ナレッジマネジメントとは、仕事を進める上で明文化されていない知識(暗黙知)を管理するという意味です。本稿では、ナレッジマネジメントツールを比較しつつその特徴を解説するとともに、ナレッジマネジメントツールの種類や製品選定のポイントについて紹介します。
ナレッジマネジメントツールとは
ナレッジマネジメントでは、社員の頭の中に眠っている暗黙知を、明文化して形式知(明文化され学習できる知識)として活用することを目的とします。
暗黙知となりがちな情報は、経験則やノウハウ、属人化されやすい情報などです。また、組織内で日々蓄積される日報などの書類は、情報が多すぎて埋もれることも少なくありません。
ナレッジマネジメントツールは、埋もれがちな暗黙知を活用しやすい状態で提供するツールです。ナレッジマネジメントツールを導入することで、埋もれた情報を活用して業務を効率化する、業務の属人化を防ぐ、社員全体のスキルアップなどの効果が期待できます。
ナレッジマネジメントツールの導入メリット
ナレッジマネジメントツールを導入すると、どのようなメリットを得られるのでしょうか。ここでは、大きく3つに分けて解説します。
1、社員全体のスキル強化
ナレッジマネジメントツールを使うと、社員全体のスキル強化が期待できます。全ての社員の能力を引き上げるために重要なのは、「この仕事はあの人にしかできない」といった仕事の属人化の防止です。ナレッジマネジメントツールは、一部社員が持つノウハウや技術、経験などを共有できるため、仕事の属人化を防止できます。
また、ベテラン社員のノウハウを蓄積してデータベース化しておくと、新人教育がスムーズに。ナレッジマネジメントツールを活用すれば、社員ごとの能力の偏りを最小限に抑えられます。
2、業務効率化
業務効率のアップもメリットの1つです。通常、仕事に必要な情報を探すときは、紙の資料をめくって調べたり、詳しい社員を探しに席を立ったりするものです。しかしナレッジマネジメントツールを導入していれば、社内情報がインプットされており、簡単に検索が可能です。情報を探す手間が省けるため、業務の効率化が見込めます。
また、ナレッジマネジメントツールの中には、他システムやサーバーとの連携機能があるものも。部署や専門分野ごとに異なるデータベースを利用している場合でも、一括して情報を探せます。情報を探す時間や手間をなくすことで、効率的な業務を実現できるでしょう。
3、対応品質および競争力の向上
ナレッジマネジメントツールを導入すると、対応品質および競争力を向上できます。ツールによって迅速な対応や情報の共有が可能になれば、対応品質・競争力の向上につながるからです。
たとえば、事前にFAQを作成して共有しておけば、顧客や取引先からの問い合わせにすばやく正確に対応できます。結果として顧客や取引先の満足度を上げ、企業の信頼性の向上につながるわけです。
また、顧客の問い合わせやアンケートをナレッジマネジメントツールに落とし込んでおくと、部署やチームを越えた共有が可能に。新たな製品やサービスを開発する際にも役立ちます。このようにナレッジマネジメントツールは、企業の対応品質・競争力の向上に貢献してくれます。
ナレッジマネジメントツールの種類
ナレッジマネジメントツールは、目的によって4つのタイプに分類できます。自社に導入する場合は、どの目的で利用するのかを明確にして、目的に応じたタイプの製品を選びましょう。
1、ナレッジの蓄積・活用
社内の暗黙知となっている知識を一元管理するだけでなく、その内容を分析する機能があるタイプ。ビジネスの分析や戦略策定に使えます。
2、FAQ・社内Wiki作成
ある業務や製品について、FAQや社内Wikiを作成して情報共有するタイプ。問題が起こった場合などの自己解決に使いやすいタイプです。業務改善や社内教育などに利用すると効果が期待できます。
3、ヘルプデスク支援
