アラフォーの皆さまのなかには、長く付き合っている恋人がいるという人も少なくないかもしれません。「この年になって恋人もいないの。焦るわ~」などというご同輩を横目に、「少なくとも私は独り身じゃないわ。いざとなれば彼と結婚すればいいんだし」などとほくそ笑んでいませんか?

けれども、それだけ長く付き合っていたのに結婚に至っていない理由について、真剣に考えたことはありますか? 長年付き合っていて、しかも女性は30代と言うビミョウなお年ごろ。それなのに「結婚」の"け"の字も持ち出さない男性がいるとしたら、そして、それがあなたの恋人だとしたら、それは大いに問題あり! です。

セオリー2--長い春には自分からピリオドを打つ

雑誌編集者のM代(35歳)が広告代理店勤務の彼(37歳)と付き合い始めたのはいまから5年前。お互いに仕事をバリバリとこなし、プライベートも楽しんでいました。とはいうものの、5年たっても未だに結婚を切り出さない彼に対し、もやもやとした感情を抱いていたのも事実。ですが、焦っていると思われても嫌なので「お互い忙しい、もう少し落ち着いたらね。いまの状態でも十分楽しいし」と、自分を納得させていたのです。

そんなある日、「大事な話がある」と彼からの呼び出しが。「これはいよいよプロポーズか!?」と思い、わくわくしながら待ち合わせ場所に向かったところ、彼の口から出たのは「別の女性と結婚することになった」という言葉。

彼曰く、「M代は美人だし、明るいし、頭の回転も早いから、一緒にいてとても楽しい。友だちにも自慢できる。最高の恋人だ。でも、結婚する相手は地味でもいいから、しっかりと家庭を守ってくれる人がいいと思っていた」というのです。

そして、親から「早く結婚を!」とせっつかれた彼は密かに結婚紹介所に登録。そこで知りあった28歳の女性と結婚することになったとのこと。「でも、M代を好きな気持ちは変わらない。もしよかったら今後も付き合いを……」。これを聞いて、「馬鹿にしないでよ!」と激怒して、店を後にしたことは言うまでもありません。

一般的な感覚を持った男性であれば、30代の女性とある程度の期間付き合ったとしたら、「結婚」を意識するのは当然のことです。それなのに「結婚」を言い出さないということは、

  1. 相手が誰であろうと、いまは結婚する気がない
  2. 結婚する気はあるが、現在の相手ではないと感じている
  3. いま付き合っている相手と結婚したいが、断られるのが怖くて言い出せないでいる

のいずれかでしょう。

M代の彼の場合は2番だったわけです。ここらでそろそろ結婚をと考えるのなら、自分の恋人が1~3番のどれに当てはまるのか、相手をじっくり観察し、話し合いをするなどして見極める必要があります。そして、1または2のケースであった場合、即刻別れを切り出すのが賢明でしょう。

結婚する気のない男といつまでも一緒にいたとしても幸せはやってきません。長年付き合った恋人ですから、情も移っていることでしょう。「そのうち結婚できるでしょ」などと思っていても、M代のようにあっけなく裏切られるケースもあります。先の見込みのない長い春には自分からピリオドを打つ。一時的にはつらくても、その潔さがきっと幸せを運んできてくれるはずです。

ちなみに、M代は彼と別れた後、職場の飲み会で「振られちゃった~!」と大騒ぎしたところ、その噂を聞きつけた年下カメラマンから「だったら僕と付き合ってもらえませんか? 」と言われ、現在、結婚を前提にお付き合い中だとか。ブラボー。

粂美奈子(くめみなこ)プロフィール
アラフォー世代上限ギリギリのフリーライター。結婚情報誌の編集&執筆を長年手がけ、結婚式をはじめ結婚にまつわるさまざまな事象について取材。オールアバウトジャパンにて「結婚式」ガイドも務める。著書『ウェディング・プランナーになる!?』、『ブライダル業界の動向とカラクリがよ~くわかる本』(以上秀和システム)、『結婚準備まるごとナビ』(監修/高橋書店)など。