また、役所への届け出も電子申請への移行が可能です。手続き処理を全てデジタル化することで、これらの業務にかかっていたコストや時間を大きく削減できます。

9 人事データの分析がしやすい

人事システムのデータは多岐にわたり、そのままでは現状の把握が難しい状態です。しかしシステム化により各種データを一元管理するため、データを利用した分析がしやすくなります。

データを分析することで、長時間残業がないかなどの労務管理や、従業員の能力を管理するタレントマネジメントも効率的に。問題の早期発見・対策も可能です。

また、手続きや目標管理などには、処理の進捗状況も一目瞭然で、フォローも簡単に行える製品もあります。

人事システムにはこのように多くのメリットがあります。一方で、人事システムにはデメリットもあるので確認しておきましょう。

人事システム導入時のデメリット5つ

人事システムを導入する際に起こり得るデメリットについて解説します。いずれもなんらかの対策は可能なので、対策もあわせてお伝えします。

1 導入する目的を明確化しないと運用でつまずく可能性

人事システムを導入する場合は、どの機能を利用するか目的を明確にしましょう。人事評価・目標管理・給与計算・労務管理・勤怠管理など、各機能に優先順位をつけます。

こうすることで、選んだ製品の中に欲しい機能がなかったという選択ミスは回避可能です。また多機能な人事システムを導入したが、運用してみると使わない機能が多い、使いこなせない、ということもなくなります。

2 システムの導入が難しい

人事システムは、取り扱う人事情報が非常に多く、システムの初期設定も大変です。システムの初期設定には、各種申請や目標管理の評価シート、勤怠ルール、承認経路などがあります。

システム導入をスムーズに行うためには、導入支援がしっかりしている製品を選ぶことが重要です。特に人事部門がITシステムを使い慣れていない会社では、導入前後の支援が手厚い製品を選ぶことで、難易度の高い導入作業をスムーズに進められます。

3 現在の人事評価シートをそのまま再現できない

現在の人事評価シートをそのまま再現できない人事システムを選ぶと、一から評価シートを作成しなければならず手間がかかります。現在のフォーマットをそのまま使用したい場合は、フォーマットをまるごと取り込める製品を選びましょう。

4 クラウド型はセキュリティ面の不安がある

近年では自社で環境を構築する必要のない、クラウド型の人事システムが普及しています。低コストで比較的短期間で導入できるため、特に中小企業にとっては導入しやすい提供形態です。

しかし、人事システムで扱う情報は個人情報となり、特にセキュリティ面では注意が必要です。クラウド型は、データをインターネット上に置くため、通信の暗号化や保管データの暗号化、データを保存しているデータセンターのセキュリティなどをチェックしましょう。

また、アクセス制御や操作ログの監視など、内部からの情報漏洩にも気づける機能があればさらに安心です。

5 オンプレミス型はコストがかかる

自社に環境を構築するオンプレミス型の人事システムは、カスタマイズも比較的柔軟に行えて、セキュリティ面でも比較的安全です。しかし、クラウド型に比べてコストが高くなる点はデメリットとなります。カスタマイズすると費用がかかるため、標準機能で使えそうな製品を選ぶことは、コスト軽減策のひとつです。

人事システムのメリットを活かして業務効率化を目指そう

どのような規模の企業にとっても、バックオフィス業務の負担軽減は大きなメリットです。人事システムによる業務効率化は、人事部門ばかりではなく従業員にもいい影響をもたらします。

人事システムは多くのサービスが展開されているので、自社に合うサービスを見極め、じっくり比較検討することをおすすめします。

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