複数製品を各現場に導入した手応えで選ばれた「TerioCloud」

日本のゼネコン大手5社のうちの1つであり、1804年の創業以来伝統建築を含めた建築関係で特に強さを発揮してきたのが、清水建設だ。現在は海外での事業も含めて土木系の案件も多く手がけており、さまざまな建設現場で活躍している。

清水建設 情報システム部 主査 瀬戸口晋一氏

幅広い現場での要求に対応するためにITシステムをはじめとした様々なものの導入による改善活動なども積極的に行ってきた清水建設だが、タブレットの導入には慎重だったという。

「iPadが出てきた頃は、魅力を感じつつも『一時的な流行ではないだろうか』とも考えていました。企業で導入するにはセキュリティがしっかりしていて、長く使えるものでなくてはなりません。調査やテストは随時行いながら様子を見てきて、定着しそうだと感じられたために本格的な導入を検討しました」と語るのは、清水建設 情報システム部 主査の瀬戸口晋一氏だ。

現場で必要となる図面をPDF化してiPadから閲覧するという利用方法を実現するべく、2014年前半にはいくつかのソリューションを選定し、複数の現場に振り分けての試験導入が開始された。その時、テストされたソリューションの1つがOKIデータ・インフォテックの「TerioCloud(テリオクラウド)」だった。

清水建設 建築事業本部 企画部 情報化推進グループ 主査 小田英二氏

「初めてTerioCloudを見た時に図面が綺麗だと感じました。iPad上で紙の図面と同じように線種や線の太さの違いがはっきり分かりました。この要件は一見当たり前に思いますが、製品選定する際にはつい機能の充実さや操作性の良さばかりに注目してしまい見落としがちです。現場でTerioCloudを試行しながら様々な種類の図面を見ていくうちに『高精細な図面表示』は当社の現場に必須だと感じました」と清水建設 建築事業本部 企画部 情報化推進グループの主査である小田英二氏は語る。

機能・高精細表示の他、要望に即応える対応力も評価!

建設現場では、非常に多くの図面が必要となる。対象の大きさや造作の細かさなどによって必要数は異なるが、全てを抱えて現場を動き回ることは不可能だ。そのため、紙図面を利用して作業を行う場合、その日の作業に必要なものをあらかじめ抜き出しておいて対応し、それ以外の図面を参照する場合には保管してある場所へ戻るという形をとることになる。非常にロスが多く、迅速な対応のためにタブレットを利用したいという声は現場から常にあがっていたという。

「OKIデータ・インフォテックはCADプリンターのノウハウを持っていますから、図面を扱う業務をよく知っていると感じました。独特の使い方をわかっているため、TerioCloudは現場で使いやすいものに仕上がっています」と瀬戸口氏。

清水建設 情報システム部 主査 室井俊一氏

図面へのスムーズな書き込み、履歴・レジュームといった機能で以前見ていた部分を即座に再表示できる機能なども評価された。 試験的に展開した現場からのフィードバックを受け、同時に評価をすすめていた各メーカーへ都度、改善要望を出していた。その時の対応も、選定のポイントになったという。

「他社では『要望は理解しました』と言ってもらえるものの、あくまでもいつか取り入れたいというような反応ばかりでした。ところがOKIデータ・インフォテックの場合はこちらのニーズを汲み取ってすぐに実装してくれました。現場ではその対応力と付加された新機能が大好評でした」と清水建設 情報システム部 主査の室井俊一氏は語る。こうした対応力もTerioCloud採用の大きな後押しになった。

【建築現場で活躍】紙図面運用による手戻り減で効率化を実感!

実際に利用することになった現場でもTerioCloudの評判はいい。清水建設 建設所長の和田昌樹氏は「ずっと期待していたものがやっと来たという感じ。iPadなどの最新ソリューションは若い人のほうが覚えも早いだろうと最初は思っていたのですが、最初は敬遠気味だった私も今では手放せないくらい頼りにしています。A1サイズの図面や設計、施工、制作図といった多彩な図面を扱う中、携帯に便利なiPadでその時々に欲しい情報をすぐ取り出せるのは効率化だけでなく職人さんとのコミュニケーションにも役立っています。特に大きな図面を綺麗に素早く拡大表示できるというのもありがたいです」と語る。

清水建設 建設所長 和田昌樹氏

清水建設 東京支店 建築第三部 主任 鈴木康仁氏

TerioCloudが持つ、図面への写真添付機能や、写真に書き込みが行える機能は、確認事項のやりとりをスムーズにしているという。

「何といっても、雨の日に図面が見やすいのがいいですね。紙だと濡れてしまいますから。スムーズに図面が読めるようになったことと、工程表などの工事関係書類もアップデートしながらiPadに入れて持ち歩くようにしたことで、現場での情報確認の効率がアップしました」と現場での細かな利便性を語るのは、清水建設 東京支店 建築第三部 主任の鈴木康仁氏だ。

清水建設 東京支店 建築第三部 工事主任 堀内慎一郎氏

また、具体的な導入効果の実感として清水建設 東京支店 建築第三部 工事主任の堀内慎一郎氏は「前夜に翌日使うための図面を探してコピーしておく時間がいらなくなったことと、現場巡回中に急に必要となった図面が手元にはないために、そのたびに事務所まで取りに行くというような非効率的な時間もなくなったことで、残業が減りました」と評価している。

現場ではiPadで見られる図面や写真を利用しての打ち合わせなどコミュニケーションにも活用されているが、毎朝行なわれる全体朝礼では大型ディスプレイとApple TVを利用して手元のiPadから大画面に資料を出力しながらの説明を行うなど、新たな活用も行われている。

「導入前はクラウドにあるデータが最新のものではないというトラブルがありそうで不安でしたが、実際には日付を見て更新の確認ができ、手間がかからずいいですね。今となっては、手放せないものになっています」と和田氏は力強く語った。

全社建築の情報化推進担当者である小田氏も「今後当社はiPadとTerioCloudのような新しい道具を全国の現場に展開していきます。試行現場のような活用がiPadを初めて導入した現場でスムーズに行えるよう支援していかなければいけませんが、TerioCloudは忙しい現場の利用者にも操作を覚えやすいように様々な工夫がされていますので、展開する上で助かっています」とTerioCloudを高く評価している。

iPadで見られる図面や写真を大型ディスプレイとApple TVを利用して打ち合わせにも活用している

【土木現場特有の要求にも対応】200頁の共通仕様書も手軽に持ち運び!

