経済広報センターは8月4日、優れた企業広報を実践している企業や経営者、企業広報の実務者を表彰する「企業広報賞」受賞企業・受賞者を発表した。

三菱商事の「逃げない広報姿勢」を評価

「企業広報大賞」の選考基準は、「社会から期待され求められているものを見極め、それを経営に反映させるとともにステークホルダーに対し企業活動の的確な情報を発信・伝達し、社会に貢献している企業」であること。

第32回となる今年の企業広報大賞を受賞したのは、総合商社の「三菱商事」。厳しい局面でも、経営方針や事業内容を正確に伝える「逃げない広報姿勢」を一貫して実施していることが評価された。また、CSR活動として、東日本大震災被災地支援のため2012年に「三菱商事復興支援財団」を設立し、被災から5年がたった今でも、支援活動を継続していることなども受賞の理由となった。

三菱商事が「企業広報大賞」受賞(三菱商事HPより)

「経営者賞」は三越伊勢丹HDとりそなHDトップが受賞

「企業広報経営者賞」の選考基準は、経営トップ自らが広報の重要性を認識し、社内外の情報によく耳を傾け、経営環境や経営方針などについて、社会や従業員に語り、コミュニケーションを積極的に推進している経営者」であること。

同賞には、百貨店の三越伊勢丹を傘下に持つ持ち株会社「三越伊勢丹ホールディングス」 代表取締役社長執行役員の大西洋氏と、りそな銀行を傘下に持つ銀行持ち株会社「りそなホールディングス」 取締役兼代表執行役社長の東和浩氏が受賞した。

三越伊勢丹ホールディングス 大西氏の受賞理由は「自社だけではなく、講演や取材に数多く応じ、百貨店業界の発信源として、積極的なトップ広報を実施したこと」。また、伊勢丹新宿本店や銀座三越などの店舗で正月2日を休業日とするなど、従業員の働く環境を改善し、それを自らが発信することで、企業のイメージの向上に大きく貢献したことも受賞理由となった。

りそなホールディングスの東氏は、「リテールNo.1」を目標に掲げ、経営戦略を明確に打ち出し、休日・夜間のサービス提供や印鑑レスで口座開設ができる店舗の新設など、先進的な「りそな」独自のサービスと差別化戦略を進めたことが評価された。

「功労・奨励賞」はキリンとローソンに

奨励に値する独創的な企業広報を実践している実務者及びチームに授与される「企業広報功労・奨励賞」には、飲料メーカーの「キリン」執行役員 CSV本部 コーポレートコミュニケーション部長の藤原哲也氏と大手コンビニエンスストア「ローソン」常務執行役員 コミュニケーション本部長兼CHO補佐の宮﨑純氏が受賞した。