人事システムの費用はどれくらい?平均相場も徹底解説!【2021最新版】

人事システム

人事システムを導入・運用する際に、どれぐらいの費用がかかるか把握しているでしょうか。本稿では、人事システムの費用相場や、費用を見積もる際の確認項目についてまとめました。最後に無料で利用できるおすすめの人事システムも紹介し、具体的な費用を見ていきます。

人事システムの費用相場

人事システムとは、従業員の人事情報を管理するITシステムの一種です。勤怠管理・給与管理や人事評価機能も提供する多機能な製品もあります。人事システムの費用相場は非常に幅広く、選択する製品や提供形態、利用人数などさまざまな要素で変わってきます。

1 会社規模別:人事システムの費用相場

例えばクラウド型の人事システムの場合、1ユーザーあたり月額300円の料金がかかるとすると、会社規模によって月額料金は以下のようになります。

  • 10人:3,000円
  • 100人:3万円
  • 1,000人:30万円
  • 10,000人:300万円

ただ、実際には利用人数が増えると、ボリュームディスカウントを行う製品も多く、その場合は個別見積もりが必要となります。

2 費用に差が出る理由

人事システムにかかる費用は、会社規模以外にもさまざまな理由で差が出ます。提供形態(クラウド型・オンプレミス型)、利用したい機能の種類などはその例です。人事システムの比較検討で総コストを算出するには、費用に差が出るポイントを見積もり項目として洗い出す必要があります。

次に、費用を見積もる上で重要となる人事システムの機能と、平均的な費用相場について再確認しましょう。

人事システムの費用を見積もる前に機能を確認

人事システムの主な機能は人事情報の管理です。ただ、人事業務に関連する他の業務もあわせてシステム化したい場合もあるでしょう。初期費用を抑えたい場合は、まず機能面でコアとなる人事情報の管理機能を導入し、順次必要な機能を追加していくことも可能です。

ここからは、人事システムの主な機能と、各機能の費用相場(クラウド型の月額料金)を紹介します。

1 労務管理

労務管理は、人事システムの中でもメインとなる機能です。入退社の手続き・年末調整・従業員の管理・雇用契約書の作成や締結などの機能を提供し、従業員の人事情報を一元管理します。従業員の人事情報を一元管理する機能だけを「人事情報」機能として提供し、労務管理機能と分けている製品もあります。

HRプラットフォーム「jinjer」の場合、人事管理機能は1ユーザーあたり月額550円、労務管理機能は330円、雇用契約機能は220円です。また「ジョブカン労務HR」の場合は月額440円です。

2 勤怠管理

従業員の勤怠管理を行う機能です。従業員は勤怠データを登録し、労働時間や休暇の申請管理・工数管理・シフト管理などの機能を提供します。例えば「ジョブカン勤怠管理」の場合、出勤管理・シフト管理・休暇申請管理・工数管理すべての機能を利用する場合、1ユーザーあたり月額550円、「jinjer」の場合は月額330円です。

3 給与計算

人事情報データと勤怠データを入力して、給与を自動計算する機能です。労務管理や勤怠管理機能と連携すれば、従業員が勤怠データを入力するだけでリアルタイムに給与の自動計算を行います。これにより大幅な業務効率化が期待できます。

給与計算機能の参考価格は、「jinjer」で1ユーザーあたり月額550円、「ジョブカン給与計算」で月額440円です。

4 人事評価・タレントマネジメント

人事評価やタレントマネジメント機能は、従業員の業務経験やスキル、保有資格および評価情報を蓄積して活用するシステムです。この機能は、社内にはどのようなスキルを持つ従業員がいるかを把握し、従業員の能力を活かした配置や、将来的に強化したいスキルを持つ人材の育成にも役立ちます。

人事評価やタレントマネジメントを提供するシステムでは、1ユーザーあたりの月額料金ではなく、初期費用は無料~40万円程度まで、月額料金は5万円程度までの料金設定が多く見られます。

「HRBrain」の場合は約7万円~、「sai*reco」の場合は、初期費用が40万円、月額料金は100名以下で一律18,000円です。「カオナビ」のように、料金は個別見積もりとなっている製品も見られます。