社内や顧客からの質問が多い事項を、ヘルプデスクのようにデータ化してすぐに回答できる体制を整備するタイプ。ナレッジベースを作成して顧客に公開することで顧客の自己解決を促すことが可能です。また、AIチャットボットの学習データとして使い、ヘルプデスク業務を効率化します。
4、情報検索の効率アップ
大量のナレッジを活かしきれていない場合に有効なタイプです。PDFファイルやWordなどの社内文書の中身を全文検索、あるいはファイルの作成日時・作成者などの属性で検索など、必要な情報にすばやくアクセスする機能が搭載されています。
ナレッジマネジメントツールの機能
ナレッジマネジメントツールには、主に5つの機能があります。単に情報を共有するだけでなく、FAQや情報発信といった機能も備えています。各機能の特徴を順番に解説するので、参考にしてください。
1、ファイル共有
企画書、顧客情報、開発図面など、社内のあらゆるファイルを共有します。ファイルごとにタグ付けできるので、部署、案件、顧客、商品といった属性ごとの分類も可能です。
2、ヘルプデスク支援、FAQ作成
顧客からの問い合わせや、社員の質問に答えるヘルプデスクとして利用できます。たとえば、顧客が製品についての質問をヘルプデスクに入力すると、答えを知る社員から回答をもらえるといった形です。また、事前にFAQ集を作成しておけば、顧客自身で自己解決できるように導けます。
3、検索
社内の共有ファイルから全文検索をおこない、目当ての情報を即座に見つけられます。検索方法は、単純な全文一致だけではありません。長文や口語的な自然文からキーワードを分析し、最適なファイルを表示します。
4、グループウェア
製品によっては、ToDoやスケジュールの共有、チャット、個別メッセージ、掲示板、申請や承認のワークフローといったグループウェア機能を備えている場合も。ナレッジマネジメントと社員間の意思疎通を一括しておこなえるので、業務をスムーズに進められます。
5、情報発信
ツールに蓄積した情報を教材化して、eラーニング用に配信できます。マルチデバイスならどこからでもアクセスできるため、社員教育の効率化を図れます。また、社内向けにSNSやブログ形態で情報を発信・共有できるツールを使えば、誰でも気軽に投稿しやすく、ナレッジ共有の意識が広まりやすいでしょう。
ナレッジマネジメントツール選定のポイント4つ
ナレッジマネジメントツールを選定する際のポイントについて4つにまとめて解説します。
1、用途に適したツールを選ぶ
ナレッジマネジメントツールを何のために導入するかを明確にして、その目的・用途に適したツールを選びましょう。大量にある社内の文書をナレッジベースとして活かしたいなら、全文検索や属性検索に強いツールが向いています。社内の情報共有を促進したいなら、FAQや社内Wikiを作成できるツールが便利です。
2、UIや操作性の事前確認
ナレッジマネジメントツールを利用する社員が扱いやすいかどうかも重要な確認ポイントです。ヘルプデスク支援として導入する場合、ヘルプデスク担当者にとって扱いやすいものでなければ、ツール自体が使われなくなります。試用版やデモなどを利用して操作性を試せるなら、実際に使う社員に操作性など確認してもらいましょう。
3、費用対効果を比較
ナレッジマネジメントツールはとても便利です。しかし利用目的や従来業務の工数を把握できていないと費用対効果が分かりにくいツールでもあります。事前に効率化したい業務のモデルケースと作業工数を確認して、各製品の価格と業務効率化の効果を検討することで、費用対効果を比較しましょう。
4、セキュリティ機能
ナレッジマネジメントツールは、顧客の個人情報や社内の機密情報を共有できるため、ツール自体のセキュリティ機能が重要になります。ツールのセキュリティを高めるためには、ユーザー認証やアクセス制限、共有範囲の設定といった機能が必要です。また、クラウドサービスを利用する場合は、提供ベンダーの信頼性やサイバー攻撃対策もチェックしましょう。
ナレッジマネジメントツール20選を徹底比較!
