農業機械メーカーのクボタは、スマート農業の実現に向けた取り組みを加速している。その中核となるのが、クボタの農業経営支援システム「KSAS(クボタ スマートアグリシステム)」である。KSASは、農業機械とICTを利用して、作業や作物情報を収集し、活用することで、「儲かるPDCA型農業」を実現するものだ。「農業が抱える課題を解決し、儲かる農業へと変革させたい」と語るクボタ 取締役専務執行役員 研究開発本部長の佐々木真治氏に、クボタが取り組む「スマート農業」や、同社研究開発本部の取り組みについて聞いた。

  • 下町ロケットの自動運転トラクタで見た夢、スマート農業を具現化するクボタ

    クボタ 取締役専務執行役員 研究開発本部長の佐々木真治氏

130周年のクボタが「日本の農業」に危機感

クボタは、2020年に創業130周年を迎えた。

1890年の創業時は、鋳物の製造および販売からスタート。1893年には、鋳鉄水道管を製品化し、その後、バルブやポンプなどの製造で成長。1922年に開発した農工用エンジンによって、耕運機やトラクタ、田植え機などの農機、ミニバックホーやホイールローダなどの建機にも事業を拡大してきた。

  • クボタの130年の歴史

2019年度(2019年1月~12月)の売上高は1兆9200億円。そのうち、農機およびエンジンが65.7%、建機が16.2%、パイプインフラ関連が9.7%、環境関連が6.7%という構成比だ。また、海外事業が67%を占める。

トラクタの全世界生産台数は400万台以上、農機では、国内シェアのほぼ半分を占める。また、エンジンの世界総生産台数は3000万基以上、6トン未満のミニバックホーは18年連続世界シェア1位となり、国内高度浄水処理施設におけるシェアは約80%に達する。

  • クボタの業績推移

クボタ 取締役専務執行役員 研究開発本部長の佐々木真治氏は、「クボタは、1890年の創業以来、食料、水、環境に関わる地球規模の課題解決に取り組んできた。日本で初めて水道管の国産化や農業の機械化を実現したのもクボタであり、優れた製品、技術、サービスを通じて、豊かで安定的な食料の生産、安心な水の供給と再生、快適な生活環境の創造に貢献し、地球と人の未来を支え続けてきた」と語る。

だが、その一方で、同社にとって主要市場のひとつとなる「日本の農業」が、大きな課題に直面していることに危機感を募らせる。

「日本の農業就労者が、高齢化、離農により大幅に減少しており、さらに65歳以上が70%を占め、50歳未満は11%に留まるという著しくアンパランスな年齢構成となっている。このままでは、10年後には農業をする人たちがいなくなってしまう。一方、行政は農地バンクなどの施策で規模の拡大による生産性向上を促進中であり、農業を引き継ぐ『担い手』と呼ばれる農業生産法人や、認定された個人農業経営者の認定を進めている。『担い手』が占める割合は、現在の58%から、2023年には80%へと拡大すると予測されている。だが、それに伴い、多数圃場の管理性の問題や、引き継いだ圃場のデータがないために、品質の高い農作物を作るための改善に時間がかかること、生産コストの削減や労働環境の改善、人材育成、販路拡大といった課題もある」と指摘する。

農業生産法人などが管理する圃場が100枚、200枚と拡大するに伴い、担い手は、より効率的に管理を行う必要が出てくる。農家では勘や経験という形でノウハウが蓄積されていたり、データがノートに手書きで記されるなど、アナログ情報として保管されていたりといったことも多い。農業が大きく転換を求められるなかで、いかにデジタルを活用していくかが、農業が持つ課題の解決に大きく貢献することになる。

こうした課題の解決に向けて、クボタは、「スマート農業」を提案する。

データ活用による精密農業の実現により、市場で求められる作物を、求められる時期に、求められる量だけ出荷し、廃棄を極小化。さらに、自動化および無人化による超省力化、そして、省力化や軽労化の実現を目指すのがスマート農業の狙いとなる。