5 採用管理

採用管理は、求人票の作成やエントリー管理、採用の計画・進捗管理、一斉メッセージ送信などをまとめて行える機能を提供します。採用管理の場合、1ユーザーあたりの月額料金ではなく、採用候補者登録数や機能の違う料金プランが一般的です。

「ジョブカン採用管理」の場合、1ヶ月あたりの採用候補者登録数と、求人媒体連携機能の有無で月額料金が決まります。例えば求人媒体自動連携機能なしの場合、1ヶ月あたりの候補者登録数が50人までなら月額料金は9,350円、150名までなら月額33,000円です。

ここまで、機能単位での費用相場について、クラウド型の製品を例に解説しました。次に、クラウド型人事システム全体での費用相場について説明します。

クラウド型人事システムの費用相場

クラウド型人事システムの費用相場について、初期費用、月額基本料金、保守費用、その他費用の順に解説します。

1 初期費用

クラウド型の人事システムの初期費用相場は、0~50万円程度です。初期費用はかからない製品も多く見られますが、必要な場合は10万円単位で費用が必要になる傾向があります。

2 月額基本料金

クラウド型の人事システムの月額基本料金は、1ユーザー月額約300~700円です。1契約単位での月額料金では、約2,000~7万円が費用相場です。

3 保守費用

クラウド型人事システムの場合は、保守費用は月額基本料金に含まれます。専用のサーバーマシンも用意しないため、メンテナンスにかかる人件費も不要です。

4 その他必要となる費用

導入支援サービスなどソリューションサービスの費用や、従業員への研修にかかる人件費も人事システム導入に伴い発生する費用です。

このように、クラウド型の人事システムは低コスト・短期間で利用でき、出費を抑えたい、人数の少ない企業におすすめです。

オンプレミス型人事システムの費用相場

オンプレミス型の人事システムの費用相場はいくらぐらいか、クラウド型と同じ項目で解説します。オンプレミス型はカスタマイズ性が高いので、従業員数が多い中堅企業や大企業に向いています。

1 初期費用

約100人の利用人数がある場合、オンプレミス型人事システムの費用相場はライセンス購入で100万円以上が目安です。さらに、自社内でサーバーを立て、環境を構築するなどの導入費用も発生します。

例えば、「Galileopt NX-Plus 人事大将」の場合、人事大将・給与大将の2製品を最小構成で導入した想定でのライセンス費用は237万6,000円~。「POSITIVE」は200万円~という価格設定です。

2 月額基本料金

オンプレミス型はライセンスを購入するため、基本的にクラウド型のような月額料金は発生しません。サーバーを購入せずレンタルしている場合は、レンタル代を見積もる必要があります。

3 保守費用

オンプレミス型の場合、年間保守契約を結び、毎年支払います。保守費用は製品によって違います。また、サーバー環境のメンテナンス費用も必要です。こちらは保守に必要な人件費を1ヶ月単位で予算化するケースが多く見られます。

4 その他必要となる費用

自社に合わせたカスタマイズを行う場合、開発費用も必要です。開発規模によって必要となる人件費は変動します。開発者1人あたり平均単価の相場は1ヶ月50~160万円程度です。

ここまでは、クラウド型とオンプレミス型の人事システムの費用相場を紹介しました。では、実際に人事システムの費用を見積もるときは、どのようなポイントを見ていけばいいでしょうか。

人事システムの費用見積もりでチェックしたい項目

人事システムの費用を見積もる際、確認しておきたい項目について解説します。

1 導入形態

導入形態は、主にクラウド型またはオンプレミス型どちらかです。クラウド型の場合、多くの企業でサービスを共用する「パブリッククラウド型」か、専用サーバーを用意する「プライベートクラウド型」のどちらかを選びます。

パブリッククラウド型は、低コスト・短期間で導入可能です。プライベートクラウド型は、オンプレミス型に近く、ある程度カスタマイズもできます。

2 ライセンス数

ライセンス数は、クラウド型の場合従業員の人数により決まるケースが多く見られます。オンプレミス型の場合は、基本的に1契約1ライセンスですが、インストールするサーバー数に応じたライセンス数が必要な場合もあり要注意です。