「Confluence(コンフルエンス)」
リックソフト株式会社
- 参考価格:年額費用149,000円~
- 提供形態:クラウド/オンプレミス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:蓄積や活用に特化
- 無料トライアル:-
「Confluence(コンフルエンス)」は情報の発信、整理、検索を容易にすることで、蓄積されたナレッジの活用と社員コラボレーションを促進する情報管理・共有ツールです。
MicrosoftのWordのような感覚で作成、情報発信ができます。情報は階層構造で管理できる上に、ラベル付けができるので情報分類も可能です。さらにウォッチ機能を利用すれば、気になる情報や必要な情報が更新された際に通知を受け取ることができます。
ファイルサーバーやメール、ローカルといった至る所に散在する情報を一元管理し、社員間で共有する体制を整えることで、新たなコラボレーションを生み出せるでしょう。
「Neuron Enterprise Search」
ブレインズテクノロジー株式会社
- 参考価格:月額費用90,000円~
- 提供形態:クラウド/オンプレミス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:情報検索
- 無料トライアル:あり
「Neuron Enterprise Search」はそれぞれの認証システムと連携しセキュリティを担保しながら、あちこちに保存された文書の横断検索を可能にする純国産の企業内検索エンジンです。
オフィスワーカーは業務時間の3割を情報収集に費やしていると言われていますが、「Neuron Enterprise Search」によってこの時間を短縮し本来の価値ある時間に変換するだけでなく、属人化しがちなナレッジの共有、資料の再利用率向上、コミュニケーションの活性化といった業務課題を解決することができます。
「AIコンタクトセンター」
株式会社Nextremer
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:-
AIチャットボット運用と有人対応業務の代行サービスを提供する「AIコンタクトセンター」では、AIチャットボットの構築・運用の豊富な経験をもつAIトレーナーが、24時間365日自動応答のAIチャットボットのシナリオを早期に確実に構築し、効率的に改善運用してくれます。
「店舗内のタブレットにマニュアルが用意されていたが、活用しきれていなかった」などの課題に対し、定型対応可能な問合せはチャットボットが24時間365日対応。チャットボットが答えられない定型外の質問は、AIトレーナーが電話や有人チャットで対応することで確実に回答することによって、マニュアル内容の定着化を図ると同時に問い合わせ担当部署の負担を軽減してくれます。
また、チャットボットが答えられなかった質問や、AIトレーナーの対応内容をチャットボットに順次フィードバックしてくれるので、問い合わせの効率化が実現できるでしょう。
「AI-Brid(アイブリッド)」
木村情報技術株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:情報検索
- 無料トライアル:-
「AI-Brid」は、2種類の検索機能を搭載したAIソリューションです。特性の異なる2つのエンジンを同時に活用することで、あらゆる質問内容に対して効率よく的確に回答します。
独自技術で何千~何万のデータからでも自動で分類・高精度の検索を実現。複数のツールから横断的かつ網羅的に検索できます。QAデータがなくても利用開始することが可能で、PDF・Word・Excel・Powerpoint・textをそのまま投入できるのも特徴です。
また、導入後の専任スタッフによるサポートメニューも充実。運用後も同社の担当者がシステム構築の作業代行などを支援し、各企業に最適な提案をしてくれます。
「welog」
株式会社トライバルメディアハウス
- 参考価格:初期費用無料、月額費用 1アカウント:300円~
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成
- 無料トライアル:あり
「welog」は、様々な業種・業界で1,000社以上が導入している情報共有ツールです。社内Wikiの構築やマニュアル、議事録、日報などを誰でも簡単に作成・共有できます。
「チャットだと大切な情報が流れてしまい探せない」「フォルダがゴチャゴチャで必要な情報がみつからない」といった悩みから、「テレワークで情報の共有が難しい」「社内の問い合わせ対応に追われて業務が進まない」などの課題まで解決してくれます。
