Texas Instruments(TI)は、電力線通信(PLC)、特定小電力無線、スマートグリッドおよびメータリング・アプリケーション向けに開発キット、リファレンス・デモ、「Auto-rem」キット、WMBUSの4種類のシステム・ソリューションを発表した。

PLC向け開発キット「TMDSPLCKIT-V3」は、PRIMEの認証を取得しており、「TMS320F2806x」Piccolo浮動小数点マイコンと新型の「AFE031」アナログ・フロントエンド(AFE+パワーアンプ)を搭載しており、OFDMベースのPLCアルゴリズムに向けたハードウェア・アクセラレータによるシステム・コストおよび消費電力の最適化と、数多くのPLCアプリケーションに必要なアナログ回路を集積していることから、システムの原材料(BOM)コストの低減、基板実装面積の縮小、設計時間の短縮および、システムの簡素化を実現することが可能だ。

PLC用リファレンス・デモは、開発各社向けに従来からのハードウェア変更による対応ではなく、1つのデザインで異なるプロトコル標準をソフトウェアの変更でサポートするPLC通信機能追加の選択肢を提供する。PLC物理層(PHY)、メディアアクセス制御層(MAC)向けの「AFE031」AFE、PiccoloマイコンによるPLCソリューション、MACおよび上位レイヤ向けのLinuxオペレーティング・システム対応の「AM18x」ARM9マイクロプロセッサ、ピン互換性を備えた「OMAP-L138」DSP+ARMプロセッサによるDSP解析オプション付きのARMプラットフォームを供給する。

「Auto-rem」キットはCygnus ElectronicsがTIのテクノロジーを活用して、スマートグリッドに接続する電気自動車向けPLC通信を試験・実装するための評価モジュールを提供する自動車向けソリューションとして開発したもの。AFE031とPiccoloマイコンによるTIの新型PLCソリューションを実装し、電気自動車と充電ステーションとの間の低価格で高い信頼性の通信に最適である。電気自動車と車外の充電器との通信経路の接続に必要なすべての機能を提供するため、電気自動車、EVSEおよび簡素なエネルギー管理システムの電源管理設定を迅速に開始することが可能である。

WMBUSはTIのサードパーティであるSteinbeisによって開発された。WMBUSソフトウェアは、低価格プラットフォームに最適で、製品サポートおよびプロジェクト統合サービスを提供する。純粋なANSI-C言語で記述されていることから、統合が容易で、ユーザーに高い柔軟性を提供し、最新の開放型メーター仕様(OMS)をはじめ、TIが供給する現行のすべてのバージョンのWMBUS標準をサポートする。現在WMBUSプロトコル・スタックのすべての内蔵コマンドのデモンストレーションを提供するPCアプリケーション・ツールを供給中。