英ARMは、Samsung電子、IBM、Chartered Semiconductor Manufacturing(以下、CSM)が、32nmおよび28nmの超微細プロセス半導体開発および量産のために結成している共同開発連合に参与することになったと発表した。

Samsung電子をはじめとした3社は、「Common Platform」という連合体を結成し、CMOS基盤の90nm、65nm、45nm、32nmプロセス技術に関する開発において協力してきた。そして3社は、「HKMG(high-k metal-gate)」技術をはじめ、193nmのイマージョンリソグラフィなどの技術を活用することで、28nmの超微細プロセスを実現するために研究を続けている。

今回の協力を通じてARMでは、Common Platformが自社顧客支援を円滑にできるよう、ロジックやメモリ、インタフェース製品を含む「Physical IP(Intellectual Property)」のデザインプラットフォームの開発を行う予定だ。

さらに、Common PlatformのHKMG 32nm/28nm技術の特徴を活用し、自社の「Cortex」プロセッサ製品群において、最適の電力、性能および面積を達成できる、Physical IPを開発する方針でもある。

ARMによるとHKMG技術は、材料工学の革新によって、相当量の電力や性能上の利点を確保するものであり、携帯用家電製品などを含む、多様な分野を対象としているという。

今回の協力によって、ARMにとっては、これまで別々に進められていた開発作業を統合できるようになるだけでなく、デザイン拡張が容易になるほか、性能向上やバッテリの寿命延長、コスト削減効果をも持つモバイル機器の開発が可能になるなど、メリットが増える見込みだ。

ARMでは「当社のマイクロプロセッサ、Physical IPデザイン分野でのリーダーシップと、Common Platformが手がける先端技術との長所を活かして、多様な消費者アプリケーションサービスを提供する電子製品の発売を、より早くできるだろう」と述べている。

一方Samsung電子では「今回の協力により、HKMG基盤の32nmプロセス技術と、ARMの低電力高性能コアおよびライブラリを結合したデザインソリューションを、お互いに提供できるだろう」と語った。

Common Platformでは、今後もより多くの会員企業を確保したい考えだ。