本製品は豊富な機能を搭載しているのが特徴。Googleカレンダーからノートに簡単にアクセスできる「Googleカレンダー機能」や、メンバーで会議のアジェンダや議事録が書き込める「同時編集機能」、グループごとにアクセス権限が設定できる「アクセス管理機能」や、会議で決まったToDoをタスク化し進捗管理できる「タスク管理機能」など、業務効率改善に役立つ機能が多数用意されています。
「OKWAVE IBiSE」
株式会社オウケイウェイヴ
- 参考価格:Essentialプラン:月額1万円+1,500円(1ユーザー)、Standardプラン:月額3万円+4,000円(1ユーザー)、Professionalプラン:月額10万円+8,000円(1ユーザー)全て年払い、月払いは別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:あり
「OKWAVE IBiSE」は、コールセンター・カスタマーサポートなどのヘルプデスク業務を支援するタイプの、クラウド型ナレッジマネジメントツールです。もちろん社内の情報共有にも利用できます。
記事管理機能で問い合わせ内容を管理。社内ナレッジベースや顧客ら一般公開向けのFAQページを簡単に作成できます。問い合わせ対応の進捗管理にはチケット制を導入。複数チャネル(Web、メールなど)の問い合わせを一元管理するので、対応忘れを防止できます。
セキュリティ面でも、bot攻撃防ぐ「reCAPTCHA」やDDoS攻撃を防ぐ機能、24時間体制のサポートなどに対応。安心して利用できます。
「Teachme Biz」
株式会社スタディスト
- 参考価格:全プラン初期費用500,000円、スターター(編集ID10・閲覧ID50)月額50,000円、ベーシック(編集ID30・閲覧ID150)月額100,000円、エンタープライズ(編集ID100・閲覧ID500)月額300,000円、オプションは別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成
- 無料トライアル:あり
「Teachme Biz」は、マニュアル作成に便利な機能を多く備えたクラウド型のナレッジマネジメントツールです。マニュアルの作成機能・利用促進機能・改善機能など機能は豊富。分かりやすいマニュアルを簡単に作成し、改善していける仕組みとなっています。
マニュアル作成では、直感的に理解しやすいマニュアルが自然とできあがる機能が充実しています。動画から静止画や一部の動画として切り出して貼り付け、業務工程のステップを可視化できる機能などはその一例です。
スタータープランは運用管理を簡単にするマネジメント機能やトレーニングを設計する機能がありません。企業内で運用するなら、ベーシックプラン以上がおすすめです。
「Knowledge Explorer」
株式会社図研プリサイト
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:蓄積や活用に特化
- 無料トライアル:なし
「Knowledge Explorer」は、蓄積したナレッジを活用することに力点を置いたオンプレミス型ナレッジマネジメントツールです。
本製品の強みは、作業している文書の参考となる資料を自動で検索して通知する点。AIを活用し、使えば使うほどより使いやすくなります。蓄積されたナレッジは、様々な視点から分析され、重要語の分布グラフや共起ネットワーク表示で確認可能。分析結果から欲しい情報を探しやすく、業務の効率向上に貢献します。
社内のナレッジは蓄積されているが活用できていないという悩みがある場合には、検討してみたい製品です。
「flouu」
プライズ株式会社
- 参考価格:スタンダードプラン月額500円(1ユーザー・30日)、エンタープライズプランやオプションなどは別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS / オンプレミス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:蓄積や活用に特化
- 無料トライアル:あり
「flouu」は、ドキュメントをリアルタイムに作成・活用することで情報の一元管理と活用促進を目指すナレッジマネジメントツールです。
文書同時編集機能では、会議中に参加者全員でまとめの文書を効率良く作成できます。チャット機能は、1つの文書に対してリアルタイム会話ができる仕組みとなっているため、文書をベースにしたリアルタイムの議論を簡単に行えます。
