編集機能が強化されたLaTeXベースのワープロ「LyX 1.6」 (画面はMac OS X版)

LyX開発チームは10日 (米国時間)、LaTeXベースの組版処理を行うワードプロセッサ「LyX 1.6」をリリースした。動作環境はWindowsとMac OS X、およびLinux。GPLv2準拠のオープンソースソフトウェアとして、ソースコードも公開される。

15ヶ月ぶりのアップデートとなる今回のリリースでは、画面の分割 / 複数表示に対応。長大な文書を作業対象とするとき画面を左右に分割し、それぞれ異なる位置を表示できるほか、異なるウインドウに同一の文章を表示 / 編集結果を同時に反映させることも可能。

編集支援機能も改良され、新設のコンテキストメニューを使い文字修飾などの編集処理を実行できるようになったほか、リンクや脚注などが設定された箇所にマウスカーソルを重ねると補助情報 (ツールチップ) が表示される機能も装備された。

PDFサポートも強化、文書設定パネルにはTeX文書にハイパーリンクを埋め込むLaTeXのhyperrefパッケージ用タブが追加された。このタブを利用すれば、タイトルや著者などのヘッダ情報を自由に編集できるほか、ハイパーリンクに色を付けるかどうか、しおりを生成するかどうかといった設定も可能になる。

図や表を文書に配置するときのLaTeXの概念「フロート」は、文字を周囲に回り込ませる機能に対応、レイアウトの自由度が大幅に向上した。また、任意位置での改ページ (¥pagebreak) および改行 (¥linebreak) を指定するLaTeXコマンドも、新たにサポートされている。