6月15日~18日の日程で行なわれた米PTCのカンファレンス「PTC Live Global」。2013年12月に同社が買収したIoTプラットフォーマーの米ThingWorxで社長 兼 ゼネラルマネージャーのRuss Fadel氏がキーノートセッションに登場し、ThingWorxの役割を紹介した。

同社はミッションに「IoTを簡単に利用できるようなプラットフォームを提供したい」を掲げており、2009年に創業した。米調査会社のガートナーから2011年に「Cool Vendor」に選ばれるなど、IoTプラットフォーマーとしての地位を固めている。

IoT時代に重要となる機器間の接続をつかさどるアプリケーションは現時点で500万個、将来的には1億個に達するとの予測もあるという。もちろん、機器に取り付けられる各種センサーもそれ以上に増えるとみられており、2010年時点で70億個、2020年には500億個に達するとの分析もある。

M2M通信により把握するデータは、単なる温度センサーからトラックの運行情報まで多岐に渡るため、そうしたデバイスやネットワークの差異を吸収できるようにプラットフォーム化し、APIで簡単に情報を取得しようという取り組みをいち早く始めたのが、ThingWorxというわけだ。

同社がIoTプラットフォームという開発基盤を提供することで、IoTのアプリ開発が10倍速くなる。そう語るFadel氏は、「10倍速くできれば、ソリューションをそれだけマーケットにいち早く提供できるし、コストも削減できる」と開発部門へのメリットを強調する。

また、「IoTによって、OEMとの関係が変わる。例えば、我々がパートナーと構築した製品を例に挙げると、レンタルされている車がどこにあるか、運転手がどのように操作しているかを検出できる。トラッキングによってスピードがどれくらい出ているかといった情報が取れる」といった実例を挙げ、「位置情報を取得することで、沿道のスターバックスに寄りませんかとクーポンサービスの提供もできる」とし、PTC CEOも語ったIoTによるビジネスモデルの変化についても、コメントを忘れなかった。

実際のThingWorxプラットフォーム活用例。位置情報の把握だけではなく、何km/hで走行しているかどうかなども確認できる