企業のセキュリティ強化にUTMが必要と言われていますが、レンタルUTM設置を検討中の方も多いのではないでしょうか。この記事ではレンタルUTMのメリットと相場、おすすめの製品を紹介します。レンタルUTM設置を検討中の方はぜひ読んでみてください。
UTMとは?
UTMとは、外部の脅威に対する社内ネットワークのセキュリティ強化を目的とした製品及びサービスです。UTM(Unified Threat Management 統合脅威管理)を利用すると、外部からの攻撃や不正なアクセスを防御できます。社内に対しては、有害サイトへのアクセスや情報漏洩対策に有効です。UTMを設置するとPCごとの対策が不要になり、効率的なセキュリティ対策が可能です。
UTMが必要な理由
UTMが必要な理由は、企業が昼夜を問わず実行されているサイバー攻撃を防御しなければならないからです。企業は常に脆弱性を狙われています。中小企業も同様で、独自に技術を有する企業は攻撃リスクも高まります。内部からの情報漏洩にも対策が求められます。どのような経緯であれ情報漏洩が起これば企業の信用は失墜し、最悪の場合倒産のリスクもあります。
UTMはレンタルできる?
UTMは購入する以外に、レンタル利用が可能です。レンタルUTMはレンタルサーバーのように権利を購入するのではなく、製品を借りる形式です。購入でもレンタルでもライセンス費用が必要になります。セキュリティ対策ソフトは1年から3年、UTMのライセンス契約は1年単位が一般的です。契約によって、レンタル料に含まれている場合もありますが、その場合別途サポート料金が必要になる場合もあります。
レンタルにかかる価格の相場
UTMレンタルの相場は、小規模オフィスは月額5千~7千円、中規模は8千~1万円、大規模は3万~4万円です。UTM性能は接続PC台数に合わせます。小規模は10~30台、中規模は30~50台、大規模は50~100台が目安です。レンタル契約は60カ月で算出され、初期費用が別途必要な契約もあります。レンタル料が高額な場合は、ライセンス料または保守料が含まれていることに注意が必要です。
UTMのレンタルと購入の違いとは?
UTMレンタルと購入の違いは初期費用の負担額です。レンタルは初期費用の負担が少なく、無料の契約もあります。毎月定額を負担するので、会計処理が簡単です。予算を立てやすい利点もあります。購入の場合は、購入当初多くの費用が必要です。金額によっては一括で経費計上できず償却資産になるので、固定資産税が発生します。手数料の負担がないので、レンタル契約に比べて合計支払額は少なくできます。
リースとの違い
UTMリースはリース会社が購入して貸し出す方式で、レンタルとの違いは中途解約ができないことです。リースの所有権はリース会社が保有します。UTMが故障した場合、修理費用は契約者の負担です。使用しなくなっても契約終了までリース料金を払います。レンタルはUTMを借りる契約なので、修理費用は貸し出す企業の負担です。契約途中でも解約でき、機器を返還すれば契約を終了できます。
UTMをレンタルするメリット
UTMをレンタルするメリットは、初期費用を抑えて購入前に機能を試せることです。レンタル契約によっては、初月無料の契約もあります。UTM導入の初期費用の負担が軽く、気軽に設置できる点がメリットです。機能の検証感覚で始められ、レンタル会社のサポートも万全なので初めてのUTM導入でも不安なく始められます。ライセンス契約は1年単位が多く、まず1年を目安に導入できます。
機能を試せる
レンタルはUTMを本格的に導入する前に機能を試せ、ネットワーク環境の変化を実感できます。UTMを設置するとネットワークの通信速度が遅くなることもあります。事前に知っていても体感すると、社員で共有できます。社内で使用するPC台数とUTMが適合しているのかも確認できます。購入してから製品の交換はできないので、初めてUTMを導入する場合は無料体験よりもレンタルの方がおすすめです。
初期にかかる費用を削減する
レンタルUTMなら初期にかかる費用を削減できるので、中小企業でも気軽に設置できます。中小企業は取引先からセキュリティ強化を求められることもあります。突然の費用負担は経営を圧迫しますが、レンタルなら初期費用を低額または無料に抑えることもできます。修理費用の心配もないので毎月の支払額を決まった金額で予算化でき、いつでも新製品に借り換えることも可能です。
