歩く苦を軽減してくれた「ACSIVE」との出会い

その一方で、現在、個人向けに装着体験や長期の試用なども行っている。今回、そうした長期試用で半年ほど装着して開発に協力している方にも実際にお会いさせていただき、その装着感や、実際に装着して歩いてもらうところを動画で撮影させてもらった(画像21・動画17)。諸般の事情で名前が掲載できないのでUさん(仮名)とさせていただくが、Uさんが今回、こうして登場してくれたのは、全国で同じような思いをしている人が大勢いることを考え、そうした人たちに希望を伝えたいということで、自らこの役を買って出てくれたというわけだ。Uさん自身も、事故に遭った当初は絶望的な気持ちだったそうだが、ACSIVEと出会って、本当に救われたという。

  • Uさん

    画像21。ACSIVEを半年利用して、生活がまったく変わったというUさん

動画17。Uさんが装着して歩いている様子。障害があるとはとても思えない

Uさんは事故で脊髄に損傷を受け、両足が思うように動かず、特に右足を動かしにくい状況にあるのだが(障がい者手帳も有している)、動画をご覧いただければわかる通り、ACSIVEを装着した状態だと、本当に障害があるのかと疑ってしまうほどのスムーズな歩きを見せてくれる。Uさん曰く、装着することによって「本当に楽になりました」という。

それまでは踏み出すのがかなり重たかったという右足の1歩が、装着することでとても軽くなったそうで、開発途中でもあるACSIVEについては細かいところの改善要望はまだまだあるとするが、非常に満足しているという。ちなみに、やはり目立たなくさせたいというのがあって、Uさんはビジネススーツで出社するわけだが、ズボンの色味に合わせて黒く自分で塗装して目立たないようにしたという(本来のフレームはホワイト系)。

ちなみに、Uさんは右足に比べれば軽いものの、左足にも脊髄損傷の影響があるそうなので、できれば両足に装着したいそうである。こうした障害による影響で歩行が困難な場合、足が「水の中にある」感じや、地面の感触が「スポンジを踏んだ」感じなどがあるそうだが、ACSIVEを装着することで(損傷度合いによっては100%とまではいかないにしても)そうした感じを消すことができるという。

なお、ACSIVEはUさんのような脊髄損傷の影響で歩行に障害があるという人だけでなく、高齢者に見られるような、ヒザが曲がらないために歩幅が狭く、意識して足を振り出さないとならないという方にも有効だし、装着がとても簡単なことから普段は車いすで生活しているような方の歩行トレーニングでの利用にも向いているとしている。

片麻痺の方や歩行が困難な高齢者の方は、動かしづらい足を出さなければいけないと思うほど、緊張などで動かなくなってしまう。かといって力を抜いてもやっぱり最初の1歩を出せないので歩きにくくなってしまうという。しかし、そういう時にACSIVEを装着することで、1歩をすっと出せる感じになるので、Uさんをはじめとする装着を体験した人たちは楽になるという。