競技で優勝しても総合優勝にはならない水中ロボコン

ROV部門とAUV部門は2日目の午前中にデモンストレーション、午後にトーナメント形式の1対1での競技が行われた。ただし水中ロボコンはもの作りを重視していることから、トーナメントで優勝しても総合優勝とはならない仕組みになっている。デモ点の最大20点とバトル点の最大30点のほかに、重量点の最大20点、初日に行われたプレゼン点の最大30点と、合計すると最大で100点満点の総合評価が行われ、最終的な順位がつけられるという仕組みだ。

各項目の詳細だが、まずデモ点は、技術評価点、フリー演技評価点、説明評価点などにより採点される。バトル点の詳細は、1位が30点で、2位が20点、3位が10点、4位以下が5点。重量点は軽いほど有利で、20kg未満なら20点、20kg以上30kg未満なら15点、30kg以上40kg未満なら10点、40kg以上50kg未満なら5点、50kg以上だと0点となっている。プレゼン点はスライドの構成、話し方、わかりやすさ、質疑応答、技術内容、発表時間などで採点される形だ。

また、ROVとAUVのトーナメントの制限時間は5分で、1対1で行われる。こちらは課題をクリアするごとに加点され、得点が高い方が勝ちとなるルールだ。課題(コース)は潜水訓練プールの3m深度側に設置されており(画像13)、課題の1つ目は「ゲート通過」(画像14)。水深2mに設置されているが、水上を通過してもOKとなっている。2つ目は水深1.5mに設置された「ブイタッチ(オレンジ)」(画像15)、3つ目が水深2mに設置された「ブイタッチ(黒)」(画像16)、最後が全長約2m×全幅約1m×全高0.5mの台の上へのランディング(つまり水深は2.5m)だ(画像17)。

コースは、スタートして直進してゲートを通過して5~7m位のところにオレンジのブイがあって右に90度ターン。続いて3mから5mほど進んで黒のブイでさらに右に90度ターンして、1.5mから2mぐらいのところに台が沈められている(プールの底は3m)というわけだ(数値に幅があるのは、正確な数値を確認できなかったため)。直接競技内でのポイントはつかないが、このライントラッキングをきっちり行えると、審査員へのアピールにはなると思われる。

得点は、ゲート通過のみ10点で、後は20点。そのほか、魚雷のような感じで子機(画像18)の放出に成功すると5点が加算され、最大75点となる。ただし、安全索(通信機能なし)の使用で-5点、通信索の使用で-10点、ダイバーによるヘルプは1回につき-10点となっている(0点以下にはならない)。同点の場合は、ジャンケンでの勝負となる。

画像13(左):潜水訓練プールは2階建てで、1回には複数箇所にプールの中をのぞける窓がある。その1つから撮影したもの。画像14(中):。ゲート。もちろん半円の中をくぐり抜けるのが一番美しいが、水面上であっても位置さえ正しければ通過したことになる。画像15(右):オレンジブイへのタッチ。水深1.5mに浮いているので、潜水機能がないとタッチは不可能

画像16(左):黒のブイ。こちらはオレンジのブイよりもさらに深く、深度2m(プールの底より1mの高さ)に浮かんでいる。画像17(中):。ゴールは、台の上へのランディング。狙った場所へのランディングは結構難しい。画像18(右):発射された子機。魚雷のような感じ