ASUSTeK Crosshair IV Formula

前回も触れたとおり、今回Phenom II X6と共に届いたのがASUSTeKのCrosshair IV Formulaである(Photo08)。電源はCPUが10-Phase、Memoryが2-Phaseといった構成になっているようで(Photo09)ある。AMD 890FXもやはりヒートシンクの下に配されている(Photo10)。またCPU周辺には、EPUやTurboVなどの電源管理用コントローラが配されている(Photo11,12)。PCI Expressレーンに関しては、AMD890FXは2本のx16レーンを持つが、1レーン目についてはx16 or 2x8を自動認識するが、2レーン目に関してはこの機能が入っていない。このためマザーボード側にPCIe Switchが用意されている(Photo13,14)。

Photo08: 赤を基調としたデザインで、パッケージもこれに準じたものになっている。

Photo09: ヒートシンクの下にスイッチングトランジスタが隠れているようだ。稼働中はそれなりの発熱になるが、案外放熱効果が高い様で手で触れる程度の温度で済んでいる。とはいえ、ケースに収める場合は排気対策が必須だろう。

Photo10: この手のレイアウトの場合にいつも疑問になるのが、電源部の熱が逆にノースブリッジに伝わらないか? ということ。もっとも、ノースブリッジと電源部の両方の熱を、2つ(というか、サウスブリッジまで入れると3つ)のヒートシンクで分散放熱しているのかもしれないが。

Photo11: CPUソケットの上にはEPUのコントローラが。型番からするとASMediaのもののようだ。

Photo12: メモリスロットの脇、iTEのSuperI/Oの左にTurboVのコントローラが。その下には"ProbeIt"として、主要な信号用のピンヘッダを取り付け可能なポイントが用意されているのもちょっと怖い気が。その更に左脇には動作確認用LEDまで。

Photo13: 下側のレーンにのみ、スイッチ(といっても所謂PCIe Switchではなく、高速なアナログスイッチ)が配されているのが判る。

Photo14: 使っているのはおなじみASMediaのASM1440。最近やっとASMediaも情報公開を始めてくれたお陰で、資料が手に入るようになった。

その他目に付くものとしては、バックパネルの内側にNECのUSB 3.0コントローラ(Photo15)、PCIeスロットの脇にHD AudioとIEEE1394、それとGbEコントローラが並んでいる(Photo16)。マザーボード下部はというと巨大なヒートシンクが鎮座しているが(Photo17)、一応その影にSATA/PATAコントローラも用意されている(Photo18)。ただポートそのものは、SB850に直結するのが6ポート、及びオンボードにSATAが1ポートと、バックパネルにeSATAが1ポートという構成で、PATAポート自体は存在しない。流石に昨今は光学ドライブもほぼSATAに移行しているので、これで困るケースは殆ど無いと思われるが。

Photo15: ルネサスエレクトロニクス(旧NECエレクトロニクス)のD720200F1

Photo16: 左上からVIAのVT2020。FAQによれば、VT2020とVT1828SというHD AudioコントローラはASUSTeK専用として供給しているそうな。その右にVIAのVT6315N IEEE1394ホストコントローラ。PCI Expressで接続されるのがちょっと新しい。その更に右にあるのがMarvellの88E8059。このあたりは定番である。

Photo17: ヒートシンク周辺はiROGの専用コントローラが目立つ。

Photo18: JMicronのJMB363。これも定番である。

ちなみにヒートシンクそのものは厚みこそあるが高さは低めに抑えられており、大きめのヒートシンクを取り付ける場合にも邪魔になりにくいのは助かる(Photo19)。バックパネル部はこんな感じとなっており(Photo20)、サウンド入出力脇にはROG Connect用のコネクタとスイッチが配されている。スイッチの後ろにはROG Connectの通信用マイコンと思しきものも配されていた(Photo21)

Photo19: 今回はCPUクーラーにこれを使ったのだが、ヒートパイプが大きく張り出しているために、マザーボードによっては引っかかる場合があった。Crosshair IV Formulaはぎりぎりセーフであった。

Photo20: 一応PS/2キーボード端子が用意されているあたりが面白い。USB 3.0ポートは左から2つ目の、ブルーのセパレータになっているもの。

Photo21: 別のPCにあらかじめRC TweakItと呼ばれる専用ソフトをインストールし、その後専用ケーブルでROG Connect端子に接続、スイッチをOnにすると、そのPCからBIOS Setupをリアルタイムで変更できるという代物。今回はあくまでPhenom II X6の評価なので、これらは試さなかった。