ナレッジを活用するための機能も強力で、ドキュメントを活用するための検索機能は本文だけでなく添付ファイルの内容も検索可能です。
「アルファスコープ」
株式会社プラスアルファ・コンサルティング
- 参考価格:ユーザー向けナレッジ検索画面・月額100,000円、オペレーター向けナレッジ検索画面・月額80,000円、初期費用やオプションは別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS / ASP
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成、ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:なし
「アルファスコープ」は、社内で運用するナレッジベースとしても、ヘルプデスク支援としても利用できる、クラウド型のナレッジマネジメントツールです。社内ナレッジの活用で利用する場合はユーザー向けナレッジ検索画面、ヘルプデスク支援も必要な場合はオペレーター向けナレッジ検索画面を契約します。
主な機能は、オペレーター向けFAQ・ユーザー向けFAQ・トラブルシューティング・管理機能です。トラブルシューティング機能は、複数の質問に回答する形で進めていくと求めている答えにたどり着くという機能で、複雑な問い合わせに自動で対応できます。
管理機能では、社内FAQ作成に必要な機能と社内承認機能を完備。スムーズなFAQ運用ができる仕組みです。
「Qast」
any株式会社
- 参考価格:初期費用無料、フリープラン(10人まで)月額0円、スタンダードプラン(20人以上)月額720円 年間契約の場合月額換算600円、エンタープライズプラン(20人以上)月額1,080円 年間契約の場合月額換算900円(いずれも月額は1ユーザー単位)
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成
- 無料トライアル:あり(10名まで)
「Qast」は、ナレッジの種類別に蓄積できる点が特徴的なクラウド型のナレッジマネジメントツールです。社内で多い質問はQ&Aに情報をアップ、個人のノウハウなどのナレッジはメモで投稿。ナレッジの種類によって確認する場所が決まっているので、活用しやすい点がポイントです。
また、投稿者には、投稿数や反応数によってスコアを付与。ナレッジの蓄積に貢献している人が誰なのか可視化されるため、情報共有に対するモチベーションが上がり、ナレッジの共有化促進に繋がります。
「Freshdesk」
OrangeOne株式会社
- 参考価格:スプラウト月額0円、ブラッサム年額20,400円、ガーデン年額46,800円、エステート年額64,800円、フォーレスト年額132,000円、全て1ユーザーあたりの金額、月額料金やその他オプションなどは別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:あり
シンプルで使いやすいヘルプデスク支援・問い合わせ管理ツール「Freshdesk」。クラウド型のシステムで、5種類のプラン×ユーザー数で料金が決まる、分かりやすい料金体系の製品です。
問い合わせのチケット管理や社内の情報連携に必要な機能を提供。クライアント向けのナレッジベースやフォーラムなども作成でき、クライアント自身が自己解決できるよう導く機能も搭載しています。
ナレッジベースの作成だけなら無料のスプラウトでも可能です。サポートチャネルを一元化するオムニチャンネルや、チケットの自動割り当て機能などの便利機能は、有料プランでの提供となります。本製品を選ぶ際は、どのレベルまでの機能を必要としているかを検討した上でプラン選びをしましょう。
「hitTO」
株式会社ジェナ
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:なし(※製品デモあり)
「hitTO」は、IBMのAI「Watson」と独自開発の「hitTO AI」を搭載したAIチャットボットです。AIの学習データをメンテナンスする管理機能でナレッジベースを育てつつ、より最適な回答を自動的に導き出してチャットで答える、という仕組みです。
ユーザーの操作する画面は、一問一答形式・シナリオ(選択肢)形式・質問候補のサジェストなどを用意。ビジネスコラボレーションツール(SlackやMicrosoft Teams、Chatworkなど)とも連携しているため、社内の環境に合わせて便利に使える仕組みを整えています。