3 利用年数

人事システムを何年使う予定かを定めます。利用年数の間に、法改正対応など保守対応が必要なイベントも洗い出し、期間中に総コストはいくらになるかをシミュレーションします。

4 利用したい機能と選択する料金プラン

人事システムを導入したい業務の範囲をどこまでにするかで、利用したい機能が決まります。人事情報管理・労務管理・給与計算・勤怠管理・人事評価・採用管理を、好きな組み合わせで利用できる製品シリーズもあります。

また、クラウド型の場合は、提供機能の多さや利用人数によって、複数の料金プランがあり、目的に合わせてどれにするか選択します。支払方法として、月額料金がディスカウントされる年払いを用意している製品もあります。

自社の利用人数を踏まえ、利用したい機能を確認して、料金プランを選びましょう。

5 オプション料金

オプション料金は製品によって大きな違いがあり、どの範囲まで利用するかを確認して、費用を算出する必要があります。

退職金計算など、人事業務に関係する機能がオプションとなっている場合もあれば、シングルサインオンや組織管理などの機能をオプションとして提供している製品もあります。

大企業や、小売業のように店舗展開が多い業態の場合、グループ企業や複数ある各拠点も一括で管理が可能かどうか確認が必要です。システムにこれらの組織管理機能が標準で提供されているかどうかも確認しましょう。

6 カスタマイズの有無

自社の人事情報が製品の標準機能ではカバーしきれない場合は、製品のカスタマイズも必要です。カスタマイズの有無とカスタマイズ内容をまとめ、製品の販売会社に個別見積もりを依頼しましょう。

7 社員数追加時の料金

システム利用中に、契約した利用人数より社員数が増える場合もあります。その場合、どのような形で追加料金が発生するかも要確認です。

料金プランそのものが変わるのか、超過した人数分の月額料金がプラスされるのかを確認しましょう。

8 保守・運用コスト

保守・運用コストは、クラウド型かオンプレミス型かで費用の構成が異なります。クラウド型の保守・運用コストは、月額料金に含まれています。オンプレミス型は、年間保守契約+サーバー環境の保守費用が必要なので見積もりが必要です。

9 利用したいサポートメニュー(導入支援サービスなど)

システムをよりスムーズに運用するためのサポートメニューとして、導入支援サービスなどを提供する製品もあります。費用対効果を考えつつ、利用するサポートメニューを選択して見積もりに加えましょう。

これらの見積もり項目を順番にチェックして費用を算出することで、人事システムに必要な総コストを見積もることができます。次に、おすすめの人事システムについて、特に費用に着目した特徴を比較します。

無料プランのあるおすすめ人事システム5製品の費用を比較!

初期コストを抑えて動作確認できるおすすめの人事システムの費用情報を比較・紹介します。いずれの製品も少人数での無料プランやトライアル版を用意している点が特徴です。

製品名 価格 備考
SmartHR

【0円プラン】
利用人数30人までならトライアル期間終了後も無料で利用可能

【スモールプラン】
別途問い合わせ
※従業員数50人以下向け

【スタンダードプラン】
別途問い合わせ

【プロフェッショナルプラン】
別途問い合わせ

ジョブカン労務HR

【無料プラン】
利用人数5人まで

【有料プラン】
1ユーザー月額440円
※月額最低利用料金2,200円

人事労務freee

【ミニマムプラン】
年額プラン:月額2,178円~(年額26,136円~)
月額プラン:月額2,420円~
3名を超える従業員:1ユーザー月額330円

【ベーシック】
年額プラン:月額4,378円~(年額52,536円~)
月額プラン:月額4,928円~
3名を超える従業員:1ユーザー月額550円

【プロフェッショナル】
年額プラン:月額8,888円~(年額106,656円~)
月額プラン:月額10,208円~
3名を超える従業員:1ユーザー月額770円

【エンタープライズ】
別途問い合わせ

HRBrain 月額69,800円〜 税込・税別不明のため詳しい価格は別途問い合わせ
jinjer労務

【jinjer人事管理】
1ユーザー月額550円

【jinjer労務】
1ユーザー月額330円

以降で、各製品の特徴について解説します。

1 0円プランあり!有料プランも15日間無料で試せる「SmartHR」株式会社SmartHR

【費用確認のポイント】

  • プラン数:4
  • 支払方法:月払い
  • 有料プラントライアル:可能(15日間)
  • 無料プラン:あり(利用人数30人まで、機能制限あり)

