今回の主役は、節約食材の王様・もやしである。もやしの炒め物といえば定番のおかずだが、もやしがしなっとして水気が出てしまってりと、完璧な状態に仕上げるのは意外に難しい。そこでもやし炒めのコツを東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さんに教えていただいた。どこの家庭でもある卵とツナ缶、さらにナンプラーやライム、鷹の爪を使って、ピリ辛のエスニック風炒め物をつくる。

薮崎シェフの大人気チャーハン連載更新中!

【連載】チャーハンを極めよう! - 身近な素材でつくる絶品レシピ


残り物の食材で、パパッとカンタンにつくることができるチャーハン。主婦にとっても1人暮らしの人々にとっても、なんともうれしい料理なのだが、"上手くつくる"となると、少々難しいのがこのメニュー。専門店のように仕上げるには、それなりのテクニックが必要なのだ。そこで、調理指導とレシピ考案をお願いしたのが東京・青山の中華料理店「Essence」のオーナーシェフ・薮崎友宏さん。
まず第1回目と第2回目では、基本中の基本である玉子チャーハンについて紹介。玉子を"先混ぜ"にするか、"後混ぜ"にするかの2通りを教えていただいた。

エスニック風もやし炒め

材料(2人前)
卵 2個 / ツナ缶 1缶 / もやし 1袋(250g) / ナンプラー 小さじ1 / タカのツメ 1本 / ライム 少々 / サラダ油(もやし炒め用) 大さじ2 / サラダ油(卵炒め用) 大さじ2

つくり方

1.卵をボウルに割り入れ、ツナ缶をオイルごと加える。さらにナンプラーを加え、混ぜ合わせる。
2.フライパンを温めてサラダ油をひき、もやしを強火で炒める。軽く10回ほどあおる程度にし、全体に油がまわってきたら、ナンプラーを加えさらに炒める。少ししんなりしてきたら、フライパンから取り出し、別皿等によけておく。
3.フライパンを温め、サラダ油をひく。刻んだタカのツメと1の卵液をかき混ぜながら中火で炒める。卵に火が通ってポロポロとした状態になったら、2のもやしを戻し入れ、強火で軽く炒め合わせる。皿に盛り付け、ライムを絞って完成。

もやしは一度先に炒めて水分を飛ばしておくことが、シャキシャキの食感をキープする秘訣。味付けに使うナンプラーの液体分も炒めて飛ばし、さらに玉子が固まっていくことで、仕上がりにはほとんど汁気が残らない。炒め過ぎは禁物なので、手早く仕上げよう。

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教えていただいた料理人

「Essence」オーナーシェフ兼ソムリエ
薮崎友宏さん


横浜中華街の老舗「菜香新館」にて修業を開始。26歳で立川店の料理長に抜擢される。その後、広東省で家庭料理を学び、北京の大学で薬膳の研修を受ける。中国政府認定の国際薬膳調理師の資格も有する。2007年3月に東京・青山「Essence」料理長、2008年に同店オーナーシェフに。同店では薬膳も取り入れ、広東料理をベースにした料理を提供。チャーハンは4種類を用意し、近隣へのデリバリーも行っている。

「Essence」
住所: 東京都港区南青山3-8-2 サンブリッジ青山1F
TEL: 03-6805-3905

撮影: 中村浩二