  • クボタが目指すスマート農業

佐々木取締役専務執行役員は、「農業にいかにデータを持ち込むか、そして、これまで農業の経験がなかった人が、即戦力として働けるための環境をどう作るか、いかに人手をかけないで精密農業を実現するか。こうした担い手が抱える課題や日本の農業が抱える課題を解決するのが、スマート農業になる。儲かる魅力的なビシネスへの転換、重労働から解放される働き方改革により、若者の参入を促進し、中山間地を含めた農村の活性化を図り、農業の多面的な機能維持を実現することができるようにしたい」と語る。

農林水産省では、ロボット技術やICTを活用する「スマート農業」の実現によって、「超省力、大規模生産の実現」、「きつい作業、危険な作業からの解放」、「作物の能力を最大限に発揮」、「誰もが取り組みやすい農業を実現」、「消費者、需要者に安心と信頼を提供」の5つを実現することができるとする。クボタの取り組みも、こうした農業の目指すべき将来の姿の実現に貢献するものになる。

クボタ スマートアグリシステム(KSAS)とは?

では、クボタが提案する「スマート農業」とはどんなものなのか。

その軸となるのがKSAS(クボタ スマートアグリシステム)である。

KSASは、2014年6月からサービスを開始した営農・サービス支援システムだ。現在は、高収量で良食味の安心安全な米づくりの実現や、農家の栽培ノウハウ伝承、農業経営基盤の強化を行う「営農支援システム」と、農機に対する予防保守を含む「機械サービスシステム」の2つのサービスで構成される。

  • KSASの仕組み

現在、提供しているサービスは、ステップ1と位置づけられるものだ。

ここでは、「圃場地図と連携した栽培支援システムの構築」、「コンバイン、田植機、乾燥機などとの連携によるPDCAの実現」、「稲作から畑作(小麦、大豆など)への展開」の3点に取り組んでいる。

KSAS対応農機やKSAS対応乾燥機などから発信される稼働情報をクラウドに収集。作業者は、スマホから農作業に関わる情報を入力。それをもとに農業経営者が作業指示などを出すことになる。

「作業指示を行うだけでなく、日々の情報を蓄積できるのが大きな特徴である。コンバインに水分量やタンパクなどを計測できるセンサーが搭載されており、圃場ごとのデータをリアルタイムに収集できる。乾燥機とも連動しており、収穫した米のデータをもとに最適な乾燥を行うことになる。良食米だけを切り分けて乾燥するといったことも可能になり、それだけを高く販売することもできる。そして、収穫時のデータをもとに、翌年の施肥計画に反映し、それを毎年繰り返すことで、圃場の改善ができる。しかも、KSAS対応機であれば、自動的に最適な量の施肥を行うことができるため、素人でも効果につなげることができる」とする。

新潟地区でのモニターテストでは、食味のばらつきを目標レンジに入れる改善を3年間に渡り実施したところ、収穫量は約15%も増加したという。

「PDCAを回すことができる点がKSASの特徴。収量・食味マップとして圃場を見える化し、これを用いて、施肥設計や土壌改良が可能になり、精密農業を実現することができる。クボタ自らが農機を製造し、それに最適化したソリューションを提供したり、農家とのキャッチボールにより改善を加えたりしている点は他社にはない特徴。2014年のサービス開始以来、農家の声をもとに、40回以上のバージョンアップを行っている。これが、KSASが農家に受け入れられる要因である」と胸を張る。

現在、KSAS会員は8600人。このうち、営農・サービス支援システムを活用している会員は1900人。全体で8万1000haが対象になっている。これは、日本全国の水田圃場の約5%を占めているという。毎年、かなりの量のデータが収集されていることがわかる。

KSASの利用者からは、「煩雑だった圃場の管理業務が減り、作業日誌の作成も楽になった。作業の間違いも減っている」という声や、「圃場ごとに、収量、水分、たんぱくデータがわかり、改善に役立つ。また、収量や品質が向上し、作物履歴や品質データが、販売にも役立っている」といった声があがっている。

