クリエイター市場に向けたプロジェクトの現状は?
インテルは2022年9月13日にインテル Blue Carpet Projectアップデートミーティングを開催しました。Blue Carpet Projectはクリエイター市場に向けたプロジェクトで、2022年3月22日にキックオフイベントが新宿の工学院大学で行われています(参考記事)。
インテル株式会社代表取締役社長の鈴木国正氏は、3月のキックオフから早半年が経過し、すでに様々な取り組みが行えたと発言。最新PCやテクノロジーを通じてクリエイターの創作活動をサポートし、次世代のクリエイターを育成するプロジェクトが順調に進んでいます。
プロジェクトの中核となるのが現在のトップクリエイターに最新機材をサポートし発表の機会を与えるインテルBlue Carpet Clubとなります。メンバーのコンテンツ作成のフローを共有することで、次世代クリエイターの育成につなげるだけでなく、インテル製品の最適化のヒントを掴みたいという意図があります。
また、次世代クリエイターのためにフェスの開催・協賛や各種セミナー、ワークショップ、コンテストの実施、そしてインテルと協賛企業による最新PC・テクノロジー製品の貸し出しを行う事でクリエイターに最新テクノロジーに触れてもらう日本に機会を増やすのがインテル Blue Carpet Projectの活動という事になります。
この取り組みは日本のインテルが行うものですが、日本のサイトではトップクリエイターのワークフローを公開。第一弾として株式会社ティーアンドエスの松山周平氏による「OpenVINOツールキットを活用した AI との協調クリエーション」をすでに公開済。続編も鋭意検討中です。将来的にはグローバルのIntel createに繋げることでオーディエンスを広げたいとの事。
鈴木社長はインテルブランドの後ろ側にある「素敵なことをはじめよう」というメッセージを具体的に実現する一例としてインテル Blue Carpet Projectを進めていきたいとまとめました。
インテル Blue Carpet Projectの具体的な活動内容に関してはインテル株式会社第二技術本部 部長 工学博士の安生健一朗氏が説明しました。
インテルはCPUを設計製造するだけでなく、業界エコシステムとして最新技術を提供し、開発者の自由度を広げ、開発者同紙のノウハウの共有や繋がりが新たなイノベーションを生んでいると説明しました。実例として9月9日に行われたWi-Fi 7のデモのように標準化の策定や相互互換性のテストを行い、最新標準規格をいち早く製品に取り入れていると言います。
この最新テクノロジーをクリエイターに触れてもらってコンテンツ制作活動の協力を行うのがインテル Blue Carpet Projectとなりますが、中核となるが現在のトップクリエイターを支援するインテルBlue Carpet Club(以下BCC)です。3月のキックオフでは9組のクリエイターが紹介されていましたが、現在20組まで増加。インテル Blue Carpet Projectの取り組みを支える賛同企業・教育機関も54社と増えました。
3月のキックオフから3カ月かけて賛同企業・クリエイターの募集を行うフェーズ1から、次世代のクリエイター育成を行うBlue Carpet Studio実施のフェーズ2に移りました。
当初は優劣をつけずにワイワイガヤガヤとBCCメンバーを招いたワークショップ等を行う予定でしたが、多岐のジャンルのトップクリエイターをそろえたことで、活動ももっと拡大する変更となっています。具体的には多くのセミナーやコンテストに参画し、さらにワークショップの開催も同時多発的に行うと述べ、今後の協賛イベントを多数紹介しました。
最新CPUに対するトップクリエイターの反応は?
前後半共に説明の後にトークセッションがありましたが、どのクリエイターも最新パソコンのパフォーマンスの良さを語っていました。
西郡勲氏は8Kのエンコード作業が「個人ではとてつもなく重い」と感じていたのですが、従来一時間かかっていた8Kエンコード作業がインテル提供機材を使う事で20分に短縮した、と語っていました。
また、フジモトタカシ氏は「写真のレタッチからこの世界に入ってきており、3D CGも写実的なものを求めるのでテクスチャデータも4Kのものが必要。なので、従来はノートパソコンで製作するのは無理と思っていましたが、今回提供された機材はいままでと変わらない性能だった」と評価。これに対し安城氏が「近日中にCore 第12世代の機器を提供します」と返答しており、さらなるパフォーマンスアップが期待できそう。
また「短縮した時間を使って直してみようとか、ほかの創作にもう一回やってみようという気になる(西郡氏)」、「完成の絵を見ながら作れるので、レンダリング後に違うがなくなった(フジモト氏)」とパフォーマンスに対する評価のほか「システムが速いだけでなく静かになった(白戸裕也氏)」とインテルからの機材に満足しているようでした。「さっきも裏で話していたのですが、一回快適な環境に行くと戻れなくなる(白戸氏)」、「作品のクオリティを上げるためにどこまでも進化してほしい(フジモト氏)」と今後の進化にも期待を寄せていました。
西郡氏は「『この技術がないとダメだ』ではなく、自分の受け皿を大きくしていくことが大事」と語り、鈴木社長は「Blue Carpet Projectもそのような前提で行っていて、インテルの技術やエコシステムが背景になっているものの、クリエイターの方に最新のものを使って体感していただく数を増やす取り組みです」と応えていました。
今後のクリエイターに対しては「なんでもやってみる。色々体験してえり好みしない(白戸氏)」、「手持ちの機材でともかく作品を作るのが重要(フジモトさん)」、「今はチャンスがいっぱいある。ちょっと踏み出してみると環境が整っていると思う。興味持ったならば、作って見ていただくと、人生が変わるかもしれない(早川正祐氏)」と呼びかけます。
Blue Carpet Projectの最新情報は「インテル Blue Carpet Studioサイト」、もしくはIntel 公式Twitter(@IntelJapan)のフォローで確認するのがよろしいようです。