日々のお通じに気になるところはないだろうか。
TOTOの調べによると、自宅のトイレで排便したあと便の状態を確認する人は76%。多くの人が、おなかや便の調子を気にしている様子がうかがえる。また、ちまたには便の状態を記録するスマホアプリが多数あり、こまめに記録している人も。ただこれは6%にとどまる。
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TOTOの新型トイレ、ウォシュレット一体型「ネオレスト LS-W/AS-W」。写真はデモ用の機材なので便器の中央に見慣れないパーツが備え付けられている。このパーツはもちろん製品にはなく、見た目はごく普通のトイレだ
2030年に向けて「きれいで快適・健康な暮らしの実現」「社会・地球環境への貢献」を掲げるTOTOは、トイレを通して「健康な暮らし」をサポートする新しいトイレ製品を8月1日に発売する。ウォシュレット一体型便器の「ネオレスト LS-W/AS-W」で、新たに「便スキャン」という機能を搭載した点が最大の特徴だ。LS-Wは54万2,300円~、AS-Wは49万3,900円~、両者の違いはおもにデザイン面。LS-Wの便器には継ぎ目がなく、よりスマートな見た目となっている。
言葉からも想像できるように、ウォシュレットに内蔵した「便スキャンセンサー」によって、落下中の便をセンシング。便の形(硬さ)・色・量を自動的に計測して、「TOTOウェルネス」アプリに自動で記録していく。TOTOウェルネスアプリでは、記録した日付をカレンダーで確認、便の状態(形・色・量)を日付や週単位・年単位の棒グラフで確認でき、生活習慣の改善アドバイスなども表示される。
なお、ネオレスト LS-W/AS-Wは医療機器ではないので、便の状態から何らかの診断を下すものではない。あくまで健康管理の一貫として、「健康のためには毎日の継続が大切とは分かっていてもできない(でも本当はちゃんとやりたい)」という生活者目線、そしてトイレという毎日の行動を自動で記録という2つを結び、デイリーウェルネスをサポートするものだ。気になる点や不調を感じることがあったら医療機関を受診してほしい。
便の状態を細かく分類
便スキャンセンサーによって判別される便の状態は以下の通りだ。「便の形(硬さ)」は、イギリスのブリストル大学が1997年に開発した便の状態を表す基準をベースに、TOTOが独自の方法で分類している。
■便の形(硬さ):7通り
コロコロ、ゴツゴツ、ひび割れ、普通、半固形状、泥状、液状
■便の量:3通り
少(100g相当未満)、中(100g相当~300g相当)、多(300gより多い)
■便の色:3通り
黄土系、茶系、焦げ茶系
自宅で排便するたびに、これらの情報がTOTOウェルネスアプリに記録されていく。自分の傾向が分かってくるので、おなかの調子と照らし合わせて食事などの参考になるだろう。
いまのところ、自宅以外で用を足したときに便の状態を手動でアプリに登録するような機能はない。毎日自宅で規則正しくトイレに行く習慣のある人ばかりではないと思うが、この辺りはTOTOでも今後の検討課題としているとのことだ。
TOTOウェルネスアプリの表示。排便した日はカレンダーで表示し、一週間の便の傾向はグラフで示す。生活習慣のアドバイスや、ちょっとしたマメ知識も。これらの画面は開発中のものであり、内容が変わる可能性がある
便スキャンセンサーはプライバシーを考慮した非カメラ式
便器の便スキャンセンサーは、ウォシュレットの洗浄ノズルのすぐ横にある。便座に座っている間はお尻に向けてずっとLED光を当て、ラインセンサー(コピー機などと同じ仕組み)によって便の長さ・幅・落ちる時間などを常にセンシングしている。プライバシーを考え、カメラは採用していない。
ウォシュレットを稼働させると、センシングを停止してセンサー部のフタが閉まる。これはウォシュレットの水がはねてセンサー部が汚れることを防ぐためだ。また、ウォシュレットは使用時に水を温める「瞬間式」を採用。温水を貯めておく「貯温式」と比較して、途中で温水が冷たくならない、節電になる、といったメリットがある。
個人の識別は家族6人まで。TOTOウェルネスアプリとLS-W/AS-WはBluetoothで連携し、便座に腰掛けたらリモコンの「個人設定」ボタンを何度か押して、自分に該当する番号にセット。それから用を足す。ちなみに、Bluetooth連携したスマホを持ってトイレに行けば、リモコン操作は不要だ。TOTOウェルネスアプリからも個人認証できるので、こちらのほうがラクだろう。
“清潔”機能は引き続き搭載
TOTOのネオレストシリーズは“清潔”機能も好評で、新しいLS-W/AS-Wも搭載している。
ざっと列挙すると、便器のフチを工夫して汚れやすい「フチ裏」をなくした形状、便器内部の表面を超平滑にして汚れを付きにくくした「セフォンテクト」、渦を巻くように水を流して汚れを洗って節水にもつながる「トルネード洗浄」などだ。
便器やウォシュレットのノズル洗浄に使う水は、普通の水から作られる「きれい除菌水」。除菌成分(次亜塩素酸)を含むこの水によって、便器の黒ずみなどの原因となる雑菌の繁殖を抑制する。
ウォシュレットのノズルは、使用前と使用後に普通の水で自動洗浄。加えて、便座から離れたあときれい除菌水によってノズルの内側/外側を自動で洗う。トイレが連続して8時間使われない待機中も、定期的にノズル内側をきれい除菌水で洗う仕組みとなっている。