• 暗号化メールサービスを使うことで、気持ちが楽になることも

    暗号化メールサービスを使うことで、気持ちが楽になることも

数多くのメールサービスが存在する中、近年その価値が高まりつつあるのが暗号化機能だ。なかでもエンドツーエンドの暗号化に対応するなど、盗聴や検閲の防止に注力したメールサービスは、一部の国では人権活動家やジャーナリストにとって生命線になっているケースも少なくない。

今回は、日本語の送受信に対応していること、また基本機能は無料で使えることを条件に、4つの暗号化メールサービスを紹介する。頼る機会がなければそれに越したことはないとはいえ、盗聴や検閲は日本でも決して他人事とはいえない。また、秘密にしておきたい個人的な相談事を誰かに伝えたいときなど、気持ち的に暗号化メールを使っておきたい場合もあるだろう。タイミングによってはアカウント自体の取得が難しいこともあるので、予め確保しておくというのも選択肢のひとつと言えそうだ。

ProtonMail

「ProtonMail」は、スイス製の暗号化メールサービス。エンドツーエンドの暗号化を採用したメールサービスとしては知名度が飛び抜けて高く、ウェブ版は日本語を含む各国語版のインターフェイスを用意するなど広範囲にサービスを提供している。ユーザ同士のメールは自動的に暗号化されるほか、非ユーザに対してはパスワード保護を追加可能。iOS/Androidアプリも用意されている。無料版での容量は500MBで、ほかに1日あたりの送信数制限もある。

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Tutanota

「Tutanota」は、ドイツ製の暗号化メールサービス。エンドツーエンドの暗号化を採用しており、ユーザ同士のメールは自動的に暗号化されるほか、非ユーザに対してはパスワードでの保護を追加可能。無料版は個人利用に限定されており、有料版にある検索機能やエイリアス機能、サポートなどが提供されないが、無料版でも1GBの容量が用意されているのが特徴。日本向けのトップページを用意するなど、今回紹介する中ではProtonMailに次いでハードルは低い。ドメインが5種類から選択可能なのも利点。iOS/Androidアプリも用意されている。

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Mailfence

「Mailfence」は、ベルギー製の暗号化メールサービス。個人キーを用いた暗号化メールのほかストレージ、カレンダー、連絡先など多彩な機能を持つ。日本語のインターフェイスは用意されていないが、日本語での送受信にも問題なく対応する。なお初回登録時にメール認証を行うため、受信可能なメールアドレスを(1回きりとはいえ)開示する必要があるほか、ユーザ名(@の手前)は7文字以上、パスワードは10文字以上が必須であるなど制限も多い。容量はメールとストレージでそれぞれ500MB。スマホアプリは用意されない。

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Lavabit

「Lavabit」は、アメリカ製の暗号化メールサービス。アメリカ国家安全保障局(NSA)の元局員、エドワード・スノーデン氏が利用していたことでその名を世界中に知らしめた。2013年にいったん終了したあと2017年になって異なるプロトコルを実装して復活したが、現時点では既存ユーザのほか、招待コードを持つユーザのみが新規登録可能で、事実上「順番待ち」の状態が続いている。その一方、並行して新規のメールソリューションやメールクライアントの開発が進んでいることが示唆されており、再び表舞台へと躍り出る可能性は十分にありそうだ。

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