クルマのサブスクリプションサービスを手掛けるKINTOが初の黒字化を達成した。2024年度(2024年4月~2025年3月)の業績は売上高587.07億円、売上総利益68億円、当期純利益7.95億円。黒字化達成の要因をKINTOに聞いた。
人気の車種は?
KINTOはトヨタ自動車が2019年1月に設立。現在はトヨタ、レクサス、スバルのクルマのサブスクリプションを展開している。自動車税、車検、メンテナンスなどの費用が「コミコミ」のわかりやすい料金体系が特徴だ。ひとつ前の期(2023年度)の業績は売上高417.37億円、純損失が5.89億円だった。
KINTOによると、黒字化達成の主な要因は下記の3つだという。
1.WEB経由の受注に加え、販売店での契約数の堅調な積み上げによって売上高/粗利が増加したこと
2.前期に引き続き、業務改善や収益改善活動を推進したこと(マーケティング費用を中心とした販管費の抑制など)
3.前期に引き続き、2025/3期(2024年度)も中古車市場の価格が高位に維持されていたこと(変動要因のため、来期もプラスに効くかは不透明)
契約期間満了・乗換えなどによってリースアップとなった車両は、KINTO ONEで中古車のサブスクに回すケースと中古車市場に流す(オートオークション)ケースがある。中古車市場の価格が高い状態にあると、KINTOにとっては収益面でプラスの効果がある。
2025年3月期の売れ筋としては、「アルファード/ヴェルファイア」といったミニバンや、「シエンタ」「ヤリス」「ルーミーといったコンパクトカーが比較的堅調だった。
累計申込数は13万件を突破
新車サブスクの累計申込数は、2024年12月末の時点で約13.7万件に達している。新車サブスクの申し込みはweb経由が約6割、販売店経由が約4割。積極的にKINTOを推進してくれる販売店が増えているそうで、販売店経由での申し込み比率が増加基調にあるとのことだ。
ユーザーの年代構成(累計申込ベース)は18歳~30代が約4割、40代~50代が約4割、60代以上が約2割。個人・法人比率(同)は個人が約8割、法人が約2割とのこと。KINTOでは法人メリットの訴求に注力しており、法人の比率が上がってきているという。