仏Dassault Systemsの日本法人であるダッソー・システムズ(ダッソー)は3月8日、2015年の業績と2016年の事業戦略に関する記者説明会を開催した。

同説明会で登壇したダッソーの鍛治屋清二 代表取締役社長

2015年のグループ全体の収入は約4000億円で、前年から23%増加。医療機器・医薬品、エネルギープロセス、パッケージ製品・小売など同グループが新規産業として位置づける顧客がソフトウェア収入の30%を占めた。アジアでの収入のおよそ半分は日本でのもので、大手企業を対象としたビジネスが好調だったという。

グループ全体の2015年度決算 (提供:ダッソー・システムズ)

同社は近年、3Dエクスペリエンス・プラットフォームを中核としたビジネスを展開しているが、2016年もこの方針を継続する。具体的には3Dエクスペリエンスプラットフォームをサプライチェーンやエンジニアリング、マーケティングまで包括的にカバーするプラットフォームとする。これを踏まえた上で日本では、デジタル・マニュファクチュアリングとシステムズ・エンジニアリング分野の深化を図るほか、クラウドでの柔軟なサービス提供を進めていくという。

2016年の日本事業戦略 (提供:ダッソー・システムズ)

クラウドでソリューションを提供する場合、ライセンス数を柔軟に変えられるため、プロジェクトごとに関係者が入れ替わる建築・建設業界ではメリットが大きいと考えられている。また、中小規模の企業でITのエンジニアが社内にいない場合でもリッチな環境を利用することが可能になるほか、プラットフォームを利用することでプロジェクトの進捗確認やデータ検索などが容易になり、他企業とのコラボレーションも活性化するとしている。海外ではすでに3Dエクスペリエンス・プラットフォームを活用した先進的な事例が存在し、日本でも建築・建設業界は注力分野の1つに挙げられている。

クラウドサービスは建築・建設業界のデザイン、エンジニアサービス部門を対象とする (提供:ダッソー・システムズ)

クラウドを用いたサービスはSOLIDWORKSでも推進し、14歳以下の子供を対象とした「SOLIDWORKS Apps for Kids」や製品のカスタマイズサービスを実現する「SOLIDWORKS Make」などの製品を展開していく。