土木の現場では、以前にAndroidタブレットを試行的に利用した経験があった。新しいツールを取り入れて工夫することが入札時などに評価される関係上、早い時期に取り組んだのだ。その時の経験から、全社展開するにあたっては厳しい要求があった。

清水建設 土木事業本部 情報システム部 企画管理グループ長 渡邊照彦氏

「写真の添付や図面への赤入れ機能は必須ですが、最も厳しい要求となったのは200ページ以上ある共通仕様書がそのまま格納できることでした。他社では100ページずつ分割しなければならなかったのです。また関係各社がいろいろなツールでPDFを書き出してくる中、読み込み時にエラーが出るものについてもきちんと読み取れるよう、OKIデータ・インフォテックはすぐに対応してくれました」と評価するのは、清水建設 土木事業本部 情報システム部の企画管理グループ長である渡邊照彦氏だ。

また、土木工事では複数企業が協力して工事を請け負う(JV)ことが多いため、清水建設だけでなくJVに関わる協力各社もスムーズに利用できることと同時にセキュリティも確保されることが条件となった。現場ごとのアクセス制限など建築現場とは異なる新たな機能も要求されたが、その条件をクリアしたのがTerioCloudだった。

「他社でタブレットを使っているのは聞いていて、ぜひ使いたいと思っていました。現場によって違いますが、図面や仕様書などを含めて1人あたり300枚くらいの書類が必要になります。以前は紙図面やドキュメントをすべて持ち歩くことが困難であり非常に非効率的でした。日々発生する現場作業者からのさまざまな質問への指示・回答や仕様確認などのシーンで、手持ち図面で解決できないことも多く、そのたびに遠く離れた事務所に戻る必要があったので、時間だけでなく移動するための労力もかかっていたのです。しかし、iPadを携帯していれば、その場に応じて図面や仕様書の確認ができるので作業効率が大きく向上しました。またアプリを消すと図面データがローカルに残らない機能も実装してもらえたので大変助かっています」と語るのは、清水建設 土木東京支店 土木第三部 工事長の西村哲夫氏だ。西村氏自身はタブレット操作に馴染めなそうだと当初考えていたようだが、若いスタッフには必要だと考えていたという。

清水建設 土木東京支店 土木第三部
工事長 西村哲夫氏 / 工事主任 山崎光貴氏

その若いスタッフである清水建設 土木東京支店 土木第三部 工事主任の山崎光貴氏は、「最初は壊れやすかったらどうしようかと不安でしたが、頑丈なケースのおかげで心配ありませんでした。図面がすぐ見られること、拡大できること、雨でも見られることは嬉しいですね。また履歴機能やしおり機能などを使って、開いていたページや図面を即座に見られるのもよいところです。離れていても同じ図面を見て会話できるのも便利です」と語る。

土木現場では山崎氏が考案したという、iPadを背中に背負って移動し、必要な時にはストラップをたぐって胸の前で画板を持つように使うスタイルが定着している。両手がフリーで使えて迅速に対応できる実用的なスタイルだ。

現場で多く見かけられたiPadを背中に背負い、必要な時にはストラップをたぐって胸の前で画板を持つように使うスタイル

「個々の現場で作業を終えて別の現場に向かう人もいるわけですが、今では若いスタッフたちの口コミでこの『山崎式iPad肩掛けスタイル』を含めたiPadの使い方が、次の土木現場へ一緒に伝えられています」と渡邊氏。これから本格的に行われる全社展開もスムーズに行われそうだ。

建築・土木の両現場に一括対応できる機能でTerioCloudの全社導入を決定

建築・土木の現場で共通していたのは、iPadを利用した図面閲覧について待ち望んでいたという声だった。また、すぐに図面が確認できるようになったことで効率化もしっかりと体感できている。TerioCloudを利用することで図面に限らず、さまざまなドキュメントを現場で自由に使用する工夫も盛んだ。今ではすっかり現場に浸透し、iPadを手放せなくなっている。そのため、業務システムへのアクセスなどiPadをより活用できる環境が欲しいという声も多く聞かれた。

清水建設ではさまざまなものを導入するにあたって必ずしも全社で共通のものを選択することが決まっているわけではないが、今回は建築と土木で共通したものにしたいという意向を当初からもっていた。

これもTerioCloudが選定された大きな理由だ。先に述べた200Pという大きなドキュメントへの対応が可能であったことの他に、地下深くでの作業や非常に厚い壁の内側での作業などが発生するため、電波環境が悪い中ではオフラインで利用したいという土木現場への対応ができていたからだ。街中の建築だけでなく、さまざまな場で活躍する清水建設ならではの要求だった。

建築と土木という異なる現場の要求にもトータルで応え、現場が求めるさまざまな機能を提供するTrioCloudと、要望に迅速な回答を示してきたOKIデータ・インフォテックの対応力は、これからも清水建設を強力にサポートして行くだろう。

(マイナビニュース広告企画:提供 OKIデータ・インフォテック)

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