UTMを設置するメリット
UTMを設置するメリットは、専門知識がなくてもセキュリティ強化ができることです。UTMは外部と社内ネットワークを接続する部分に設置してセキュリティ対策を行います。ネットワークに接続するだけなので、特別な工事の必要もありません。社員は今まで通り作業できます。アップデートはUTMだけに行い、ネットワークに接続している機器は自動で対策が施され、個々の作業は不要です。
セキュリティ面
UTMの設置により、多様化するサイバー攻撃に対するセキュリティ強化ができます。従来のセキュリティソフトを利用した対策では、限界があります。攻撃が多様化しているので、頻繁なアップデートも必要です。社員それぞれのPCにインストールする方法では、手遅れになる可能性があります。UTMを設置すると、ネットワーク全体を保護の対象にできます。社内のセキュリティ意識向上にも効果を発揮します。
設置がしやすい
UTMは特別な専門知識が必要ないので、設置がしやすい点もメリットです。UTMを設置する際、インストールアプリを利用します。設定や構成をウィザードに従えば、数分で完了できます。初期設定は設置の際のサービスとして提供されることも多く、利用する社内にIT担当者がいなくても大丈夫です。簡単な操作で導入可能で、担当者なしでもハイレベルのセキュリティ強化をすぐに実行できます。
おすすめのUTM4選
UTMは使用する規模によって導入する製品は異なりますが、それぞれの特徴を把握して自社に必要な機能とサポートを確認します。社内でネットワークに接続するPC台数が導入規模を判断する目安です。会社の業務内容や提携企業から求められるセキュリティレベルも選定基準として重要です。費用はもちろんですがサポート体制も提供企業によって異なるので、押さえておきましょう。
UTM1:「Firebox T35/T55」ウォッチガード・テクノロジー・ジャパン株式会社
Firebox T35/T55は中小企業向けのUTMで、専門知識不要で無線LAN内臓モデルもあります。UTMを設置する際、インターネットに接続すると自動的に構成設定をダウンロードします。運用中にネットワーク構成を変更する場合にも役立つ機能です。無線LAN内臓モデルを利用すると、来客や社員のモバイル機器も保護できます。いかなる脅威に対してもスキのないセキュアな対応が可能です。
UTM2:「Untangle」ウェアポータル株式会社
Untangleは複数の拠点を有する企業で細かな管理設定ができるUTMです。VPNは複数の方式に対応し、通信の暗号化にも利用できます。拠点や出先の社員がアクセスする場合の可視化の他、来客のWi-Fiも管理できます。拠点ごとにネットワークユーザーやグループ、端末の他、利用時間の制限もできます。データやWebサイトへのアクセスユーザーやアプリケーションの使用も管理対象の範囲です。
UTM3:「ビジネスセキュリティ」株式会社USEN ICT Solutions
ビジネスセキュリティはUTMのレンタルと運用・保守をセットにしたサービスです。VSR(ビジネスセキュリティ専用機器)を社内に設置して、運用や監視、保守サービスは提供元が行います。USENの光ファイバサービスと併用するとサーバー負荷を自動分散するロードバランサ機能や、障害発生による通信停止回避のための予備回線や予備機への切り替えも可能です。
UTM4:「SmartConnect Network & Security」NTTスマートコネクト株式会社
SmartConnect Network & SecurityはUTMとWAF、DDoSから必要な機能を選んで利用できるサービスです。クラウド型のUTMを利用するので、社内の機器は増えません。ロードバランサやVPNもセットにできるので、ネットワーク環境の再構築が可能です。オフィスネットワークと公開中のWebサイトも保護対象になるので、外部から攻撃されるポイントを全てカバーできます。
UTMのレンタルを検討しよう
レンタルUTMは保守サービスがセットのタイプもあるので、自社に必要な機能を確認してからの見積依頼がおすすめです。購入は初期費用の負担が大きく、リース契約は途中解約ができません。レンタルは毎月一定額の支払いで、契約の変更も可能です。UTMによるセキュリティ強化の必要性は理解していても導入に迷う場合は、レンタルで試すと機能や環境変化を実感できます。