公開初日を迎えた映画『リングサイド・ストーリー』の舞台あいさつが14日、東京・新宿武蔵野館で行われ、佐藤江梨子、瑛太、武尊、黒潮"イケメン"二郎、武正晴監督が出席した。

左から佐藤江梨子、瑛太

日本アカデミー賞やブルーリボン賞など数々の映画賞を総なめにした映画『百円の恋』を手掛けた武正晴監督の最新作とあって、多くの報道陣が詰めかけて行われた舞台あいさつ。『百円の恋』以来、3年半ぶりとなる本作について武監督が「まさかこういう映画を撮るとは思ってもいませんでした。映画って不思議だと思いましたね。ある日突然降ってくるんですから。リング上でプロレスと俳優さんが融合するとは思いもつきませんでした。だから今日を迎えて面白いなって思います」としみじみ。そんな武監督の最新作に佐藤江梨子とダブル主演を務めた瑛太は「武監督の前作『百円の恋』はたくさんの賞賛を得ましたが、僕自身は『百円の恋』を超えたと思っています」と自信を見せた。

さらに、「撮影はすごく過酷なところもありましたが、本当に楽しかったですし、皆さんと精一杯愛情を注いで作りました」とアピール。演じたヒデオというキャラクターは自身と重なる部分もあったようで「実際に僕も仕事が来ない時期があり、100円ショップでキャベツを買って食べていた時期がありました」と振り返り、「思いっきり崖から飛び降りる覚悟で生きていくというか、そういう勇気みたいなものを演じてみて、原点回帰できました。予定調和じゃつまらないし、ただのお仕事にしたくないというか、挑戦し続けたいなと改めてヒデオに感じさせてもらいましたね」と決意を新たにしていた。

その瑛太の相手役を務めた佐藤は、本作が4年振りの映画主演作となる。オファーされた時の心境を「脚本が面白いですし、役者さんあるあるみたいなものが出てきて、すぐ演りたいと言いました」と明かしつつ、「ヒデオのように急に売れだした人が売れなくなったりとか、役者あるあるがすごく多くて、ヒデオのことを言われているのに、自分に言われている気持ちになったりしました」と回顧。また、瑛太扮したヒデオについて「若くて時間があったらいいとは思いますが、大人になったら明日や明後日、子どものことでやることが多いから(笑)」と否定的だった。

映画『百円の恋』のスタッフが再結集し、盟友・足立紳の実話をヒントに生み出されたオリジナルストーリーを映画化した武正晴監督の最新作となる本作。夢だけがデカい典型的なダメ男・ヒデオ(瑛太)と、彼を支える健気なカナコ(佐藤江梨子)の姿をコミカルに描く。