一方、KSASのもうひとつのサービスである「機械サービスシステム」は、機械の位置や状況、稼動時間、燃費消費量、メンテナンスなどをスマホやPCで確認できる「MY農機」、シーズン中に発生した警報回数やDPF(ディーゼル微粒子除去装置)の再生レベルを表示し、順調な稼動のためのメンテナンスを提案する「診断レポート」、機械の位置と稼動情報を把握し、状況に応じた対応を行う「モニタリング」で構成。定期交換部品の交換タイミングになると、アラートを表示するといったサービスも行っている。「クボタのサービス部門が、クラウドに収集された情報をもとに、稼働状況や位置状況を確認し、それをもとにしたサービスを提供できるようにしている」という。

  • KSASに対応したトラクタ「M7-172」。130周年記念限定カラーのモデルだ

  • KSAS対応モデルには、KSASのロゴマークが入っている

  • KSASで提供されるMY農機の画面。農機の状況などがわかる

KSASは第2段階、将来は外部データ連携のハブへ

現在、KSASは、ステップ2を目指した開発が進んでいる。

佐々木取締役専務執行役員は、「担い手が管理する圃場は、区間整理による合筆が進み、より大規模化している。それに伴い、圃場1枚という管理ではなく、圃場のなかのばらつきをいかに管理するかが、これからは重要になってくる。同時に、圃場のなかでも必要なところに施肥や施薬を行うといったことも必要になってくる。ビッグデータ解析をもとに、より精密な管理を行うのが、第2ステップで目指すKSASの進化になる」とする。

圃場内を5メートル四方単位に区切って、食味、水量、収穫量の管理を行い、それに対応したコンバインなどを活用して、可変施肥を実現。また、自動圃場水管理システムのWATARASとの連携により、水田の給水および排水を、データをもとに制御。ドローンで撮影した映像データをもとに、生育状況や病害状況を把握し、必要に応じてピンポイントに中間施肥を行うことも可能にする。これまでのように圃場全体に中間施肥を行うのに比べて、コスト削減にもつながるというわけだ。

「農林水産省のスマート農業加速化実証プロジェクトでは69件の取り組みが行われているが、そのなかでクボタは29件に関わっている。このなかにもKSASのステップ2に関する取り組みが一部含まれている。現在、検証作業を行っている。農業は1年単位で進むため、実用化までに時間がかかる傾向があるが、今後1~2年で、確実に成果があがるものとして提供したい」とする。

すでに圃場内の可変基肥、可変施肥による検証を2年間行っており、収穫量は25%向上したという結果のほか、圃場内のばらつきが改善され、圃場全体の食味も向上するという実績が出ている。また、ドローンでの検証も行っており、1haあたり5分間で撮影。データ合成を短時間に行い、KSASに登録された圃場データと組み合わせて生育マップや施肥マップを生成。KSASへのアップロードを簡単にできる専用ツールを開発しているほか、広範囲の生育情報を、より短時間で収集できるように、様々なドローンやカメラの組み合わせを検証しているという。

そして、KSASは、将来の方向性として、ステップ3を打ち出している。

ステップ3では、農業データ連携基盤「WAGRI」で提供される各種オープンデータと、クボタや他社の農機から収集されるセンシングデータ、市場価格などの流通データをはじめとする外部データとも連携。KSASがハブとなり、幅広い情報を提供することになる。

  • KSASを中核にクボタが目指す将来のビジョン

「AIなどによる高度営農システムを実現することがで、いわば、営農コンシェルジュともいえる役割をKSASが担うことになる」という。ここでは、KSASが会話型に進化し、過去のデータを見ながら、最も効率的な作業内容をアドバイスしたり、提案したりすることも視野に入れているという。

「下町ロケット」で描かれた自動運転農機の今

一方で、クボタでは、農機の自動化にも積極的に取り組んでいる。

2018年10月~12月まで、TBS系の「日曜劇場」で放映された「下町ロケット」において、自動運転農機が登場して話題を集めたが、この際に、農業機械の提供やドラマ演出の技術監修に協力したのがクボタだ。ここで示さているように、すでに、自動運転の一部が実用化の段階にある。

