マイナビニュースマイナビ マイナビニュースマイナビ
Index square
( Car )

ホンダが小型SUV「WR-V」を改良! あまり大きく変えない理由は?

MAR. 06, 2025 11:00
Text : 藤田真吾
Share

ホンダが小型SUV「WR-V」を一部改良して発売する。新たに登場する特別仕様車「ブラックスタイル」の詳細は? そもそもWR-Vは日本で売れている? 改良モデルの実物を取材し、開発陣に話を聞いてきた。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル

    ホンダが「WR-V」を改良! 何が変わった?

WR-Vの販売台数は計画を超過!

WR-Vはホンダがタイで開発し、インドで生産しているコンパクトSUVだ。ホンダには同じコンパクトSUVで「ヴェゼル」というクルマがあるが、比べるとWR-Vではハイブリッド車が選べないし4WDもなく、装備面も簡素だ。その代わり、価格は上級グレードを選んでも250万円付近におさまる。小さいながらラギッドで、一部からは「かわいい」との評価もあるという外観とバリューフォーマネーな中身が受けたのか、販売は好調な様子だ。

日本では2024年3月から登録が始まったWR-V。ここまでの約11カ月間で販売台数は3万3,396台に達している。月間販売計画は3,300台、達成率は101%だ。計画通りの売れ行き、ということになるだろう。

ミレニアル世代の女性客がほかの車種に比べて多かったことは「ちょっと意外でした」とホンダの営業担当は話していた。ファーストカーとして軽自動車に乗っていた女性が、ステップアップ先としてWR-Vを選ぶという流れが想像できる結果だ。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「WR-V」の日本における販売状況。コンパクトSUVの市場でWR-Vはシェア21.3%を獲得しているというのがホンダの説明だ

変わった部分を詳細チェック

今回の改良では「WR-Vの魅力はそのままに、内装の質感を高めた」というのがホンダの説明。具体的には「Z」「Z+」のインパネ下部とリアドアに「ソフトパッド」を追加し、「Z+」では座り心地のいいブラウンの「フルプライムスムースシート」を選べるようにした。新登場の「ブラックスタイル」(BLACK STYLE)は内外装にブラック基調のパーツを採用し、全体的にスポーティーさと質感を高めた特別仕様車だ。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「Z+」グレードにはブラウンの「フルプライムスムースシート」が追加となる

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「Z+ BLACK STYLE」の外観。ボディカラーは新色の「オブシダンブルー・パール」。ブラックスタイルの導入には、発売から約1年が経過した「WR-V」の「鮮度」を上げたいとの思いもあったという

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「Z+ BLACK STYLE」の内装

WR-Vの開発責任者によると、今回の改良には「市場の声」をかなり反映しているそうだ。例えば「Z」以上のグレードに追加する新色「オブシダンブルー・パール」についても、「もう少しSUVらしい色が選べたらいいよね」というユーザーからの声を参考にしたとのこと。もちろん、開発陣としても色を増やしたいという気持ちはあったという。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル

    「オブシダンブルー・パール」はこんな色

SUVらしい色であれば流行のアースカラーや黄色、オレンジなども思い浮かぶが、インド生産のクルマなので、すぐにボディカラーをいろいろと増やすわけにもいかない。現地の工場で普段から使っている色以外だと新たな塗装工程を準備しなければならず、大変だ。なので、まずは現地にもともとあったブルーを追加したとのこと。色のラインアップ追加については今後も検討していきたいとのことだった。

このクルマには、ミニバンなどからの「ダウンサイザー」も興味を示しているそう。そういう顧客からは、WR-Vに乗り換えても「視界や室内空間には問題ないとの声をいただく」(営業担当)ものの、質感については多少、ネガティブな反応もあったらしい。そんな事情もあり、今回の改良では質感アップに重点を置いたようだ。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「ブラックスタイル」はクリスタルブラック・パールのアウタードアハンドル、シャークフィンアンテナなどを装備。足元にはベルリナブラックの17インチアルミホイール+ブラックホイールナットを装着する。内装はステアリングガーニッシュなど随所にピアノブラック調の加飾が施され、シートやソフトパッドなどにはブラックステッチが入る

物価高や円安の影響もある中で、WR-Vについては質感向上を図りつつ、値上げ幅は約5~6万円に抑え、最上級グレード「Z+ BLACK STYLE」でも価格は250万円台以下を死守した。バリューフォーマネーが大きな魅力となっているWR-Vだけに、この価格設定にはこだわったらしい。

そんなに大きく変わっていない?

今回の改良でWR-Vの魅力が増したことは間違いないが、全体的には「そんなに大きく変わっていない」という印象だ。ホンダとしてはWR-Vについて「4WDがない」「ハイブリッドが選べない」「電子パーキングが付いていない」といった声があることを把握しているそうだが、これらに対応するとヴェゼルと装備・機能面で近づいてしまい、ユーザーを取り合ってしまいかねないというジレンマがあるらしい。それに、ホンダが全ての要望に対応してしまうと、WR-Vを250万円近辺で購入することはおそらく不可能になってしまう。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「WR-V」改良モデルは1.5Lのガソリンエンジンを搭載。駆動方式はFF(前輪駆動)のみ。このあたりは改良前と変わっていない(写真は「Z」グレードでボディカラーは「メテオロイドグレー」)

クルマは装備がてんこ盛りであればいい、というものでもないはず。WR-Vでいい、WR-Vがいいというユーザーがこれだけたくさんいるわけだから、今回の改良も、変更幅こそ少ないものの「これでいいのだ」という気持ちで受け入れられそうな気がする。

WR-Vの「Z」と特別仕様車の「Z BLACK STYLE」「Z+ BLACK STYLE」は3月7日に発売となる。価格は「Z」が239.8万円、「Z BLACK STYLE」が248.38万円、「Z+ BLACK STYLE」が258.06万円だ。残る「X」「Z+」の2グレードは2025年夏ごろに発売する計画で、価格などの詳細については後日発表する予定だという。

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • 「Z+」グレード。ボディカラーは「イルミナスレッド・メタリック」

  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダ「WR-V」の改良モデル
  • ホンダアクセスが取り扱う箱状のアクセサリーを取り付けると荷室の床がほぼフラットになる


Share

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

  • Pick Up
    Index.iapp
    PR
    【PR】黒一色で引き締まる洗練のスタイル - 超軽量ノートPC「FMV Zero」
    Weekly Ranking
    • 1

      Large
      キングカズとの共通点も? 4人の天才が関わったこのクルマの名前とは
    • 2

      Large
      いすゞの名車「117クーペ」と「ピアッツァ」の共通点は?
    • 3

      Large
      マツダは混迷深まる世界で「走る歓び」を追い続けられるのか - 新戦略を考える
    • 4

      Large
      カーデザインの巨匠は日本で何を語ったのか
    • 5

      Large
      メルセデス「Gクラス」に激レア限定車! NIGO/MONCLERとコラボ、日本導入は4台