ロジクールが同社史上最もポータブルだとするキーボード「Keys-to-Go 2」を発売した。価格は同社オンラインストアで13,200円だ。

ロジクールはアクセサリ類、特にHIDと呼ばれる入出力のためのデバイスにおいては、信頼性、使いやすさで定評のあるメーカーだ。マウスやキーボード製品には絶大な信頼感があって、個人的にもいろいろな製品を愛用してきたが、「ロジクール史上もっともポータブル」という謳い文句にそそられて実機を借り、しばらく使わせてもらった。

  • Keys-to-Go 2の実機。カラーはグラファイトで、直販価格は13,200円

極上ではないがベストを尽くしたキーボード

Keys-to-Go 2には通常版とiPad版があって、レイアウトが異なる。色は双方ともにグラファイトだ。作り付けのカバーでキーボード表面を覆うようになっていて、持ち歩くときにはカバーを閉じているので、ただの黒い板だ。使用時にはこのカバーをめくるなり、裏側に折り返すなどで机や膝の上においてタイプする。

本体重量は222グラム、厚みは8.9~4.3mmとなっている。重さとしては200グラム超なので、ちょっと大きめスマホといったところだろうか。本体サイズは105ミリ×250ミリで、無理して小さくしているわけでもないので窮屈な感じはない。すんなりとタッチタイプできる印象だ。

実際、この原稿も、このキーボードを使って書いている。近年は、ノートパソコンのキーボードがとても良質なものになってきているので、極上に打ち心地がよいとはいえない。もっとも打鍵のフィーリングは重量にも影響するので、こうした携帯性を重視したキーボードでは、このあたりで妥協するしかないようにも思う。そんな中でベストを尽くしているんじゃないかと感じた。

スマホ用に使えば文字入力の生産性が高まる

この連載で以前、GoogleのスマホPixel 8シリーズが画面の外部出力に対応したことを紹介したが、スマホを2台持ち歩くつもりで、1台をこのキーボードに替え、スマホ用のキーボードとして使えば、少なくとも文字入力の生産性が著しく高まる。

  • カバーを外したところ。ファンクションキーにはオーディオの再生、一時停止、ボリューム上下といったショートカットキーを搭載する

Bluetoothで3台のデバイスを登録しておき、自在に切り替えて使える。授業やセミナーなどのメモをとるなど、ちょっとした長文の入力のためにこのキーボードを携行していれば、パソコンはいらないという主張もなんとなく理解できそうだ。

欲を言えばキーを覆うカバーを手前に開くようにして、手前部分にタッチパッドが登場するようになっていれば便利だったのにと思う。でも、これも重量との兼ね合いがある。

電源はコイン型電池。電源オンオフに一工夫欲しいところ

ファンクションキーにはオーディオの再生、一時停止、ボリューム上下などのほか、WindowsのSnipping Tool呼び出しなどが割り当てられている。

イレギュラーなポイントとして、使い勝手に影響を与えそうなのは、一般的なキーボードでは「半角/全角キー」がある位置に「¥」のキーがあったり、「^」キーと「=」キーが他のキーの横幅の半分くらいしかないことくらいだろうか。

特に「=」キーについては日本語入力のカタカナ語などでよく使う音引き(ー)の入力で、しょっちゅうつまづいてミスタイプしてしまう。これも慣れでなんとかするしかない。

  • キーを覆うカバーを閉じたところ。これを閉じると自動で電源オフになると便利そうだ

ちなみに電池は充電式ではない。コイン型リチウム電池×2を使う。それで最大3年間は電池のことは気にしなくていいというから安心だ。仮に空になったとしても、100均にも並ぶくらいに入手性の高いCR2032なので簡単に交換できる。

ただ、電池室のカバー着脱にはドライバーが必要なので、緊急時にはドライバーも100均で調達する必要があるかもしれない。本当は、キーを覆うカバーを閉じたら電源がオフになるくらいの仕組みはほしかったところだ。

パソコンと同等の用途に使えるということで、iPadなどのタブレット端末は根強い人気があるが、携行性と実用性はこうしたポータブルキーボードとスマホの組み合わせでも十分に実用的だ。ぜひ、チャレンジしてみてほしい。