クライアントの問い合わせや採用活動の一環など、AIチャットボットをメインとしたナレッジマネジメントツールをお探しの場合に検討したい製品です。
「QuickSolution」
住友電工情報システム株式会社
- 参考価格:1,500,000円~、詳細は別途問い合わせ
- 提供形態:パッケージソフト
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:情報検索
- 無料トライアル:なし(※オンライン体験デモサイトあり)
「QuickSolution」はパッケージソフトとして提供される全文検索・情報活用システムです。社内に蓄積されている膨大な文書を超高速で全文検索し、欲しい情報をすぐに見つけられます。社内の埋もれた文書を素早く検索することでナレッジベース化したいという場合に最適な製品です。
検索キーワードに詳しい人・部署を探せるKnow-Who機能や、文書同士の関連をモデル化する可視化機能(オプション)など、独自の分析機能もあります。また、オプションでアクセス権限管理&セキュリティ機能もあるため、社内環境に合わせて導入を検討しましょう。
「kintone」
サイボウズ株式会社
- 参考価格:ライトコース年額9,170円、スタンダードコース年額17,640円(いずれも1ユーザー、最低契約数5ユーザーより)、オプションなどは別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成、ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:あり
「kintone」は、クラウド型の情報共通サービスで、必要なアプリをノンプログラミングで作成できる点が大きな特徴です。作成できるアプリの中には社内FAQやファイル管理アプリ、問い合わせ管理もあり、ナレッジマネジメントツールとしても活用できます。
ファイル管理アプリでは添付ファイルの全文検索にも対応。ファイルを開いて情報を探す手間がなく、社内文書のナレッジベース化も可能です。問い合わせ管理では、問い合わせを一元管理することで対応漏れを防止するなど、ヘルプデスク業務の支援に使えます。
「Check-in(チェックイン)」
西菱電機株式会社
- 参考価格:ライトプラン月額500円~エンタープライズプラン月額6,000円まで5プラン(トライアルプラン0円あり)
- 提供形態:サービス / クラウド
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:蓄積や活用に特化
- 無料トライアル:あり
「Check-in」は、クラウド型のナレッジマネジメントツールで、特に情報の蓄積と活用に特化した製品です。本製品は、出先からの業務報告や社内文書のナレッジベース化などに向いています。
管理者が情報投稿のためのフォームを登録し、情報登録者はマルチデバイスでそのフォームにアクセスして情報を登録します。
登録できる情報は、テキストだけではなく、数値情報や写真・位置情報・手書きサイン入力・バーコードの読み取りなどに対応。登録した情報は一元管理され、検索機能で簡単に発見できる仕組みです。
「SAVVY/EWAP」
ジップインフォブリッジ株式会社
- 参考価格:2,000,000円~
- 提供形態:パッケージソフト
- 対象従業員規模:50名以上
- タイプ:情報検索
- 無料トライアル:なし
全文検索と多観点ツリー機能で社内の蓄積文書をナレッジベース化する「SAVVY/EWAP」。社内に蓄積されたままなかなか活用できない情報を、検索機能によって活用可能にすることに特化した製品です。
フォルダによる文書分類だけでなく、複数の観点を切り替えて情報へたどり着く手段として多観点ツリー機能も用意。文書を探し出すための手がかりをできる限り活用して、少しでも早く情報にたどり着けるよう工夫された機能です。
社内に膨大な文書ファイルがあるのに活用しきれていないというケースには、検討対象の1つとなり得る製品と言えます。
「i-ask」
株式会社スカラコミュニケーションズ
- 参考価格:別途お問い合わせ
- 提供形態:オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP / アプライアンス
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成
- 無料トライアル:なし
「i-ask」は、FAQの作成と活用に力点を置いたナレッジマネジメントツールです。作成したFAQは社内だけでなく社外にも公開でき、マルチデバイスでアクセスできます。
