資産1300億ドルを築いた投資の神様、ウォーレン・バフェット。投資が身近になってきた現在だからこそ、彼の生き方や考え方を知って、投資に対する姿勢や精神的に豊かな人生へのヒントを学びましょう。この連載では、『決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本』(明日香出版社)から、バフェットの考え方の一部を抜粋して掲載していきます。
今回紹介するのは、バフェットが警告した「企業の数字」について。見た目の数字に騙されずに賢く判断することが大切だと伝えています。
企業の数字が正しいとは限らない
企業は楽観的な数字をつくりがち
企業や公共団体というのは何が何でも実行したいプロジェクトがあるときには、自分たちに都合のよい「こうすればすべてうまくいく」という資料をつくる傾向があります。特に収支に関しては非常に楽観的な数字をつくりがちで、冷静な第三者から見れば、「それは無理だろう」ということも珍しくありません。
バフェットによると、バークシャー・ハサウェイの場合、買収の多くは過去に取引した経営者からの紹介がほとんどですが、ほかの会社の場合、銀行家が関わっていることが多いようです。たいしたことのないほどほどの会社が、銀行家の用意した資料では、スーパーマンのような無敵の力を持つ会社として紹介され、この資料を手にした企業の経営者たちは、たちまちにして夢中になるというのです。
ときにはまやかしの「バラ色の物語」
バフェット自身はこんな話に耳を傾けることはありません。その理由は、こんな話を心に留めているからです。
ある日、病んでいる馬を持つ男が獣医のところを訪ね、「私の馬はちゃんと歩くときもありますが、時々片足を引き摺るんです」と相談します。すると、獣医は「何の問題もない。馬がちゃんと歩いているときに売ればよい」と答えます。傷を負った馬も名馬となるのです。
投資の世界には「見たとおりのもの」ばかりがあるわけではありません。すべてがうまくいく「バラ色の物語」にはときにまやかしもあるのです。
『決定版 バフェットの投資哲学がマンガで3時間でマスターできる本』(桑原 晃弥 著/明日香出版社 刊)
資産1300億ドルを築いた投資の神様に学ぶ「成功法則」! NISAやiDeCoが広まり「投資」がごく身近なものになってきました。しかし、身近になればなるほど、市場の動きに翻弄されたり、誤った知識に振り回されたりする人も増えています。そんな「投資に関心はあっても経験は浅い」人たちに知ってもらいたいのが、本書で紹介するウォーレン・バフェットです。バフェットは、「世界一の投資家」「オマハの賢人」と呼ばれ、株式投資だけで1300億ドル以上の資産を築きました。そんなバフェットの投資法はいたってシンプルです。「長期の目線で投資する」「価格より価値を見る」「いつ売るかは自分で考える」「納得いくまで徹底的に企業を調べる」など、本質的で、長期にわたって資産を増やすヒントが多く詰まっています。バフェットの生き方、考え方を知ることで、投資に対する姿勢はもちろん、精神的にも豊かな人生を送ることができるでしょう。