JR西日本は15日、東海道新幹線・九州新幹線で採用している新ATC(自動列車制御装置)を2月19日始発から山陽新幹線にも導入すると発表した。同時に、地震発生時の脱線を防止する逸脱防止ガードの設置区間を拡大する計画も明らかにした。
山陽新幹線でこれまで使用していたATCは、停止位置に対して段階的にブレーキ制御を行って列車を減速させる方式だったが、新ATCは停止位置に対して一段でブレーキ制御を行うことができるため、なめらかな減速が可能になる。これにより、乗り心地が向上するだけでなく、所要時間の短縮にもつながるという。
所要時間短縮は3月4日のダイヤ改正から反映され、新ATC導入とダイヤの見直しにより、東京発広島行「のぞみ111・113号」は新大阪~広島間が6分短縮される。岡山発博多行「こだま747号」も所要時間が38分短縮となる。
山陽新幹線の逸脱防止ガードは新大阪~姫路間で設置を完了しており、今後は姫路~博多間で整備を進めるとしていた。現行計画ではこのうち、優先順位の高い広島~博多間の計110kmの区間を整備対象区間としていたが、今回の計画変更により、これまで整備対象となっていなかった姫路~岡山間を含む計285kmまで整備区間を広げる。整備完了は2029年度を予定している。