農林水産省では、農機の自動運転のレベルを3段階にわけている。

  • 農林水産省が示した農機の自動運転の3段階のレベル

レベル1は、オートステア(自動操舵)であり、クボタは、「ファームパイロット」の名称で、直進機能を持った田植機や中型トラクタを商品化している。

「でこぼこの圃場でまっすぐ運転するには技術が必要だが、ファームパイロット機能によって、誰でもがまっすぐ運転できる。たとえば、田植機では、株間や施肥量をキープして走行できるほか、これまでは、タイヤの回転と連動していたために、タイヤがスリップした結果、誤って植える分を想定し余分な苗を用意する必要があったが、2~3cmの誤差で認識するGPSを採用することで、これを改善。トラクタでは、ワンウェイうね立てなどで必要とされるバック直進にも対応し、コンバインではRTK-GPS(リアルタイムキネマティックGPS)を活用し、走行、旋回、刈り取り部の昇降などの自動制御、タンクが満タンになることを予測して、最適なタイミングで、モミを回収する車まで自動的に移動して排出作業を行えるようにしている」という。

次の段階となるレベル2は、有人監視での自動化、無人化を実現するとともに、有人機と無人機の協調運転を実現するものになる。クボタでは、すでに、「アグリロボシリーズ」の名称で、2017年から、トラクタ、コンバインにおいて自動運転を実現。2020年1月には、業界初となる自動運転田植機である「アグリロボ田植機 NW8SA」を発表。稲作の主要な3種類の農機において自動運転を可能にした。

2017年に発売したトラクタでは、手動操作で外周走行をすれば、あとは作業に必要な条件をタッチパネルに入力するだけで、最も効率的な作業ルートを自動生成して自動運転を開始。耕うん、代かき、肥料散布、粗耕起の作業に対応可能だという。

「だが、コンバインに関しては、人が障害物を確認しながら刈っているのが現状であり、人が乗車した形での自動運転となる。無人操作での自動化には、現状のセンサーだけでは限界がある。カメラやレーザースキャナー、超音波ソナーなどのさらなる技術進化が必要である」とする。

  • 自動走行を行う「アグリロボ」シリーズのトラクタ「MR1000A」

  • 有人と無人の協調作業を行っている様子

  • 新たに投入した自動走行可能な田植機「NW8SA」

そして、レベル3は、遠隔監視での無人運転を可能する段階に入る。農道(公道)走行ができるもので、さらに無人機による複数協調運転も可能にする。「遠隔操作をするためには、5Gなどによる通信機能の進化、公道を自動運転走行するための規制の見直しなども必要であり、現在、産官学が連携し、課題の抽出と対策、共同での研究開発を進めているところである」という。

なお、クボタは、「X tractor」と呼ぶ、完全無人で動く未来のトラクタのコンセプトモデルを2020年1月に発表している。同社では、1970年に開催された大阪万博のクボタ館で、当時の技術を結集した「夢のトラクタ」を展示したが、創業130周年を迎える今年、50年ぶりに「夢のトラクタ」を発表してみせたわけだ。

人が乗らないことを前提とした無人仕様のレイアウトと電動化技術、AI技術を採用。「完全無人」、「完全電動」、「車高可変4輪クローラ」という3つの特徴を持ち、さまざまなインプルメンツ(作業機械)を自動で装着して、自動で作業を行なうほか、インターネットを通じて機能が自動的にアップデートされる。また、リチウム電池とソーラーバッテリーにより、排出ガスを一切出さないトラクタを実現する。

  • クボタが公開した完全無人で動く未来のトラクタ「X tractor」

佐々木取締役専務執行役員は、「X tractorで提案したものは、すべての技術を一度に実現するものではなく、徐々に製品に組み込んでいくことになる」とし、一部機能は、順次実用化していくことになるようだ。

