ペンを持って文章を手書きする――。この機会、1週間、1カ月にどれくらいあるだろうか。学生か社会人か、社会人なら業種・職種によってだいぶ異なるとは思うが、文章を手書きすることは以前に比べて減ったという人が多いと思う。
「PARKER(パーカー)」や「WATERMAN(ウォーターマン)」といった高級筆記具を国内で展開しているニューウェルブランズ・ジャパンは、全国の約1,000人に対して高級筆記具に関する調査を実施(20代~60代の男女、サンプル数1,110)。なかなか興味深い結果がそろっている。PARKERとWATERMANの新作と合わせて紹介しよう。
「一生もの」アイテムの購入についてどう思う?
まず、「安い商品を頻繁に買い替えるよりも、高価格・高品質な『一生もの』を購入することにメリットを感じますか?」という質問から。約70%の人が「はい」と答えた。みなさんはどうだろう。
関連して、「文具、雑貨、衣類などの日常使いの品を買い物する際、ご自身にとっての理想はどちらのスタイルですか?」という質問では、約35%が「多少高額でも、高品質で長く愛用できるものを購入する」と回答。高品質を指向する傾向に加えて、サステナビリティが重視される時代に合っている、大切に使い続けることは結果的に高コスパ、といった意見も多い。
一生もの、買ったことある?
では、これまで「一生ものの何か」を買ったことのある人はどれくらいかというと、約40%という結果に。購入のきっかけには、「自分へのご褒美(24.4%)」、「記念日(24.4%)」、「心から良いと思うものに出会えたから(20.7%)」、「ライフスタイルの変化(19.9%)」などが上位に並ぶ。何を買うかはともかく納得の動機だ。
これまで「一生もの」を買ったことのない人でも、うち約50%は「今後買ってみたい」としている。その理由だが、「お気に入りを使い続けることで、気持ちが高まるから(41.7%)」、「一つ定番を持っておくことで、迷いがなくなるから(32.4%)」と、気持ちの面が大きいようだ。
アナタが買った一生ものは何?
一生ものを購入したことがある人に尋ねたところ、日常的に使う一生もの(住宅・自動車を除く)として選んだのは、1位が腕時計、2位がバッグ、3位が筆記具、4位が指輪および財布だった。これも納得。
興味深いのは、上記で筆記具(高級なボールペンや万年筆)と回答した人の年代だ。20代~30代を中心とした層のほうが、他の世代よりもポジティブな声が多い。具体的には、長く使い続けられる高級なボールペンや万年筆は、「ギフトに最適だと思う」、「使う人は素敵だと思う」、「使ってみたいと思う」といったものだ。
また、手書きの良さに触れる声も多かった。全体で、「仕事のメモを手書きでとることが多い(54.7%)」、「勉強するときは手書きをすることが多い(61.1%)」、「デジタルよりも、手書きの文字の方が気持ちが伝わると思う(63.5%)」といった具合だ。
「何かを手書きする」機会が減ったとはいえ、手書きの魅力は多くの人が実感している。そして「書くなら高級な筆記具で」と考えている人も多く、デジタル機器が普及した現代だからこそ、手書きや筆記具への欲求が高まっている側面もありそうだ。
実際、高級な万年筆やボールペンを持つと、無性に書きたくなってくる。自分が気に入って購入したものならなおさらだ。何を書くかはひとまず置いておき、一生ものの高級筆記具を探してみてはいかがだろうか。
ロイヤルワラント(英国王室御用達)のPARKER
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写真上は、英国女王陛下エリザベス2世の即位50周年を記念した世界限定2,500本の「デュオフィールド アクセッション」。写真下は、チャールズ皇子とダイアナ姫の結婚を記念した世界限定1,000本の「ロイヤルウェディング」
1888年に創業したイギリスのPARKERは、1962年から現在まで「ロイヤルワラント(英国王室御用達)」の称号を保持している。万年筆やボールペンがよく知られていると思うが、最新モデルの「パーカー・IM ライティングリチュアル」は、万年筆が1万2,100円、ボールペンが7,700円と比較的買いやすい価格帯で、若い世代からも人気のシリーズだ。
製品名の「IM」は「I'm」を意味しており、手書きすることによる自己表現、自分らしさの表現といったコンセプトを持っている。ターコイズグリーンとグレイという第1弾に、第2弾としてオレンジとブルーのラインナップが加わった。
新色はどちらも柔らかな色彩が印象的で、書くことによる心の平穏や創造性、モチベーションといったウェルネス効果に着目している。カラーリングに当たっては、色彩理論からインスピレーションを得たとし、オレンジは高揚・温かさ・楽観、ブルーは安らぎ・平穏・静けさを表現しているという。
ライティングジュエリーと称されるWATERMAN
フランスのWATERMANの歴史は1883年から始まった。創業者のルイス・エドソン・ウォーターマンが毛細管現象を応用した万年筆「ザ・レギュラー」を発明し、現代万年筆の祖とされる。フランスの自社工場で作られる製品は、優れたデザインや品質から「ライティングジュエリー(宝石のような筆記具)」というポジションを確立した。
WATERMANも多くの万年筆やボールペンのシリーズを展開しているが、ここでは「メトロポリタン」シリーズの新作を取り上げた。メトロポリタンシリーズの万年筆やボールペンはやや細身のシルエットが美しく、カラーバリエーションも豊富で選びやすい。
新作は「メトロポリタン エッセンシャル」から、パリ・モード界のトレンドであるニュートラルカラーを取り入れたという3色だ(ラバブラック、ストーングレイ、コッパーレッド)。クリップやペン先は落ち着いた色調のゴールドで、さまざまなシーン、ファッションに似合う。万年筆は1万9,800円、ボールペンは1万3,200円だ。