リガク・ホールディングスは3月12日、同社にとって初の台湾拠点となる子会社「Rigaku台灣(RCTW)」を設立したことを発表した。

TSMCをはじめとする台湾顧客に対するX線分析や熱分析などのサービス強化を目的としたものとなる。同社はすでに欧米やシンガポール、中国などの地域には子会社を設置していたが、台湾への子会社の設置は初めてとなる。近年の台湾は、TSMCを筆頭に主要ファウンドリ各社が各地で半導体ファブの新増設工事を行っており、リガクも今後、台湾での需要がさらに伸びると判断し、今回の設置を決めた模様だ。

また、近い将来、「リガク台湾テクニカルセンター」も設立し、最先端半導体に向けた分析研究を現地でも行うとともに、技術のデモンストレーション施設の設置や顧客の技術者向けへの分析装置操作のトレーニングなども実施する予定だとしている。

同社は、X線の全反射現象を利用し、ウェハ表面上の極微量汚染物質の組成、構造を調べる全反射蛍光X線分析装置TXRFシリーズや薄膜評価用蛍光X線分析装置、化合物半導体の結晶構造評価向けX線分析装置などの半導体製造用X線分析装置で強みを有している。

なおTSMCは、台湾政府の指導もあり、最先端半導体製造技術を台湾域内にとどめることにしており、近年ではそうした先端プロセス対応の前工程工場だけではなく3D ICの製造を担当する先端の半導体後工程工場も台湾内に新増設を進めていることもあり、日本はじめとする台湾外の装置・部品・材料メーカーの進出が目立つようになってきている。