オンラインバックアップサービス企業のBackblazeは3月9日(米国時間)、「The SSD Edition: 2022 Drive Stats Review」において、2022年におけるソリッドステートドライブ(SSD: Solid State Drive)の故障率に関するデータを公開した。

  • The SSD Edition: 2022 Drive Stats Review

    The SSD Edition: 2022 Drive Stats Review

Backblazeは2018年第4四半期から起動ディスクにSSDを採用している。それ以降、同社は故障した起動ディスクや新しいストレージサーバの起動ディスクにSSDを採用している。この起動ディスクはログファイルや一時ファイルなども毎日読み書き削除が行われている。

Backblazeが公開したデータの主な内容は次のとおり。

  • 2022年12月31日時点で起動ディスクに使っているSSDは2,906台で、使用しているモデルは13種類。そのほとんどがコンシューマグレードモデル
  • 2022年は13モデルのうち、7つのモデルに故障がなかった
  • Dell (DELLBOSS VD)は10万日以上の駆動日数があるにもかかわらず、2022年の故障がゼロときわめて優秀。ただし、このディスクはサーバ向けPCIeカードに搭載されたM.2 SSDであり、一般における入手は難しい可能性がある
  • Seagate (ZA250CM10003)、Crucial (CT250MX500SSD1)、Seagate (ZA250CM10002)の3モデルも駆動日数が10万日以上を記録しており、2022年の故障率はそれぞれ0.73%、1.04%、1.98%だった
  • 2022年におけるSSDの平均温度は34.9℃だった。同期間におけるHDDの平均温度は29.1℃だった。これまでSSDの方がHDDよりも低温で動作すると考えられていたが、計測結果は逆だった。原因の一つとして、Backblazeのストレージサーバにおいては起動ディスクがデータディスク(ハードディスク)よりも冷却通路から遠いところにあるためだと考えられる
  • 信頼区間が1.0%以下のディスクはDell (DELLBOSS VD)、Seagate (ZA250CM10003)、Seagate (ZA250CM10002)の3つだけだった。先の述べたとおり、Dell (DELLBOSS VD)はPCIeカードに搭載されたM.2 SSDでありコンシューマでは入手できない可能性がある。Seagate (ZA250CM10003)とSeagate (ZA250CM10002)はコンシューマグレードモデルであり一般的に入手できるものとみられる

Backblazeは同社のデータセンターで使用しているHDDおよびSSDの故障率などのデータを定期的に公開している。実際にどの程度の故障率になっているのかを示すデータとして参考になる。