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6 日本No.1ヘッドハンターが教える、強いキャリアのつくり方

主体的なキャリア形成に欠かせない「転職活動の基礎スキル」

Updated FEB. 25, 2025 10:15
Text : 渡辺秀和
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戦略コンサルタント、投資銀行・ファンド、外資系エグゼクティブ、起業家など1000人を超えるビジネスリーダーのキャリアチェンジを支援してきた渡辺秀和氏(株式会社コンコードエグゼクティブグループ 代表取締役社長CEO)が、キャリアアップを目指すビジネスパーソンの疑問・お悩みに答えます。

今回のお悩みは「転職を考えているのですが、どのようなことに気をつけるとよいでしょうか」です。

Q. 転職を考えているのですが、どのようなことに気をつけるとよいでしょうか
A. 情報収集の仕方や応募ルートの選び方といった「転職活動の基礎スキル」をまずは押さえましょう

「スカウトメールを待つだけ」の転職活動は、本当に合理的か?

コロナ禍以降、登録するだけでヘッドハンターからスカウトメールが届く「スカウト型転職サイト」が急増し、転職活動が一気に身近となりました。今や「サイトに登録する=転職活動」という認識を持つ人も少なくありません。

しかし、主体的な「キャリア形成」という観点から見て、それは本当に理にかなった方法と言えるのでしょうか?

転職活動には、情報収集の仕方や面接対策、応募ルートの選び方など、知っておくべき基礎スキルが存在します。これらを知らずに転職活動を進めると、どんなに素晴らしい経験や能力があったとしても、苦労することになりかねません。

今回は、主体的なキャリア形成に向けて、知らないと損する「転職活動の基礎スキル」をご紹介します。

1.スカウトメールは“参考情報”に過ぎないと知る

スカウト型転職サイトでは、ヘッドハンターは登録者の入力情報をもとに、「この経歴の人ならこのポジションに合う(内定を獲得しやすい)」と判断して、スカウトメールを送っています。当然ながら、登録者の志向や将来のキャリアビジョンを深く掘り下げた上で、求人案件を送ってきているわけではありません。

そのため、スカウトメールで来た求人が、自分の意向や価値観とは合致しないことも珍しくありません。あくまでも、現時点での自分の経歴で「受かりやすい求人がどこか」がわかるだけの参考情報に過ぎないのです。

自分がやりたい仕事に関するオファーが届かなかったからと言って、そのキャリアを諦める必要はありません。キャリア設計や後述する選考対策次第では、スカウトメールでは出会えない魅力的なポジションに挑戦できる可能性があるのです。

2.選考対策(書類作成・面接準備)を徹底する

実際の採用選考は、過去の経歴・実績だけで評価されるわけではありません。同じ経歴であっても、書類の書き方や面接の対応次第で、結果が大きく違ってくる可能性があります。

採用企業側は「この人が入社したら、具体的にどんな力を発揮してくれそうか」をイメージしながら、求める人物像と合致するかどうかを見極めていきます。

「職務経歴書には、成果を数字で記述せよ」と書いてある転職本もよく見かけますが、注意が必要です。例えば、IT企業の企画職へ応募するのに、「現在勤める保険会社での営業成績がXX億円です」とアピールしても、魅力的な人材とは評価されないでしょう。一方、創意工夫して営業成績を上げてきたことを伝えれば、問題解決能力が高く、企画職に適任であると評価される可能性が高まります。自分の強みをただ伝えるのでなく、相手のニーズに沿った文脈で、わかりやすく記述することが大切なのです。

面接でも、入念な準備が必要となります。考えてみれば当然なのですが、面接官が「ぜひこの人を採用したい」と思えるような内容で、自分の経歴や志望理由を話すことは容易ではありません。どのスキルを強調し、どのエピソードを披露すべきかといった事前準備なしに、上手に話すことは困難でしょう。

営業職が行うロールプレイング研修と同様に、面接も、適切に準備をすれば上達します。あまり話すのが得意でないという方でも、数日の練習で変化が起こるはずです。転職活動の成否は人生に大きく影響するので、しっかり準備をしてから面接に臨んでください。

3.内定につながるルートで応募する

あまり知られていないことですが、どのルートで応募するかによって、合否の結果が変わってしまうことも珍しくありません。

転職活動では、エージェント経由で企業に応募するのが一般的になりました。日程調整はもちろんのこと、年俸交渉も本人に代わって行ってくれるので、転職活動をとてもスムーズに進められます。

ただし、エージェントによって、強い業界が異なるという点には注意をしなくてはいけません。

志望する業界に精通したエージェントであれば、的確な選考対策を講じてくれます。さらに、応募先企業の経営陣との太いパイプを持つエージェントであれば、非公開求人などの特別な求人案件を持っていたり、経営陣に直接かけあうことで面接の機会を設けてくれることもあります。また、採用企業のニーズを理解した上で候補者の強みを上手にアピールしてくれるため、内定につながる可能性が高まります。社内のリアルな状況を共有してもらえることもあるでしょう。

一方で、志望業界への転職に強くないエージェントの場合、十分な選考対策が期待できない上、応募先企業の経営陣と直接やりとりできる関係にないため、有効な応募ルートとは言えません。

このように、どのエージェント経由で応募するかによって、合格率がまったく異なってくるのです。

なお、スカウト型転職サイトを通じてスカウトメールを送ってきたエージェントが、必ずしも志望業界に強いとは限らない点にも、ご注意いただきたいと思います。

4.転職市場の動向を把握する

転職活動は、「市況の良い時に動き、悪い時には動かないこと」が鉄則です。

転職市場は業界の景気に左右されやすく、転職の難易度も時期によって変化します。「今の会社でもう3年頑張ってから○○業界へ転職しよう」などと、ご自身のタイミングだけで転職時期を決めたとしても、良い結果につながるとは限りません。

転職市場の市況が好調な時期に転職活動を始めれば、求人数や採用枠が増え、希望に近い条件や期待以上の好待遇で転職できる可能性が高まります。一方で、市況が悪い時期は無理に動かないのが得策です。

なお、市況の良し悪しを把握するためには、志望業界の転職市場に詳しいエージェントと定期的なコミュニケーションをとるのがおすすめです。

5.転職エージェントの選び方のポイント

最後に、転職エージェントの選び方のポイントをお話しします。

まずは、志望業界・企業との強い「ネットワーク」があるか。業界の最新の採用動向や選考傾向をしっかりと把握しているか、志望先企業の経営幹部と直接やりとりできる関係にあるかどうか、確かめてみてください。

「選考対策」をしっかりとサポートしてくれるか否かも、重要な評価ポイントです。応募書類の作成時にアドバイスがもらえるか、模擬面接など実践形式の練習が可能かどうか、確認してください。

見逃されがちなポイントが、「長期的な視点」でキャリアに伴走してくれるかどうかです。エージェントによっては、厳しい売上ノルマをキャリアコンサルタントに課しているところもあります。そのようなエージェントでは、短期的な利益を追ってしまうがために、応募者の志向に関係なく、内定を得やすい企業への応募を無理に勧めてきたり、意思決定を急かしてきたりするケースが少なくありません。

以上のポイントに注意して、複数のエージェントと一度面談を行い、ぜひ慎重に選んでいただきたいと思います。

多くの転職エージェントは、無料でキャリア相談を受け付けています。ぜひ、ご自身の目で信頼できるエージェントを選び、主体的なキャリア形成に役立てていただきたいと思います。


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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