アットマークテクノとサムシングプレシャスは7月8日、Microsoftの組込機器向けOS 「Windows Embedded Compact 7(WEC 7)」をアットマークテクノの組込用CPUボード「Armadillo-440」上で動作させることに成功したことを発表。併せて、Armadilo-440専用のWindows Embedded Compact 7評価ソフトウェアの無償提供を開始したことも発表した。

Windows Embedded Compact 7は、従来の「Windows Embedded CE6.0」の後継となる組込機器向けOSで、現在、MicrosoftのWebサイト上にCTP版(顧客向け評価プレビュー版)が公開されている。

Armadilo-440は2010年3月よりアットマークテクノより提供されている小型CPUボードで、タッチパネル機能が付いた液晶モデル開発セットが6万3,000円で提供されている。プロセッサにはARM926EJ-S(CPUコアクロック400MHz)を搭載したFreescale Semiconductorのi.MX257を搭載している。

Armadillo-440のボード(左)と各インタフェースなどの説明(中央)、実際にWindows Embedded Compact 7(CTP版)を搭載したArmadillo-440のデモ機(右)

今回、アットマークテクノとサムシングプレシャスは、Armadillo-440専用の「Board Support Package(BSP:OSを組み込みボード上で動作させる目的で、各ボードに依存する部分を補うためのソフトウェアパッケージ)」を新たに開発、サムシングプレシャスのBSPラインアップ「Lilas(リラ)」の1つとして提供を行う。

Lilasには、今回開発したWEC7 対応BSPと従来のCE 6.0対応BSPの2種類を用意、いずれも機能限定のバイナリ版が無償で提供されるほか、Lilasが組み込まれた状態のArmadillo-440用評価ソフトウェアも無償でダウンロード可能なため、カスタマはOSを用意したり、BSPを用意したりといった個別の開発環境を準備することなく、かつ追加費用なしでArmadillo-440上でWEC7とCE6.0の評価を開始することが可能となる。

また、フルスペック対応のバイナリ版BSP、およびカスタマイズが可能なソースコード版BSPは、有償版としてサムシングプレシャスから提供される。

Armadillo-440ですぐに動作する評価ソフトウェア Windows Embeddedの評価ソフトウェア Lilas(BSP)機能限定版バイナリ(Basic Version) Lilas(BSP)有償版(Comfort Version)
Windows Embedded Compact 7 アットマークテクノより無償ダウンロード マイクロソフトにてCTP版が正式版リリースまでの期間限定で無償ダウンロード可能 2010年冬以降提供予定(無償) 2010年冬以降提供予定(有償)
Windows Embedded CE 6.0 アットマークテクノより無償ダウンロード マイクロソフトにて180日間限定利用版が無償ダウンロード可能 サムシングプレシャスより無償ダウンロード 有償販売
Armadillo-440のみのコストでWEC 7およびCE 6.0の評価が可能となる