【入門編】BIツールの使い方&作れるグラフ13種類を解説!

BIツール

BIツール(ビジネスインテリジェンスツール)の使い方は多種多様です。この記事では、BIツールの入門と言えるような基本的な使い方を4パターン紹介した後、BIツールで作れるグラフとその使い方を解説します。BIツールの基礎知識として、どんな使い方ができるのかを確認してみてください。

BIツールとは

BIツールとは、大量のデータを収集・分析して経営判断やマーケティング戦略、業務効率化などに利用できるツールです。

BIツールが求められるようになった背景は、経営判断のスピードアップ、働き方改革による業務効率化の必要性などが挙げられます。現在では、多くの企業が業務効率化や経営判断のスピードアップを目的に、BIツールを活用しています。

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BIツールの基本的な使い方4つ

BIツールは、利用目的に応じて分析手法を使い分ける必要があります。基本的な使い方として、BIツールでよく利用される分析手法について解説します。

1、経営判断のスピードアップ化に欠かせない「予実分析」

予実分析とは、予算編成で作成した予算に対して、実績がどのように上がっているかを分析する手法です。どんな企業でも、予算を達成して利益を上げるために予実分析は欠かせません。

BIツールを利用すると、予算データおよび実績データをリアルタイムで収集し、予算と実績の関係をグラフなどで瞬時に表示・可視化できます。予実分析をすばやく行うことにより、実績が芳しくない業務に対する対策をいち早く講じることが可能です。

なお、BIツールでリアルタイムの予実分析を行うためには、予算管理システムの導入など、実績データをいち早く収集する仕組みも重要です。

2、効果的な販売・営業戦略に活用「ABC分析」

ABC分析とは、売上高など分析したい数値を使い、対象に対し優先順位の高い順から「A・B・C」の3段階のランク分けを行う分析手法です。Aがもっとも優先順位の高いランクで、Cは優先順位が低いランクとなります。

ABC分析には、パレート図と呼ばれるグラフも併用されます。パレート図は、例えば売上高の多い商品から順番に並べて棒グラフで表現し、累積度数の全体に対する割合を折れ線グラフで表現するグラフです。パレート図により、売上において70%を占める商品をA、90%を占める商品をB、その他をCとランク付けできます。

ABC分析は販売管理や顧客管理によく利用されます。ABC分析により、効果的な販売戦略や顧客対応などの戦略立案が可能です。ABC分析は過去の膨大なデータを分析するためBIツールが役立ちます。BIツールを使うと、さまざまな視点から再集計を行い、多角的な分析が可能です。

3、適正在庫を保つのに必要な「在庫分析」

在庫分析とは、適正在庫を保ち企業の業務効率を最大化するために必要となる分析です。在庫数量、在庫回転率、粗利率など必要なデータを自動的に収集するようBIツールを設定しておき、現所の在庫状況をリアルタイムで可視化します。

在庫回転率を確認して適正在庫を保つことで、欠品による機会損失や過剰在庫によるキャッシュフローの悪化を避け、効率の良い在庫管理を実現できます。

4、マーケティング戦略に活用「OLAP分析・データマイニング」

OLAP分析とは、「Online Analytical Processing」の略で、データのリアルタイム分析を指す言葉です。ここでいう「Online」とは、インターネット接続を指すのではなく、リアルタイムという意味合いがあります。

データマイニングとは、大量のデータを分析して規則性を見出し、経営戦略やマーケティング活動に役立てるデータの分析手法・ツールの総称です。

BIツールはリアルタイムに膨大なデータを分析するため、基本機能としてOLAP分析やデータマイニングも行います。これらの手法で分析した結果は、グラフなどで可視化され、経営戦略やマーケティング活動に活用します。

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こんなこともできる!BIツールで作れるグラフ13種類と使い方

ここからは、BIツールでよく利用されるグラフを13種類紹介し、どのような使い方をするかについて解説します。

1、ベン図

ベン図とは、集合を円として表現し、大きさと重なりを比較するためのグラフです。例えば、各商品の販売額を円の大きさで表現し、横軸は購入者数、縦軸は購入者の年代とした場合、年代によってどの商品が多く購入されたか、商品の人気や主要購買層などが比較・確認できます。

ベン図はさまざまな集合の比較に利用でき、視覚的にもわかりやすいため、BIツールでもよく利用されるグラフです。

2、メッコチャート

メッコチャートとは、複数の要素をクロス集計して、その結果を面積で表現した図です。横軸には数値の大小、縦軸には構成比が採用されるケースが多く、数値が大きく構成比も高いほど、面積の広い棒グラフで表示されます。

