Web会議メーカーの市場動向は?上位を占めるブイキューブの取り組み3つ

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今や世界規模になったWeb会議市場で活躍する5社を例に、働き方改革からテレワークの拡大へと向かう現状を紹介します。またコロナ禍という厳しい環境下での、Web会議関連技術のイノベーティブな側面を市場展開とともに触れていきたいと思います。

Web会議の市場予測は?

新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的流行は世界経済の先行きを不安なものにしています。商業活動自体が自粛へと追われる中で、テレワークの比重が増してきました。

このような状況の中で、システムの簡便さや、コストパフォーマンスの高さで急速に成長拡大しているのがWeb会議です。

Web会議は144億円の市場規模(2018年)となっており、今後も大きな成長が右肩上がりと見込まれ、市場予測は150~300億円となっています。

コロナ禍による不安もありながら、Web会議は今後も需要が増えると思われ、市場規模は2022年には2倍になると見られています。

冷戦終結後、民生用に開放されたインターネットは瞬く間に世界を席巻し、2000年にはいってインターネットは一般に広がりました。そして、SNSが加わりより一層の市場拡大をもたらしています。

こういったWeb関連市場の裾野の広がりを基礎に、Web会議市場も成長していくと予想されます。

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世界のWeb会議の市場規模

巣ごもり状態でのビジネス遂行が、Web会議の推進力になっているのは世界的に見ても明らかになっており、Web会議の世界的な市場規模は2018年には約1兆円を超えています。

Web会議は初期費用がほとんどかからず、インターネット環境があれば場所を選びません。そのため、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

但し、セキュリティにおいてはサービス事業者によって差が出てくるので、事業者の選定はしっかりと行ったほうが良いというのが一般的な見方です。

Web会議は、世界的な市場動向から見て国内市場においても、この世界市場規模に見合う成長が期待されています。

販売市場上位のWeb会議メーカー5選

巨大な市場規模に成長しつつあるWeb会議の世界市場シェアは、シスコシステムズが約半分を占めており、2011年創業のZOOMは急速に業績を伸ばしている新興企業です。

国内では、ブイキューブが国内上位となっている、今注目のビジュアルコミュニケーションサービスプロバイダーです。

他にも、1984年創業のジャパンメディアシステム株式会社や沖電気工業などがあります。ここでは、以上5社について各社概要をご紹介していきます。

Web会議メーカー1:ブイキューブ

ブイキューブは、1998年に有限会社として設立。2002年に「V-cube provides Visual Communication Vehicle.」から来た三つのVという意味が込められた社名に変更しています。

彼らが目指すのは、「シームレスなコミュニケーション社会の実現」(ブイキューブ経営理念)としています。継ぎ目なくスムーズに会話・情報交換できる社会の実現ということです。

そのため、低コスト・高品質を目指した商品で、13年連続でシェアを伸ばしている企業です。

Web会議メーカー2:シスコシステムズ

シスコシステムズは、ネットワーク機器の世界市場における大手の企業です。IPスイッチやルーターなどを手掛け、大きなシェアを獲得しています。

企業としての特徴は、1984年の創業から11年後の1994年に、CEOが変わり、積極的に企業買収を行なったことです。

買収した企業は150社を超え、買収成功率の高さはIT業界において認知されているほどです。また、買収によって得られた人材と技術は、シスコシステムズの製品ラインアップ拡大に貢献しました。

Web会議メーカー3:Zoom

Zoomは、元シスコシステムズの社員であったエリック・S・ユアンが創業者です。Zoomは利用時間40分までを無料として展開し、瞬く間に世界中に利用者が広がりました。

いわゆるクラウドサービスとしてWeb会議を立ち上げることにより、利用者にとっては技術的な困難性を排することができ、コストを低く抑えることにつながります。

また、PCだけでなく、スマホによるWeb会議も可能なため、商用利用だけでなく一般個人・グループの利用率も高くなっています。これらの利便性は、まさに場所や時間を選ばないWeb会議を可能にしていると言えるでしょう。

Web会議メーカー4:沖電気工業

沖電気工業は、創業139年のIT業界の老舗です。総合IT企業として歴史を作ってきました。

メカトロ技術製品を中心に、開発製造してきた沖電気工業は、2007年にテレビ会議システムの販売を開始しました。TCBテクノロジーズが持っていたビデオ会議システム事業を譲渡契約に基づいて譲り受けたものです。

Web会議のような簡便さよりも、システムとしての完成度を追求したものと言え、昨今の手軽で安価な製品群とは対照的な位置を占めています。

Web会議メーカー5:ジャパンメディアシステム

ジャパンメディアシステムは、2019年から2020年にかけて急速に業績を伸ばしているWeb会議システムの企業です。

PCとインターネット環境があれば誰でも利用できるソフトウェア方式のWeb会議システムです。多くのWeb会議関連企業と同様に、2017年からの政府主導によるテレワーク推進政策が前進的な背景であるとともに、コロナ禍防止の目的に合致しています。

販売市場で上位を占めるブイキューブとは?

