Windows XP Service Pack 2(SP2)の延長サポート期間が、が2010年7月13日に終了する。

現在、Windows XPを利用している個人ユーザーの多くは、SP3にアップデートしているケースが多いため、延長サポート期間は2014年4月8日までとなっている。個人企業や中小企業なども同様に、SP3ユーザーが多いと見込まれる。そのため、SP2の延長サポート期間の終了は、それほど影響がないとも考えられそうだが、大手企業などに目を転じると、実は、その影響は極めて大きいといわざるを得ない。

Home/Professionalともに今でも多くのユーザに使われているWindows XP

Windows XP Home Edition SP3のサポートは2014年4月8日まで

SP2の話に触れる前に、実際、Windows XPがどのぐらい現在でも使われているのかを見てみよう。

先頃、社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表した「企業IT動向調査2010」によると、企業におけるクライアントOSの導入状況は、依然として、Windows XPが圧倒的であることがわかる。同調査によると、なんと企業全体の84%がWindows XPユーザーだという結果が出ているのだ。その他のOSでは、Windows 2000が10%、Windows NTやWindows 98などの旧OSは1.4%、そして、Windows Vistaは2.6%に留まっている。また、Windows 7もわずか0.1%という状況だ。

この調査は、東証一部上場企業を中心に約1,000社からの回答を得たものだ。大手企業では、Windows XPの利用率が圧倒的であることがわかるだろう。

なんと企業ユーザの8割がいまだにWindows XPユーザという調査結果が! 7への移行はこれからが本番のようだ

一方、IDCジャパンの調べでも、2009年11月時点での利用率は、Windows XP Professionalが60%、Windows XP Homeが10%となり、7割の法人ユーザーがいまだにWindows XPを利用していることが明らかになっている。Windows Vistaの利用率は19%、Windows 7の利用率は6%に留まる。

では、このなかで、Windows XP SP2の利用率はどのぐらいに達しているのだろうか。

実は、この点では具体的な調査結果は出ていない。だが、マイクロソフト関係者によると、「企業において、Windows XP Professionalを利用しているユーザーの約7割がSP2だと想定される」とする。

セキュリティの問題などから多くのユーザーがSP3へと移行したものの、その検証などに膨大な手間と時間を要することから、情報システム部門では安定しているSP2をそのまま使い続けているという例が大半なのだ。だが、SP2の延長サポートが終了することで、企業においてはSP3への移行、あるいはWindows 7への移行を余儀なくされているというわけだ。

マイクロソフトはWindows 7への移行を呼びかけており、着実にシェアを伸ばしているのは確かだが、Windows XPの完全リプレースまでにはまだ時間がかかりそうだ……

同様の問題は、同じく2010年7月13日に延長サポートを終了するWindows 2000でもいえる。

しかし、こちらはサーバOSということもあり、すでに移行ははじまっている。JUASの調査によると、2009年度にはWindows 2000を導入している企業の比率は17%。そして、2010年にWindows 2000を撤去するとした企業が全体の6%、導入計画がないとした企業が15%、減少させるとした企業が27%に達しており、これらの企業がWindows 2008への移行を計画していると見られる。また、Windows 2003でも、16%のユーザーが減少、7%のユーザーが導入予定なしとしており、これらのユーザーもWindows 2008への移行を想定していると考えられる。実際、Widnows 2008では、27%のユーザーがクライアントを増加させ、6%のユーザーが新規に導入、8%のユーザーが導入を検討中と回答している。

では、Windows XPの場合はどうか。

同じくJUASによると、2010年度に新規にWindows 7を導入することを決定したとする企業が10%、Windows 7を追加で導入することを決定した企業が14%、Windows 7の導入を検討しているとした企業は20%となっており、44%の企業が導入に前向きな姿勢を見せていることがわかる。これらのユーザーの多くは、Windows XPからのユーザーと想定され、その多くがSP2と見ることができるだろう。

JUASでは、「Windows XPは、SP3では2014年4月まで延長サポートが行われるが、多くのアプリケーションベンダが、それ以前にサポートを打ち切るという情報もあり、2010年度には次のOSへの移行がはじまるものと考えられる」との見方をしており、Windows XP SP3のユーザーも順次、Windows 7への移行が見られそうだ。

いずれにしろ、Windows 7の普及には、Windows XPのユーザーをいかに移行させるかが鍵になるのは間違いない。本来、Windows Vistaでやらなくてはならなかった新OSへの移行が、3年遅れで本格的に始まろうとしている。

法人のWindows 7移行を支援するため、マイクロソフトもさまざまな施策を用意している