例えば商品の売上額を横軸、購入者の年代構成比を縦軸にすると、どの商品がより多く売り上げていて、どの年代に多く購入されているかが同時に理解できます。

3、CPO分析

CPOとは「Cost Per Order」の略で、注文を取るためのコスト効率のことです。CPO分析は、顧客を重要度の順に並べ替えたグラフで、自社の重要顧客層を洗い出すための分析手法を指します。先に紹介したABC分析なども併用します。

ちなみに広告業界でいうCPOは「有料広告を出稿して獲得した注文1件あたりの費用」のことを指します。CPOを安く抑えられればそれだけコストパフォーマンスの高い広告を出せているという指標になります。

4、変化の可視化

通販では、違う商品を購入する顧客の行動を重要視します。しかし、顧客の購買行動変化は、これまでの販売データや顧客データだけではわかりにくい情報でした。そこで考え出された手法が変化の可視化です。

変化の可視化とは、顧客の購買行動が変化したタイミングをチェックしてデータベース上でフラグを立てて、グラフ上で描画する手法です。購買行動の変化を可視化することで、今後の販売戦略や商品企画などに活用できます。

5、レーダーチャート

レーダーチャートとは、複数の指標と項目を総合的に比較するグラフのことです。

よく見かけるレーダーチャートの例としては、各教科の成績を5段階などで分けて表示する成績グラフがあります。レーダーチャート化することで、どの教科が強くどの教科が弱いかがひと目で確認できます。

レーダーチャートは、商品の強みや弱み、同じ商品で複数の広告を出した場合の効果の違いなど、発想次第でさまざまな分析に役立つグラフです。

6、KPIの体系化

KGI(最終目標・ゴール)とKPI(KGIを達成するための中間目標)はいずれも数値目標です。KGIを達成するためには、複数のKPIを設定し、KPIを達成していきます。このとき、特定のKPI達成だけ力を入れても、KGIの達成に有効とは限りません。

全体最適な数値目標を設定するには、KPIを体系化してツリー状につなげ、KPIの数値を変えてシミュレーションを繰り返すことが重要です。KPIを体系化してツリーで視覚化することで、各KPI数値の最適化が可能となります。

7、顧客動向の可視化

顧客の購買行動をグラフ化する際、データの切り口を変えることで、販売戦略に必要な情報を得ることも可能です。

例えば、同じ購買行動データから、新規顧客が売上の半数を占めていることがわかれば、新規顧客獲得の施策に力を入れる、という判断もあるでしょう。コンスタントに商品を購入し続けているリピーターの属性から、リピーターになり得るターゲット層へのマーケティングに力を入れるという施策も考えられます。

8、減衰率と安定率

減衰率と安定率は、顧客の浮気度を可視化する指標です。この指標を、競合商品やブランドとの比較に使うことで、支持されている商品の特徴や競合商品と差別化できている要素を見極めやすくなります。

9、ヒートマップ

ヒートマップは、数値の大小によって色分けし、どこの数値が高いかを視覚的にわかりやすく表現するグラフの一種です。数値だけの表に比べて、重点的に見るべき部分が直感的に見極められ、見落としも少なくなる表現ができます。

BIツールは、色分けを変えて動的に表示を変えるのにも便利です。ヒートマップの変化を時系列でアニメーション化することで新たな気づきを得ることもできます。

10、滞在時間

滞在時間は、店舗やWebサイトでの顧客行動を測定する重要な指標のひとつです。BIツールでは、滞在時間を線の角度と密度で表現します。

11、経路の可視化

BIツールでは、店舗やWebサイトの移動経路を可視化することも可能です。数値を空間に配置して関係性を線でつなぐことで、移動経路が明確になります。

滞在時間と移動経路を両方把握することで、より詳細な顧客行動が可視化でき、具体的な販売戦略やWebデザイン設計に役立てられるようになります。

12、散布図

散布図とは、ある複数のデータを縦軸と横軸の指標で表現し、相関関係を明らかにするグラフの一種です。

散布図は経験則とも重なることが多いのですが、気づかないうちに状況が変化して経験則が通じなくなった場合、その状況を把握するのに利用できます。

13、カスタマージャーニー

リピーターの購買品目を明らかにして、顧客がどのような経過をたどって購入する商品を変えていくかを表示するグラフの一種です。

新規顧客向けの販売戦略、リピーター向けの販売戦略を分けて検討・実施できるようになります。

BIツールの使い方を知って活用しつくそう

BIツールの基本的な使い方を理解すると、どのようなことが実現できるかが理解しやすくなります。自社ではBIツールを経営戦略立案に使うか、マーケティングや営業に利用するかなど、利用目的を明確にして、目的達成に必要な機能を備えた製品を選びましょう。

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