Texas Instruments(TI)は、高い処理性能を要求する産業用オートメーション市場分野のアプリケーション向けに高い性能と拡張性および柔軟性を提供するマルチコアDSP「TMS320C66x」の新製品ポートフォリオを発表した。スマート・カメラ、ビジョン・コントローラ、光学検査システムなどの製品において、TIの「C66x」マルチコアDSPが提供する高い固定小数点および浮動小数点演算性能、高速インタフェース群および大容量のオンチップ・メモリなどの利点を活用できるとしている。

今回発表したのは、4つの製品間でピン互換性およびソフトウェア互換性を確保する「TMS320C6671」、「TMS320C6672」、「TMS320C6674」、「TMS320C6678」。各DSPを使うことで、幅広い製品ポートフォリオに渡って、高い統合性を備え、高い電力効率およびコスト効率を実現する製品を開発できる。また、同DSPの固定小数点および浮動小数点の演算機能は、オーディオ・インフラストラクチャ向け製品のほか、振動および音響解析向け製品にも最適となっている。リアルタイム処理機能は、PLCおよびPAC(Programmable Automation Controller)などの高精度モーション・コントロールおよび多チャネルのリアルタイム・プロセス制御システムにも最適となっている。

TIでは、最適化されたライブラリ群、OpenMPプログラミング・モデル、Linuxソフトウェア含む無償のMC-SDK(マルチコア・ソフトウェア開発キット)をはじめとする、大幅に更新されたマルチコア・ソフトウェア・キットやツールセットを供給中である。

TIでは、8コア搭載の「C6678」の開発および評価に役立つ低価格のEVM(評価モジュール)として、「TMDSEVM6678L」を参考価格399ドルで現在供給中。同EVMには、無償のMC-SDK、Code Composer Studio IDEおよび、アプリケーション/デモンストレーション・ソフトウェア群を含む。C66xマルチコアDSPの1,000個受注時の単価は99ドルとなっている。

TIの新DSP「TMS320C66x」