The Elder Scrolls V: Skyrim(グラフ98~101)

Bethesda Softworks
http://www.elderscrolls.com/

Battlefield 3とは別の意味で、そろそろベンチマーク用として使えなくなってきた気がするのがこのSkyrim。一応テストは最新バージョン(1.8.151.0.7)で実施しているが、以前説明した状況が更に悪化している。

テスト手順はこちらの通りで、解像度だけ1280×720 / 1600×900 / 1920×1080 / 2560×1440にしたのだが、まず平均フレームレート(グラフ98)を見ていただくと判るとおり、「まともにデータが取れない」。

大雑把に言えば、内部で利用している物理エンジンが60fpsを前提に構成しているようで、平均フレームレートが100fpsを超えると物理エンジンの振る舞いがかなり破綻をし始め、120fpsを超えると簡単に致命的な状況になるようだ。GeForce GTX 680の時に説明した、「一度FRAPSで最後まで録画してからやり直し」の技も、120fpsを超えるとほぼ通用しなかった。

そんな訳で2560×1600pixelに関してはほぼどの構成でも一応最後まで辿り着いた(とはいえ、GTX 680は最後まで行ったのは5回のうち1回だけ)が、1920×1080pixelは最後まで行き着かずに打ち切ったものもいくつか。それ以下の解像度ではそもそもベンチにならない(2000fps位で馬が高速回転してるデータを取っても仕方が無い)のでデータ無しとさせていただいている。

というわけで、多少なりとも意味があるのは2560×1440pixelのみということになる。一応最大(グラフ99)/最小(グラフ100)のデータも示すが、あまり有用性は無い。

ということで、フレームレートの実際(グラフ101)を見てみる。

まず顕著なのは、恐ろしく暴れるSLIの結果で、確かにピークはかなりのフレームレートなのだが、これはどうも内部的に物理エンジンが空転して、早く処理が終ってしまった結果な気がしてならない。実際、一応最後まで辿り着いたとは言え、しばしば馬車が空を舞っていたからだ。この異様に高いフレームレートの時は、大体が空中を移動していたと考えていいだろう。

逆にCrossFireは後半低調であるが、こちらはこちらで前を移動する馬車と半分融合していたので、物理エンジンの負荷が大きかったためと思われる。

こういうことを勘案すると、TITANは比較的優秀で、比較的マシな結果になったとは思う。ただまぁこちらももうチョットで馬車が空を飛んだり岩と融合したりする直前だった、という感じであり、まともにデータが取れたのは「運が良かった」だけかもしれない。一応HD 7970/GTX 680との明確な性能差もあるから、(CrossFire/SLIの事は忘れて)こちらだけを見て判断するのが正解な気がする。

Skyrimは、もう少し性能の低いビデオカードの評価には良いかもしれないが、ハイエンドカードの比較では次は外すべきかもしれないという事を今回実感したテストであった。

次のページ:ベンチマーク結果「S.T.A.L.K.E.R Call Of Pripyat」