株式会社ブイキューブは創業以来右肩上がりで業績を伸ばしており、市場シェアも13年連続で増えています。そのような快進撃を続ける株式会社ブイキューブとは、どのような企業なのでしょうか。

ここでは、ブイキューブについてご紹介していきます。

ブイキューブのWeb会議市場に向けた取り組み3つ

1:快適な遠隔コミュニケーションを行っている

音声によるコミュニケーションを行う場合、その声が相手に伝わることを基本とし、騒音下での会話は困難です。同じく、Web会議も会話者の音声が背後の生活音などに埋もれてしまえば、会議は成立しません。

そのためブイキューブは雑音を排除し、音声のみを届けるノイズキャンセリングアプリ「krisp」を販売しています。これにより、快適な遠隔コミュニケーション―Web会議が可能となります。

2:個室型スマートワークブースの設置の拡大

会議室は、いつも空いているとは限らず、どこにでもあるわけではありません。そのような「必要」に応えようとしたのがテレキューブです。ブイキューブは、一人または数名の個室をワークブースとして設定し作られました。

南紀白浜空港・阪急阪神グループの4施設・羽田イノベーションシティ・東武鉄道北千住駅等々に設置されています。

3:24時間365日のサポート体制

ブイキューブのWeb会議システム『nice to meet you』のコンセプトは「いつでも、どこでも、だれでも」です。ブイキューブはそのコンセプトをサポート体制にも適用しました。

「24時間365日のサポート体制」を実行しており、国内はもとより海外でもブイキューブのWeb会議システムを快適に利用することができます。

Web会議市場の今後の展開3つ

これまで、主要なWeb会議システム販売会社5社を見てきました。2020年初頭より新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が、世界を席巻してきました。第二波、第三波の恐れも予想される中、今後Web会議市場はどのように展開していくのでしょうか。

いくつかのキーワードを念頭に考えていきます。そのキーワード、1つめはスマートグラスとドローン、2つめは働き方改革とテレワーク、3つめは5Gの本格的普及です。

以上3つのキーワードから今後の展開を見ていきます。

Web会議市場の今後の展開1:リアルタイムな指示や操作を行う分野が見込まれる

まず、Web会議の参加者は、当然互いに遠隔地にいることが多いでしょう。情報のやり取りはWeb上で行うことになります。しかし、映像は通常固定されたままです。

これをフリーにするのがスマートグラスとドローンです。会議という言わば閉鎖的な空間を一気に開放することができ、利用者はフリーハンドを手に入れることができます。

このことにより、Web会議は様々な実践的な現場を想定することが可能となり、例えば現場作業と会議室を結んで、作業実態を確認しながらの相談・指示・操作をリアルタイムで実行可能になります。

今までSFやアニメでしか見たことがない風景が、実現することになり、今後市場規模は拡大すると言われています。

Web会議市場の今後の展開2:働き方改革やテレワークの更なる普及が進んでいく

Web会議市場は、上記のような技術的な側面での規模拡大もさることながら、1980年代から続いてきたテレワークの試行錯誤が、今後一気に具体的な展開を見せることになるでしょう。

その根拠には、少子高齢化による労働力人口の減少などがあり、あるいはまたワークライフバランスの健全化という問題も、Web会議を1つの答えとして各企業がコンセプトに据えていることからも分かります。

これまでテレワークは、ホワイトカラーのデスクワークにおいて考えられていた傾向があります。

オフィスワークのテレワーク化は2007年4月に、生産性向上を最重要課題とする松下電器産業(当時:現パナソニック)が、すべてのホワイトカラー従業員(3万人)を対象に在宅勤務制度を導入した例もあります。(引用:総務省報告書)

ただ技術的な問題は、今後ますます解決されていくと見込まれるので、現場でのテレワークも実現の可能性があると予測されています。

Web会議市場の今後の展開3:5Gの本格的な普及が進んでいく

4Gから5Gへと今年2020年に大きく転換し、スマホではすでに5Gのサービスが始まっている携帯会社もあります。

5Gは4Gに比べて通信速度が20倍になり、情報伝達の遅れが10分の1になり、また一度に接続できる数が10倍になります。

このことで、いわゆる遠隔通信は同時点により近い、よりリアルな時間共有ができるようになります。

これはテレワークにとって極めて重要な要素になってきます。特にリアルタイムが必要な現場作業とオフィスからの指示が同時進行するような場面などが、具体的な例として考えられます。

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今後のWeb会議市場を見据えよう

以上見てきたように、Web会議市場はこのまま推移すれば順風満帆のように見えます。しかし、コロナ禍はいつ収束するのか、その気配はまだ見えません。また、国内のデフレ基調は未だ脱しきれたとは言えません。

そうであれば、技術的な発展は続くでしょうが、市場規模の手堅い拡張は慎重に見ていかなければならないでしょう。ただ、IMFによる世界経済見通しはかなり悲観的であり、このことに鑑みれば、Web会議市場だけが影響を受けないという訳にはいかないでしょう。

しかし、働き方の変革が進行していく中で、テレワークの必要性がますます大きくなり、Web会議関連の技術的進展が更に求められていくことは間違いありません。そういう観点でWeb会議市場の規模の展開と広がりを見据えていく必要があるでしょう。

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