「SmartHR」は、ひとつの製品の中に、人事情報管理・電子申請・各種労務管理(年末調整・マイナンバー管理)・Web給与明細などの機能を揃えた人事システムです。

提供機能に差をつけた4種類の料金プランを用意しています。0円プランは、利用人数30人以下の場合に限り、トライアル期間終了後も無料で利用可能です。人事労務手続きに必要な機能だけを備えているため、起業したばかりで従業員も少ない小規模の企業におすすめです。

その他の有料プランも、15日間のトライアル期間があるため、自社に適したプランを選び、イメージどおりの機能かどうか確認が可能です。

2 5人までなら無料プランが使える「ジョブカン労務HR」株式会社Donuts

【費用確認のポイント】

  • プラン数:2
  • 支払方法:月払い
  • 有料プラントライアル:可能(30日間)
  • 無料プラン:あり(利用人数5人まで、機能制限あり)

「ジョブカン労務HR」は、シリーズで勤怠管理・給与計算・経費精算・採用管理などの業務がカバーできる人事管理システムです。各シリーズとも利用人数5人まで用の無料プランを用意しており、小規模企業にも導入しやすいでしょう。無料プランには一部機能制限があるため、導入時には問題ないかどうか確認しましょう。

またジョブカンシリーズを組み合わせて使う場合や利用人数500人以上の場合、別途見積もりとなります。

3 4段階の料金プランを用意「人事労務freee」freee株式会社

【費用確認のポイント】

  • プラン数:4
  • 支払方法:月払い・年払い
  • 有料プラントライアル:可能
  • 無料プラン:なし

「人事労務freee」は、利用人数3人までを含んだ月額基本料金と、3人を超過した従業員数の追加料金で構成される料金体系を持つ人事システムです。料金プランは4種類ですが、従業員数が50人以上になる場合は、エンタープライズプランが推奨されます。

有料プランのトライアルは可能なため、自社に適したプランを選択して、操作性や機能などを確認しましょう。

4 人事評価やタレントマネジメントに強い「HRBrain」株式会社HRBrain

【費用確認のポイント】

  • プラン数:1
  • 支払方法:月払い
  • 有料プラントライアル:可能(1週間)
  • 無料プラン:なし

「HRBrain」は、人事評価やタレントマネジメントに強い人事システムです。有料プランは1種類のみで、利用人数に応じて月額費用は変化します。無料トライアルは1週間なので、事前に調査したい機能や操作性を決めて、計画的に進める必要があります。

労務管理や勤怠管理に強い人事システムとはカバーする機能が違うため、組み合わせての利用も検討したい製品です。

5 利用人数による従量課金制でトライアル可能「jinjer労務」株式会社ネオキャリア

【費用確認のポイント】

  • プラン数:1
  • 支払方法:月払い
  • 有料プラントライアル:可能
  • 無料プラン:なし

「jinjer労務」は、人事業務に関する機能(人事管理・給与計算・勤怠管理など)を組み合わせて利用できる人事システムです。機能に差のある料金プランはなく、利用人数による従量課金制を採用しています。

必要な機能を選択してのトライアルが可能です。自社の人事業務をどこまでシステム化するかを決めてから、トライアルに申し込むといいでしょう。

人事システムの費用はしっかり見積もって比較しよう

以上、人事システムの費用について解説しました。提供形態と利用人数、利用したい機能など、費用を見積もるには多くの要素があり、事前に人事システムの導入目的を明確にするなどの準備が必要です。

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