FAQは専用画面に入力するだけで作成できるためHTMLの知識は不要。FAQの統計・分析があり、アクセス数や評価数が確認できるため、FAQのブラッシュアップもできる仕組みです。オペレーター向けのFAQも作成できるため、ヘルプデスク業務にも活用できます。
手軽にFAQを作成したいという場合には、ぜひ検討してみてください。
「Liferay DXP」
日本ライフレイ株式会社
- 参考価格:別途問い合わせ
- 提供形態:その他 / オンプレミス / クラウド
- 対象従業員規模:500名以上
- タイプ:蓄積や活用に特化、ヘルプデスク支援
- 無料トライアル:なし
「Liferay DXP」は、大規模企業向けの総合ポータルプラットフォーム製品です。他の基幹系システムと連携して全社で情報を一元管理できるため、社内情報の蓄積や活用によるナレッジベース化ツールとしても利用できます。
カスタマーポータルソリューションを導入すると、会員向けポータル・サポートポータル・ヘルプセンターといったサイトとして運用可能に。ヘルプデスク支援機能を追加できます。
顧客ごとに違うポータルを表示するパーソナライゼーション機能、顧客が自ら疑問を解決できるセルフサービス機能も搭載。社内の情報活用だけでなく、カスタマーサービスの改善にもナレッジマネジメントツールを活用したい場合に適した製品です。
「NotePM」
株式会社プロジェクト・モード
- 参考価格:初期費用0円、スタータープラン1ユーザーあたり・月額1,000円(税込)~他のプランなどその他費用は別途問い合わせ
- 提供形態:クラウド / SaaS
- 対象従業員規模:全ての規模に対応
- タイプ:FAQ・社内Wiki作成
- 無料トライアル:あり
「NotePM」は、簡単に社内Wikiを作成・管理できるクラウドサービスです。Wikiの作成はWeb画面で簡単。変更履歴は自動管理で、変更の過程を視覚的に分かりやすく確認できるため、どのような修正が入ってきたかをすぐに確認できます。もちろん検索機能もあり、すぐに欲しい情報を見けられます。
必要に応じたアクセス制御がかけられるので、社内だけでなく社外のメンバーとも情報共有できる点も魅力です。本製品は、マニュアルや業務報告、ノウハウ情報など、様々な蓄積情報をWiki化して活用するのに向いています。
ナレッジマネジメントツール比較表
製品名 | 提供形態 | タイプ | 無料トライアル |
---|---|---|---|
Confluence(コンフルエンス) | クラウド/オンプレミス | 蓄積や活用に特化 | – |
Neuron Enterprise Search | クラウド/オンプレミス | 情報検索 | – |
AIコンタクトセンター | クラウド | ヘルプデスク支援 | – |
AI-Brid | クラウド | 情報検索 | – |
welog | クラウド | FAQ・社内Wiki作成 | あり |
OKWAVE IBiSE | クラウド | ヘルプデスク支援 | あり |
Teachme Biz | クラウド / SaaS | FAQ・社内Wiki作成 | あり |
Knowledge Explorer | オンプレミス | 蓄積や活用に特化 | – |
flouu | クラウド / SaaS / オンプレミス | 蓄積や活用に特化 | あり |
アルファスコープ | クラウド / SaaS / ASP | FAQ・社内Wiki作成、ヘルプデスク支援 | – |
Qast | クラウド / SaaS | FAQ・社内Wiki作成 | あり |
Freshdesk | クラウド / SaaS | ヘルプデスク支援 | あり |
HiTTO | クラウド / SaaS | ヘルプデスク支援 | – |
QuickSolution | パッケージソフト | 情報検索 | – |
kintone | クラウド | FAQ・社内Wiki作成、ヘルプデスク支援 | あり |
Check-in(チェックイン) | サービス / クラウド | 蓄積や活用に特化 | あり |
SAVVY/EWAP | パッケージソフト | 情報検索 | – |
i-ask | オンプレミス / クラウド / SaaS / ASP / アプライアンス | FAQ・社内Wiki作成 | – |
AI-Brid | クラウド | 情報検索 | – |
Liferay DXP | その他 / オンプレミス / クラウド | 蓄積や活用に特化、ヘルプデスク支援 | – |
NotePM | クラウド / SaaS | FAQ・社内Wiki作成 | あり |
無料でナレッジマネジメントツールを使うには?