研究開発「オタク」が5年先の技術に取り組む

佐々木取締役専務執行役員が統括する研究開発本部は、5年先に実用化する技術の研究や、事業部単独では担うことができない技術などを担当している。たとえば、農機の自動化などに必要となるGPSは、研究開発本部が担当してきた。そして、KSASも、新たな事業であるとともに、トラクタ、コンバイン、田植機といった様々な農機を横串するという観点から、研究開発本部が携わってきた経緯がある。

「今年1年間をかけて、5年間の中期開発計画を策定する。5年先、10年先はどうなっているのかといったことを想定し、取り組むべき技術課題を抽出し、それに取り組んでいくことになる」とする。

佐々木取締役専務執行役員は、研究開発本部に所属している社員たちを、いい意味で「オタク」と表現してみせる。「材料知識や制御技術、通信技術といったように、それぞれに深い専門技術を持った社員が連携しながら、新たな技術や製品を生み出している」とする。

そして、「クボタの研究開発本部に求められているのは、お客様が喜んでくれる研究開発。製品に密着した形で活動をしてくれる技術者ばかりである」とし、「かつてはプロダクトアウト型の研究開発を行っていた時期もあった。だが、製品が高度化しており、横展開できない技術は効率が悪い状況になってきたことで、10数年前に研究開発体制を見直した。事業部と近い関係を構築しているのがクボタの研究開発本部の特徴である」とする。

2020年1月にクボタの社長に就任した北尾裕一氏は、研究開発、生産、販売サービス、間接部門がひとつになって様々な課題に挑戦するという「One Kubota」と、マーケットインの考え方で、お客様に寄り添い、お客様が抱える課題を発見し、お客様のビジネスに成功を届けるという「On Your Side」の方針を打ち出している。研究開発本部は、この考え方をDNAとした活動を行っているわけだ。

佐々木取締役専務執行役員は、「2020年は、オープンイノベーションをより積極化したい。基礎技術開発や製品開発においても、他社との協業が増えていくことになるだろう。その変化に向けた動きが本格化する1年になる」とする。

すでに、いちごの収穫作業を、ロボットで行うサービスを提供する会社に出資するといった例があるほか、2019年6月には、国内および欧州にイノベーションセンターを開設しており、同センターを通じたベンチャー企業や異業種企業、大学、研究機関などとのオープンイノベーションの動きも加速しそうだ。

クボタが「スマート農業」で目指す方向性として、佐々木取締役専務執行役員は、所得倍増を視野に入れた「儲かる農業の実現」、農業における働き方改革ともいえる「軽労化、省人化によるきつい作業からの解放」、減肥や減農薬、省水化による「環境負荷の削減」、耕作放棄地の活用による「農業の多面的な機能の維持」の4点をあげる。

「収量をあげたり、品質を高めて単価をあげたりといった取り組みのほか、1人で20haの圃場を作業および管理ができるようにすることで、増員なしで規模を拡大したりといったことも支援したい。営農および栽培管理におけるデータ活用と、自動化および無人化農機の進化、拡充とを組み合わせて、スマート農業のソリューションの枠を広げていきたい。最終的には、スマートフードバリューチェーンの実現につなげ、その中核的役割をクボタが担いたい」とする。

  • 佐々木氏は今年2020年を、変化の動きが本格化する1年になると見ている

クボタは、3月17日、米マイクロソフトとの提携を発表。デジタルトランスフォーメーションの推進に向けて、Microsoft Azureを戦略的に活用していくことになる。ここでは、ITインフラストラクチャの最新化とともに、マイクロソフトと協力して新たに「AI Machine Learning Labプロジェクト」を開始。AIソリューションを開発する新たな技術者の育成や社内の業務革新、食料、水、環境分野における新サービスの構築を目指す。

業際の拡大に挑むクボタのビジネスにおいて、デジタル化への取り組みが重要な要素になるのは明らかだ。創業130周年を迎えたクボタが、「スマート農業」を切り口に、どんな形で成長戦略を描くのかが楽しみだ。