決勝トーナメント - 予選通過32チームによる激戦が展開!

2日目、9月27日(日9には決勝トーナメントが開催。前日の予選を通過した上位32チームによる格闘バトルが繰り広げられた。試合は午前中に1回戦、昼休みと宇宙選抜競技をはさんで午後から2~3回戦、準決勝、決勝という日程で行われた。

ROBO-ONEの競技規則(注:リンク先はPDF)は、参加ロボットの技術発展にともない毎回変更があるが、今大会では、ロボットの大型化に対応してリングが広くなった他、「足裏のサイズ」と「胴体から離れて動く部位の長さ」の規定が改正された。

"足裏のサイズ"については、脚の長さに対して前後左右の長さが何%以内という規制が機体重量ごとに定められているが、今回は「5kg超」の機体が「7kg以下」、「10kg以下」、「10kg超」に細分化され、厳しい基準が適用された。

また、攻撃のリーチに関係する"胴体から離れて動く部位の長さ"については、腕を含めた一律の形で重量ごとに最大長が決められた。従来は脚の長さを基準に、両腕を水平に広げた長さが340%以内、それ以外の頭や尻尾などは最大長が120%以内という規定のみだった。そのため、とにかく脚を長くしてリーチを稼ぐ傾向が見られたが、今回は、軽量級選抜競技にも出場可能な3kg以下の機体で最大30cm、10kg超の機体で最大50cmとなった。

試合のルールに関しては第14回から大きな変更はなかったが、第15回の軽量級選抜大会で採用された「歩行時を除き、自機を中心に90度以上にわたる攻撃(範囲攻撃)の禁止」というルールが引き継がれた。

……と競技規則について踏み込んでみたものの、予選同様に合間を縫っての観戦ゆえ、またもごく一部で恐縮だが試合の様子を画像でご紹介しよう。

2回戦第6試合「JO-ZERO type UF(まりもと)」対「ギンかじろう(ナベ☆ケン)」。敵はスーパーヘビーウェイト!?と思いきや2.5kgと意外に軽量、しかし倍近い体格差に"JO-ZERO"が3-0で敗退

2回戦第7試合「automo 06(Wakka)(holypong)」対「で・か~る(道楽、)」。低姿勢モードからの投げを得意とする"で・か~る"が大技を決めるも、延長戦の末に腕をもがれ判定負けを喫する

2回戦第8試合「エクセリオン(はっし~)」対「Aerobattler MON☆(なぐ)」。ゆらゆらひょこひょこと奇妙な動きで迫るモンスターに果敢に挑む"エクセリオン"だったが、延長戦で1ダウンを奪われ敗退

さて、3回戦が終了しベスト4に勝ち残ったのは以下のロボット達となった。

実戦でもやはり強かった、予選1位の「OmniZero.9(前田武志)」

3位の「ハンマーヘッド(大阪産業大学歩行ロボットプロジェクト)」

予選では空き缶つぶしのデモで214点獲得し10位通過の「Aerobattler MON☆(なぐ)」

人工芝の上でサッカーボールを蹴るデモで179点を獲得、16位通過した「ザウラー(KENTA)」

準決勝の結果は、第1試合"OmniZero.9"対"ハンマーヘッド"では3-0で前者が、第2試合"ザウラー"対"Aerobattler MON☆"では0-3で後者が勝利。どちらも体格に勝る方が圧勝する形となった。

続いて行われた3位決定戦は"ハンマーヘッド"対"ザウラー"となり、こちらはほぼ同体格で互角の攻防が展開されたが、バッテリ確認でタイムを取った前者が1ダウン扱いとなり、そのまま0-1で後者が制した。

そしていよいよ決勝戦は、第14回チャンピオン・前田氏の"OmniZero.9"に、"ROBO-ONE GP"で活躍し2008年度2位の成績の"Aerobattler MON☆"が挑む形となった。

身長52cm・体重4.98kgと比較的大型の"Aerobattler MON☆"だが、超ド級の"OmniZero.9"を前にしては腰ほどの高さしかない。開始早々のパンチで1ダウン。しゃがみこんでパンチに耐えるもふっ飛ばされ後退、立ち上がったところを狙われて屈辱のリングアウト。最後もまた同じような展開でパンチを食らい、あっという間に3ダウンを奪われてしまった。

決勝戦「OmniZero.9(前田武志)」対「Aerobattler MON☆(なぐ)」
巨体から繰り出すパンチ攻撃で3ダウンを奪い、"OmniZero.9"が優勝を決めた(wmv形式 9.8MB 65秒)

かくして"OmniZero.9"が決勝戦に勝利。対戦したロボットたちも果敢に攻めたものの、105cm・25kgという圧倒的な巨体にはさすがに歯が立たなかったようで、全試合3-0のノーダウンという無敵の圧勝で優勝を決めた。