2024年7月の日銀の追加利上げを受けて、多くの金融機関が住宅ローンの変動金利を引き上げました。変動金利アップを受けて、ユーザーはどのような動きを見せているのでしょうか、auじぶん銀行の伊東宏之氏(住宅ローン企画推進部 戦略グループリーダー)と村田佳代氏(住宅ローン企画推進部 兼 広報部マネージャー)に聞きました。
ユーザーの金利を見る目、よりシビアに
――11月現在のauじぶん銀行における住宅ローンの変動金利を教えてください。
新規借入の方で年0.479%、借換で年0.469%となっています。9月までは年0.3%前半でお出ししていたのですが、日銀の利上げにより、0.15%引き上げをさせていただきました。
――変動金利を上げたことで、どのような影響がありましたか?
当社だけでなく、多くの金融機関で同様に0.15%、変動金利は上昇していますので、この状況自体は違和感なくお客様にご理解いただていると感じています。
ただ中には、金利を維持したり、金利の上昇幅を小さくしたりしている金融機関もあり、お客様がより安い金利を求めて、他社さんへ流れているというのは如実に感じます。実際、10月以降は全体の申込数が減っています。
一方で、借換の割合は9月対比で若干増加しています。金利帯が上がったことで、よりシビアにご自身の金利を見直して、借換に動き出すという流れはあるのかなと思っています。
当社としても金利引き上げの緩和策が必要と考え、「普通預金連動型 住宅ローン(変動金利)利息キャッシュバックキャンペーン」を10月から始めています。ローン契約中のお客様に向けて(2024年12月31日までのローン契約が有効)、円普通預金残高の増加額に応じて住宅ローンの利息の一部を3年間、毎月現金でキャッシュバックするというものです。なお、住宅ローンご契約者さまのご家族さまの預金増加額も合算が可能です。
既に2万人以上の方にエントリーをいただいており、反響の大きさを感じますね。
住宅ローン選びでは、金利以外にも目を向けて
――変動金利の上昇が避けられない中、住宅ローン選びではユーザーにどういった点を重視してもらいたいですか?
まずやはり、ご自身にとってお得な金利を見直してみるのは大切だと思います。
例えば当社では、auの携帯電話、じぶんでんき、J:COMのネット回線・テレビといった、同じKDDIグループのサービスを利用していただくと、最大で年0.15%、金利を引き下げることができます。このように、各金融機関の施策を比較してみるのもいいと思います。
借換に関しても、いまは各社さんのシミュレーション機能が充実していますので、手数料も加味したうえで、実際にメリットが出るのか試算できます。手数料の支払いに抵抗があり、借換に二の足を踏んでいらっしゃる方は、ぜひ試してみていただきたいですね。
――金利以外のポイントではいかがでしょうか?
金利以外ですと、団体信用生命保険(以下、団信)の内容を比較することが大事だと思います。
当社は去年7月に、保険会社をライフネット生命さんへ変更しました。がん診断保障、全疾病の保障、四大疾病保障も含まれているほか、金利の上乗せ幅も大きくないのが魅力なのですが、数字でわかりやすく比較できる金利と違って、良さが伝わりにくいと感じています。お客様への伝え方も含めて、今後はより工夫が必要だと感じているところです。
また、他社さんの中には住宅ローンを利用することで、同じグループ会社のサービスをよりお得に利用できる特典を用意しているところもあります。そうした各金融機関が提供している特典にも目を向けてみるといいかもしれません。