キュア・アップは6月25日、疾患治療用プログラム医療機器として研究開発を行う「治療アプリ」において、自治医科大学 内科学講座循環器内科学部門の苅尾七臣教授らと高血圧症に対する共同開発を行い、臨床研究を開始することを発表した。同研究では、高血圧診療における「治療アプリ」の降圧効果を探索的に検証し、医薬品以外の新たな高血圧治療戦略の創出を目指すという。

  • 「高血圧治療アプリ」のイメージ

    「高血圧治療アプリ」のイメージ

高血圧は心血管病(脳卒中や心疾患)の最大のリスク因子であり、高血圧に起因する死亡者数は年間約10万人と推定されている。また、日本国内における高血圧患者の推定人口は約4300万人と推定され、そのうち継続的に治療を受けている患者数は、約1011万人とも言われ、その医療費の削減に対する様々な取り組みが検討されている。

高血圧の治療や予防には、生活習慣の改善が不可欠であるが、これには、患者の意欲や職場・家庭の生活環境が大きく関わるため、継続が難しく、医療機関による介入は効果を発揮しにくいという課題があるという。

このような状況を受け、同社は自治医科大学の苅尾研究グループと共同で、高血圧に特化した「高血圧治療アプリ」を開発し、新たなプログラム医療機器としての薬事承認を目指した臨床研究を開始するに至ったという。

なお共同研究グループでは、同アプリが保険診療の中で普及することで、高血圧の重症化予防や心血管疾患の抑制につながると考えられると説明するほか、時系列データの蓄積によりアルゴリズムを改良することが可能なため、患者の利用が増えるほど、その介入精度が高まるようになるため、将来的な高血圧に対する投薬量や受診頻度の継続的な低減につながることが期待できるようになるとしている。。