ナレッジマネジメントツールを導入したいものの、いきなり有料版を導入するのは不安、と考える担当者の方もいるのではないでしょうか。そこで、ここでは無料で使う方法をご紹介します。
1、有料製品の無料版を使う
1つ目は、無料トライアルなど「有料製品の無料版」を使う方法です。ナレッジマネジメントツールの中には、有料版と無料版を提供しているものがあります。無料版を使えば、費用をかけずにナレッジマネジメントツールを導入できます。
ただし、無料版は利用可能な人数や機能に制限があるため、有料版ほどの利便性はありません。また、無料トライアルだと、1ヶ月間限定といった期限が設けられていることも多くあります。トライアル期間満了時に、以降の利用を止めるか、有料版に移行するかを選択しなければいけません。期間限定の無料トライアルは、ずっと無料のまま利用できるわけではないことに注意してください。
2、オープンソースソフトウェアを利用する
オープンソースソフトウェアを利用すれば、コストを抑えて自社向けのナレッジマネジメントツールを開発できます。一からソフトウェアを開発する必要がないので、比較的簡単に導入できます。ただし、ITの専門知識を持つ人材がいない場合は、開発自体が難しいでしょう。
以上2つの方法で、無料でナレッジマネジメントツールを利用できます。無料で使う場合は機能面の制限に加え、ITの専門知識を求められるといった導入ハードルの高さにも注意が必要です。スムーズに社内の情報を蓄積・共有したい場合は、専用の有料製品の導入を検討してみてください。
ナレッジマネジメントツール導入時の注意点
ナレッジマネジメントを導入するとき、3つの注意点があります。事前に把握しておけば、導入後の混乱やトラブルを回避できるでしょう。
1、最初は部分的に導入する
ナレッジマネジメントツールは、最初のうちは特定の部署・部門のみで利用するのがおすすめです。社内のあらゆる情報の蓄積・共有が可能なツールとはいえ、いきなり全てのデータを落とし込もうとすると膨大な作業が発生します。
また、扱いに慣れていない状態で全社レベルで導入すると、混乱を招くかもしれません。部分的に導入した部門・部署にツールが馴染んでから、利用範囲を拡大していきましょう。
2、情報共有する意識を育てる
ナレッジマネジメントツールを活用するためには、社員の積極的な情報共有が重要です。ナレッジマネジメントは、営業成績や月間売上げのような、目に見える指標がありません。そのため、社員の情報共有意識が育たない可能性があります。そうした事態を防ぐために、ツールを利用する目的や具体的なメリットを伝えましょう。
一部の社員にばかり共有作業を任せると負担が大きくなり、不公平感からモチベーションが低下し、業務効率も悪くなります。負担が偏らないよう、社員全体の業務フローに組み込むことが大切です。
3、セキュリティ対策の徹底
ナレッジマネジメントツールを安全に使うために、セキュリティ対策を徹底しましょう。ツールに蓄積されるデータやノウハウは、会社の競争力を高める大切な情報です。検索機能を用いれば簡単に全情報を閲覧できるので、ずさんな管理状態では情報漏えいの危険が非常に高くなります。
セキュリティ機能があるツールを使用するのはもちろん、ツールの適切な扱い方や秘密保持の重要性などを社員教育に組み込む必要があります。
ナレッジマネジメントツールは導入目的を明確にして選ぼう
ナレッジマネジメントツールは、製品によってできることが大きく異なります。何の目的で導入したいのかを明確にした上で候補の製品を絞り込みましょう。製品選定を行う際は、以下より製品の資料を入手してご活用ください。