舞台挨拶中に行われた鏡開きの様子。左から浄園祐プロデューサー、浪川大輔、栗田貫一、小池健監督。 原作:モンキー・パンチ(c)TMS

モンキー・パンチ原作による劇場アニメ「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」が、本日2月4日に公開された。

東京・新宿バルト9では初日舞台挨拶が実施され、ルパン三世役の栗田貫一、石川五ェ門役の浪川大輔、小池健監督、浄園祐プロデューサーが登壇した。PG-12指定のレイティングとなっている本作について栗田は、「朝早くからご覧になっていただく作品ではなかったと思いますけれども……」と飄々と挨拶。公開初日を迎えた感想について「収録の時から、浪川大輔という人が悩み苦しみ、五ェ門をどう演じていくかというのを見てきまして、そうしたものを乗り越えて作った作品だと思います」と栗田が語れば、浪川も「劇中とリンクするんですが、(キャストに)見守っていただき、背中を支えてもらいながら精一杯演じました」とコメントする。

浄園プロデューサーは前作「次元大介の墓標」と本作の違いについて、「ルパンと次元の相棒という関係性に迫った『次元大介の墓標』とは、少し立ち位置が違う作品です」としながら、「斬鉄剣を使うということは、接近戦で戦うことになる。(戦闘で)相手の懐に入るのであれば、当然自分も命を取られる可能性があるということをヒリヒリと描けましたし、五ェ門らしさが出たんじゃないかと思います」と満足気に語る。浪川は「五ェ門らしさ」について、「今回(キャッチコピーに)『未熟なり』という言葉が出ていますが、(演者としての)自分らしさを出すというよりは、五ェ門が全力で戦う中で未熟さを出せればいいなと思って演じてきました。息ひとつにしても、何テイクも重ねて」と回想。栗田も「たとえば火の中で我慢するシーンで、『熱い』って言葉を言わないで、だんだん五ェ門が変わっていく様子を表現するっていうのは大変だなと感じていたんです。アフレコを後ろで見ていて、『こうしたらいいんじゃないか』って思うことはあるんだけど、これは劇中のルパンと五ェ門の関係のままで、(答えは)大ちゃんが自問自答して見つけるしかないんだろうなと」とアフレコを振り返った。

また小池監督は「LUPIN THE IIIRD」シリーズについて、「誰かにスポットをあてる話ではあるんですけど、やっぱり話を引っ張っていくのはルパンで、栗田さんが作ってくださった『悪ルパン』がバッチリハマったと思っています」と説明。これを受け栗田は「(テレビシリーズなどの)ポピュラーなルパンは、ピアノの鍵盤で言うと真ん中から上。小池ワールドって鍵盤の1番下の音からピアノを弾かないといけないっていうのがあった。ある意味、逆に弾けられる場所でした」と続けた。

最後に浪川は同作の見どころについて「これからも石川五ェ門という役を、プレッシャーを感じつつも大切に演じていきたいと思っていますので、まずは『血煙の石川五ェ門』をよろしくお願いします」とアピール。栗田は「まずはSNSというものでジャスティン・ビーバーのように作品を広めていただいてですね……」と語り会場の笑いを誘いながら、「私の意見ではありますが、たとえば沢城みゆきという人はモノマネ的な見方だと、前の不二子さんとはひとつも似ていないのに、なぜかどう聞いても峰不二子なんです。山寺宏一という人も見事に銭形になってしまった。そういう意味で、大ちゃんがまさに石川五ェ門になった作品という気がします」と締めた。

「LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門」

キャスト

ルパン三世:栗田貫一
次元大介:小林清志
石川五ェ門:浪川大輔
峰不二子:沢城みゆき
銭形警部:山寺宏一

スタッフ

原作:モンキー・パンチ
監督・演出:小池健
脚本:高橋悠也
音楽:ジェイムス下地
アニメーション制作:テレコム・アニメーションフィルム
製作・著作:トムス・エンタテインメント
配給:ショウゲート

原作:モンキー・パンチ(c)TMS